アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Close to Home 1-1 "Pilot"

2005年10月12日 | TV: 全般
『Close to Home』(CBS系列)の第1話(10/4放送)を見た。

主人公はインディアナ州の郊外に住む検事アナベス・チェイス(ジェニファー・フィニガン)。彼女は自分の近所の事件を専門に扱うが、これまで担当した25件の事件で不敗の記録を持つ若き有能な検事だ。物語は彼女が12週間の産休を終え仕事に復帰するところから始まる。

アナベスの復帰初日、ちょうど近所で火事が起こり母親と2人の子どもが救出されたが、母親自身に放火の疑いがかかる。自分も母親になったばかりのアナベスは「子どもを焼き殺そうとするなんて、とんでもない母親だわ!」と憤りを覚える。しかし、よく事情を聞いてみると、その母親と子どもたちは過去2年間にわたって夫(父親)に家に閉じ込められており、一切の外出が許されていなかったため、「火事を起こせば脱出できると思った」のだという。

家を改めて調べてみると、全てのドアと窓にまるで刑務所で使われるようなロックと防犯装置が仕掛けられていて、鍵が無ければ外には出れないようになっていた。監禁または虐待に使われたらしい首輪等の道具もあった。さらに、電話も引かれておらず、外に連絡を取ることは不可能に近かった。子どもたちのための玩具やゲーム類も一切なかった。

そこで、夫(父親)が虐待/監禁等の容疑で起訴され、妻と子どもへの接近禁止命令が下るが、彼も優秀な弁護士を雇って争う。夫の弁護士(倫理のかけらもないような奴)が「虐待されたという証拠は全く無い」と主張し、聴聞会は難航する。「目撃者が必要」と判断した検事側は妻の母親に話を聞くが、「ここ数年は会う事も電話で話す事もできなかったので、役に立つ証言はできそうもない」と消極的だ。一方、夫の母親は「孫たちは私の家にしょっちゅう遊びに来てるし、私も向こうの家をよく訪れてるわよ」と、息子が家族を監禁してる事を否定する。

アナベスの新しい上司モリーンは「本当に勝ち目はあるの?妥協しないと貴女の完璧な勝訴記録に傷が付くことになるわよ」と忠告するが、アナベスは断固として譲らないのだった。この上司はアナベスが産休の間に彼女を飛び越えて出世していたこともあり、アナベスは「仕事を家族として選んだ貴女を私は批判しないわ。その代わり、(家族を優先する)私を批判しないでちょうだい!」とキレる。このシーンでの「I don't judge you for (your choice) so don't you dare judge me!」というアナベスのセリフはちょっとワザとらしかった。普通、そこまで言わないでしょ?

やがて、子どもの1人…10歳の男の子…がアナベスに「僕が証言したらパパを牢屋に入れてくれる?」と恐る恐る尋ねる。アナベスは「きっとそうするわ(You bet I will.)」と約束する。

そして、証言台に立った男の子は「僕は今、10歳だけど、8歳の時から家の外に出たことは一度もありません。あの朝は僕と妹が外に出たくて鍵を持ち出そうとしたの。そしたらパパに見つかっちゃって、パパは『子どもたちに鍵を触らせた罰だ』って言ってママに首輪を付けたんだ。ちょっと外に出たかっただけなのに…。パパが仕事に出かけた後、妹と2人で首輪を切って外してあげるのに午前中いっぱいかかったの。それから2階に行ってベッドに火をつけた…放火したのは僕だったんです。そうすれば、消防士さんに救助してもらえると思ったから」と涙をこらえながら語るのだった。そこまで言って顔を隠した男の子に、アナベスは「どうして顔を隠してるの?」と尋ねる。すると、「だって、本当の事を言っちゃったから、パパに怒られちゃう(体罰を受けちゃう)」と怯えながら答えるのだった。

ううむ、子どもにここまで思わせちゃう父親って一体…???

ところで、そんなに毎回、主人公の近所でばかり事件が起こるわけはないだろうし、もし本当にそうだったら大変だろうなあ…と余計な心配をしてしまうが、面白いことは面白い。

上司が最後にもらした「世の中で一番大変な職業は『働く母親』よね」というセリフがおそらくこの番組の大きなテーマの1つであり、また「仕事一筋」で独身を通してるはずの上司の秘密も示唆していて興味をひく。

主人公アナベス役のオーディションには多数の女優が参加したらしいが、「有能な検事」+「若き母親」という2つの顔を説得力をもって演ずる事ができたのは唯一、ジェニファー・フィニガンだけだったという。たしかに、彼女の演技には説得力があるし、その美貌も含めて魅力たっぷりだ。こんな素敵な女優、今までどこに隠れてたんだろう。

とにかく、今後も楽しみなドラマだ。なんとなく、『コールドケース』っぽいパターンのヒット(最初から爆発的なヒットではないけど、ジワジワと手堅く視聴者数を増やしていくタイプ)になりそうな気がする。主役も美女という点が共通してるし。ただ、『Boston Legal』(ABC系列)の裏なので、法廷ドラマ・ファンはどちらを見るのか悩むところだろう。

実はこの番組もジェリー・ブラッカイマー・ブランドなのだが、彼の他の事件番組は捜査官たちの物語なのに対し、これは検事の物語だということで、新しい切り口になっている。しかも、このドラマは事件解決だけでなく、「家庭」が大きなウエートを占めている。

今季は複数のネットワークにまたがってジェリー・ブラッカイマー・ブランドの新番組が多数登場している。そのうち、『E-Ring』(NBC系列)は伸び悩んでおり、『Just Legal』(The WB系列)はすでに打ち切りが決定してるので、ブラッカイマーだから当たるというわけではない。

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3 コメント

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Unknown (Mimi)
2005-10-12 18:18:58
こんにちは、初めまして!私も先日"Close To Home"を見たばかりで、記事にしたのでTBさせて頂きました。



日本ではブラッカイマー=ヒットメイカーのような宣伝のされ方をしているところがあるようにあるのですが、今期はイマイチっぽいですね。これが果たしてどう転ぶのか、興味深いところです。Jennifer Finniganは、色素の薄い感じが「コールドケース」のキャスリン・モリスを彷彿とさせますが、熱演ですね~。むかーし、別のドラマのゲストで見たことがあったので、プライムタイムの主役とは!と驚きました。



では、今後とも楽しく拝見させて頂きますね!
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いらっしゃいませ (ジョウ)
2005-10-13 10:09:17
Mimiさん、コメント&TBありがとうございます。nydiaryさんの所でもお見かけしましたが、Mimiさんもアメリカにお住まいなんですね?



こちらこそ、よろしくお願いします。
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Unknown (Mimi)
2005-10-13 12:50:16
ジョウさん



こんにちは~!



イエイエ、私は日本在住なんですよ~。でも、最新の番組が見たくて色々手を尽くして頑張っています♪これからも現地最新情報を楽しみにさせて頂きますね!
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