アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

アメリカの小学校の「進級式」

2007年07月21日 | 子育て
息子が小学校を卒業したのだが、小学校の場合、「graduation (卒業)」ではなく「promotion (進級)」と言うのだと初めて知った。アメリカに長く住んでいても、自分の生活と関係ない用語は知らないものである。

アメリカの場合、学校区等によって微妙にズレるが、学年はだいたい9月初旬頃に始まり、6月下旬頃に終わる。(つまり、約2ヶ月半の夏休みがあるわけだが、日本のように学年の途中ではないからか、夏休みの宿題がない。)

うちの子も9月からは中学校に行くわけだが、「中学1年生」ではなく「7年生」と呼ばれるようになるので、「進級」の方が適切なのだろう。まあ、アメリカで生まれ育った親御さんたちも「graduation」と言っているので、あまり深く考えない方が良いのかもしれないが、「promotion」という表現から日米の文化や学校システムの違いを感じ取る事はできる。

名称はともあれ、私の息子の小学校の「Promotion Ceremony (進級式)」の内容は「卒業式」そのものだった。しかし、他の親御さんたちと話してみると、「自分が小学校を『卒業』した時はセレモニーなんてやってくれなかった」という。日本では昔(?)から、小学校の卒業式も結構、「big deal」なんだけどなあ。もしかすると、アメリカでは現在でも、こういう事をやらない小学校の方が多いのだろうか?厳密には「卒業」ではないので、大袈裟に祝うほどの事ではないというわけか?(皆さんの周りではいかが?)

日本では小学校の卒業式でも体育館で行われるのが一般的だが、アメリカの小学校の体育館(うちの息子の学校では「Multi-Purpose Room」=「多目的室」と呼ばれる)はそういう事を想定してないからか狭いので、校庭で行われるケースが多いようだ。でも、そのおかげか、式の邪魔にならない限り、カメラやビデオカメラを持って歩き回るのも自由である。一応、保護者+αのための椅子は並べておいてくれたのだが、私は座らなかった。ただ、日焼け止めクリームを用意しておかなかったし、卒業式で帽子を被るのも憚られたので、その後、数日間は頭やオデコがヒリヒリした。

卒業式というと、日本では校歌や『蛍の光』を歌うのが定番だが、アメリカでは学校毎に勝手に曲目を決めて歌うようだ。うちの息子の学校の場合も学芸会っぽいノリの明るい歌(替え歌?)だったので、ちょっとビックリしたが、楽しかった。一応、校歌もあるのだが、オリジナルのメロディではなく、それも童謡の替え歌なのである。

各クラスの代表の子(なぜか、全員女子)が作文を朗読したのだけれど、それぞれ、よく書けていて、堂々としていた。親たちにとってはあっという間の7年間(Kindergarten含む)だったが、子どもたちにとっては人生の大半を過ごし、文字通り「成長の舞台だった場所から巣立つ」という感慨深さが伝わって来た。

ところで、子どもたちの作文でも、校長先生のスピーチでも、担任の先生たちに感謝する言葉が多々あり、それはそれで良いのだが、気になった事が1つある。この式に列席した先生たち(校長先生を除く)はこの子どもたちと10ヶ月弱の付き合いしかないのである。アメリカの場合(学校区や学校によって異なるかもしれないが)、例えば、6年生のクラスを受け持つ先生は毎年、6年生のクラスばかり担当する。うちの息子が1年生の時の担任の先生はその後もずっと1年生ばかり教えている。2年生の時の先生も毎年、2年生ばかり教えている。5年生のサクラメント(州都)旅行も6年生の科学キャンプも、それぞれ、毎年、同じ先生たちが行く(行かされる)。

だから、各自の作文で語られている「成長」をずっと見てきた先生など、進級式/卒業式に出て来ないどころか、そもそも、1人も存在していないのである。いや、少なくとも1人は存在する。アフター・スクール・ケアのディレクターだ。彼(+何人かのスタッフ)はうちの息子の成長をずっと見て来たはずだ。どうして、彼らも列席させてあげないのだろうか?

式では各自に『Certificate of Promotion (進級証書)』が手渡された他、特に成績優秀な児童には『President's Award for Educational Excellence』という賞も贈られた。その名の通り、米国大統領の直筆署名(多分、署名用の機械を使ったんだろうけど)が入っているのだ。実はうちの子もこの『大統領賞』をもらったので、ちょっと自慢である。(←親バカ)

『大統領賞』の条件は4年生~6年生の3年間に渡って3.5以上(または100点満点中90点以上)のGPA (Grade Point Average = 平均成績) を維持し、かつ、各州で毎年実施される統一試験(カリフォルニア州の場合は『Standardized Testing and Reporting (STAR)』)の3つの教科(English/Math/Science)のうち、少なくとも1つで「advanced」の成績をおさめなければならない。(校長先生の説明より。)

NAESP (National Association of Elementary School Principals) での説明(上↑の説明と微妙に異なる)によると、各校の校長先生の一存で例外を認める事も可能らしい。

うちの子の場合、GPAは5年生までは問題なかったのだけれど、6年生になってから下がったので、もしかすると、スレスレだったかもしれない。統一試験ではMath(算数/数学)だけはいつも「advanced」だったのだが、私たちは大統領賞などという物の存在すら知らなかったので、統一試験の成績が今になって意外な所で役立って驚いた次第である。

