奥州糠部 九戸四門~西門の歴史~

岩手県二戸郡の歴史と風景をご紹介します。浄法寺町を支配していた浄法寺氏とその先祖畠山重忠も扱っています。

葛西氏

2006年10月04日 | 平姓畠山氏
秩父氏の出で畠山氏と近しい一族に葛西氏がいる。

葛西氏は豊嶋清元の三男、清重が葛西氏を名乗ったことに始まるという。
しかし、一説によれば葛西庄の下司職である葛西重隆の養子となり、葛西氏を名乗ったという。
また葛西重隆は千葉常胤の弟とされるという。この葛西重隆は誰なのか、それを明らかする。

葛西清重の母は畠山重弘の娘、妻は重弘の嫡男畠山重能の娘であり、限りなく畠山氏に近い。
千葉常胤にも重弘の娘が嫁いでいる。千葉常胤に嫁いだ娘は慈勝寺を開基したと伝わる円寿院であり、重忠の伯母という。
千葉系図によれば千葉胤政の母である。

重隆の重の字は秩父氏の通字であり、千葉氏の通字である胤の字がないことから
秩父氏の出と考えてよい。豊嶋氏の通字には重の字は使われていない。
ならば、この人物は清重の母である重弘娘の兄弟で、常胤に嫁いだ円寿院と重能の弟であろう。

即ち、葛西清重は畠山重能の弟である重隆の養子となり、葛西氏を名乗ったのである。