<スマトラ沖大地震・インド洋大津波>タイ;津波被災者支援のための署名活動

被災コミュニティーの土地を奪い、リゾート開発を目論む投資家、地方行政の動きに対して、「NO!」と言いましょう!

「アイデンティティー、そして人間性の欠如」4.28

2005年04月29日 11時51分42秒 | ▽▽▽タイの津波記事▽▽▽
「アイデンティティー、そして人間性の欠如」
Bangkok Post 2005/4/28 Bangkok Post by Sanitsuda Ekachai

海外のタイ人労働者がIDカードを没収された場合、私達はそれを古き時代の奴隷主の振る舞いであると糾弾する。しかし一方で、貧しいビルマ人労働者が同様な仕打ちをタイ国で受けていることを容認している。これは無慈悲なのか、偽善なのか、その両方か? 
 津波に被災したタイ南部アンダマン海側6県では、およそ10万人以上のビルマ人移民が同様の悲劇に晒されている。彼らに手を差し伸べるではなく、彼らを盗人と見做し、逮捕とビルマ本国へ強制送還している。ビルマ本国では、不法に国外移動を行った罪により、ビルマ当局によって再度逮捕されるであろうが。さらに野山に隠れたビルマ人達に対しては、一切の食料、避難所、医療品の提供はしてこなかった。人権団体からの声が高まったことで、海外からの非難されることを避け取り締まりは緩和されたが、ビルマ人被災者への物的支援や、IDカードの再発行を支援するNGOの活動を容認することに乗り気ではない。法律に違反しているにも関わらず、労働者の逃亡を防ぐため、彼らのIDカードを没収する雇用主の行動は常識となっている。労働者にはそのコピーしか渡されない。ほとんどの労働者は、津波によってそのコピーを紛失し、ある場合には雇用主が死亡または法的文書を紛失してしまった。強制送還を回避するには、IDカードの再発行しか手段はない。
再発行に関して、役所はIDカードの13桁のナンバーの記載をまず求める。13桁の数字を暗記しておかなければならないというのだ。IDカードがなければ、逮捕、強制送還しか待っていない。津波犠牲者達のIDカード期限が切れる今年6月終わりには、彼らの親族もおそらく再登録の権利を失うだろう。労働者の身元確認に関しては、コンピューター化されたデータベースがあるにも関わらず、郡役所はそれを利用することを拒絶している。やれ人材・パソコン機器の不足だ、時間がないだと言って。もしビルマ人労働者が13桁のIDカード番号を思い出すことができたならば、その時点で郡職員はパソコンで確認作業を行うのだ。さらにヘルス・カードに関しても、幾つかの病院では故意に再発行を拒絶するケースもある。これは奴隷文化ではないのか?津波被災地域においては、パンガー県タクアパ郡のみがIDカードの再発行を行っている。しかし、下らなく煩雑な事務手続きが必要で、たった250人しか再発行を終えていない。それにも関わらず、先週、タクアパ郡長は再発行手続きの中止を決定した。データーのコンピューター化のおかげで、作業に手間を取るわけはないのだが。しかし彼の動機が何であれ、彼の行動は多くの雇用主たちを喜ばすこととなった。IDカードがなければ、より良い給料と福祉を提供する別の雇用主へ労働者が離れることを避けられるのだ。
 今週日曜日にはメーデーを迎える。ビルマ人労働者への労働搾取に思いをはせるのみならず、私達自身の人間性、もしくはその欠如についても考える契機とするべきである。

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