ただ、うちの子はリトルリーグに参加する等、外で遊ぶことが多く、あまり勉強するタイプには見えないので、付き合いの長い友だちの親御さんたちも「あら、意外と賢かったのね」と驚いたようだ。

ともかく、「卒業」にせよ、「進級」にせよ、息子よ、おめでとう。これで一安心?いや、校長先生もおっしゃっていたが、「学ぶ事」は一生続くのである。大人になってからも、毎日、新しい事を学ぶではないか。これからも一緒に頑張って行こうネ。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうなんですか(知らなかったです) (もあぱそ)
2007-07-21 04:01:02
ジョウさんへ
おはようございます。お久しぶりなのですが…。
卒業は「graduation」でしょうと、まったく疑わずに生きてまいりました(ヤレヤレ)。進級なんですものね、システムを理解すれば納得もいきます。
・・・勉強になるなぁ。
いつも、どうもです(笑)。
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Unknown (izumi)
2007-07-22 19:35:44

マジメなアジア人の底力でしょうかね 笑
でも、大統領賞なんてすごいと思います!!

普通は、卒業式(進級式)で子供にかける言葉は、「これからも頑張れ!」といった他人事(?)目線の親が多い中で、「これからも一緒に頑張って行こうネ」と言える親は素晴らしいと思います。お子さんはこんな親を持てて幸せでしょうね。
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こんにちは♪ (ジョウ)
2007-07-26 00:30:21
もあぱそさん、私も知りませんでしたから、「面白い発見」のご報告をさせて頂いたわけです(笑)。人間、何歳になっても新しい発見というのはあるもんですよね。

izumiさん、「一緒に頑張って行こう」という言葉の裏には「親も苦労させられている」という気持ちが潜んでいたりして(笑)!?でも、好意的に受け止めて頂いて感謝です。
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大統領賞 (K)
2010-11-04 11:34:03
もう何年もたってからですが、大統領賞おめでとうございます。
実は友人の息子も今、アメリカのカルフォルニア洲にいるのですが、小学校と中学校の卒業の時に大統領賞をもらっていました。小学校の時はブッシュ大統領のを中学校は今年の夏ですがオバマ大統領のサインの入った賞状をもらっていました。オバマ大統領のはスカイプを通して見せてもらいました。サインが確かにされていました。
ジョウさんの息子さんも友人の息子も将来が楽しみですね。
最近更新されていないようなのでお元気ですか。お忙しいと思いますが、またいつか更新してくださるとありがたいです。
ブログを残してくださっているだけでもありがたいですが。
それではお元気で
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I need help creating an essay energy (Robertencaf)
2017-08-24 12:54:14
?Evaluation Essay Sample: The Creating Style Of J.K.Rowling
The whole world celebrated the release on the first of all book installment in the Harry Potter series, Harry Potter also, the Philosopher’s Stone, in June 1997 (Allsobrook, 2003). Since then, the world patronized the next six books inside of the installment. It became so popular that the whole installment have been made into an eight-part film series by Warner Brothers Pictures and was dubbed as a person in the highest grossing film series of all times (Thompson, 2008). But what could be the reason for this huge success? What magic did J.K. Rowling casted on her creating style that made this story captivating to its audiences?
Truth be told, I am a fan of J.K Rowling, and her Harry Potter series has inspired me to pursue producing. I like how she compressed several genres which include fantasy, mystery, adventure, romance, and coming of age then slowly transitioned to the darker tone as you go deeper into the story. She remained consistent throughout the series which is very important in sorting out natural events. She is very descriptive inside of a way that it helps the reader’s imaginations to open up to whole new degree giving the feeling of actually being there from the story. She makes every character inside the story important and unique inside of a way that the readers could relate to their strengths and weaknesses. The plot is amazing in its private way as it grows darker plus more complex in every single book.
However, Rowling could very well be very creative and may be too descriptive that she could spend two webpages describing a character or a site to the point that it almost sound poetic. This tends to be considered as 1 of her flaws in producing. Aside from her over-creative process, she also has the knack of utilizing a lot of semi-colons, ellipses, dashes, parenthesis and powerful verb choices. This fact is evident in J.H. Trumble’s analysis (2010) determined by a two-page-spread from J.K. Rowling’s The Deathly Hallows. Apart from these flaws, I can say that in this article creating style is average and very simple that it could easily seize the hearts of children and teens, however, adults (notably those who are knowledgeable in literature) would acquire it disappointing.
So what made Rowling’s story successful? It is all in her flaws. These flaws established her apart from the opposite writers of her technology. She created a story where she will allow and requires the reader to employ their private imagination. She remained consistently quick throughout her novels to avoid overwhelming readers. Her use of humor, straightforwardness, the use of creativity are her top rated techniques she has chosen to retain the readers’ interest inside story. As Edgar Poe would have stated, “There is not any exquisite beauty…without some strangeness with the proportion.” I believe this is what J.K. Rowling is all about.
Allsobrook. Dr. M. (18 June, 2003) Potter’s Site inside the Literary Canon. Retrieved January 20, 2014 from BBC News Site: http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/2996578.stm Thompson, S. (two April, 2008) Company Big Shot: Harry Potter author J.K. Rowling. Retrieved January 20, 2014 from The Times: London Trumble, J.H. (7 July, 2010) An Exhaustive Analysis of J.K. Rowling’s Crafting Style - influenced by a random two-page-spread sample from the Deathly Hallows.<BLOG> Retrieved from http://www.jhtrumble.com/blog/2010/7/7/an-exhaustive-analysis-of-jkrowlings-writing-style-based-on.html
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