国際刑事裁判所(ICC)と日本

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【ダルフール「訴追、来年2月までに開始可能」とICC検察官

2006年12月20日 | 世界の動き
国際刑事裁判所(ICC)のモレノ・オカンポ検察官は14日、2005年から数えて4回目となる、国連安全保障理事会へのダルフール訴追に関する活動報告をニューヨークの国連本部で行いました。報告は、ダルフール事態に関する訴追の準備が整い、来年2月にも訴追手続きを開始できるという内容でした。

[各国メディア・政府広報(米国)で一斉に取り上げられ、高い関心を呼んだこの結果報告(現時点で日本での報道は確認されていません)について、ICC-OTP(検察局)が14日付けでプレスリリースを出しました。

以下はその要約です。

ICC検察官、ダルフール訴追の為の証拠が揃ったと発表

2006年12月14日

(ニューヨーク、国連本部)- 国際刑事裁判所の検察局(ICC-OTP)によると、ICCのルイス・モレノオカンポ検察官は14日、ニューヨークの国連本部で開かれている国連安全保障 理事会で、同裁判所のスーダン・ダルフールにおける活動について通常報告を行った。報告の中で検察官は、同地で行われた残虐極まりない犯罪について捜査をほぼ完了したこと、さらに遅くとも2007年2月までに訴追開始に必要な証拠を予審裁判部に提出することを発表した。
「理事会は、被害者に対する正義をもたらすことにより安全が保たれ、目的を達成するために暴力行為に及ぶ可能性のあるあらゆる個人に対し、ダルフールに留まらない範囲に広がる重大な警告を発することができたことを認識する必要がある」─モレノオカンポ検察官
諸所の証拠は幅広い情報源からもたらされ、告発と免除の両方が考慮可能な情況において、独立した、入念かつ公平な捜査が行われた。情報として、 被害者およびスーダン政府関係者による証言のほか、スーダン政府および国家調査委員会からの提供書類、ダルフール国際調査委員会の集めた数万にも及ぶ書 類、および安保理、加盟国および国際機関などからの情報が検証の対象となった。

オカンポ検察官は、具体的には2006年8月に2人のスーダン政府高官に対して行われた尋問を例に挙げ、これによりダルフールにおける治安部隊の動きなどについて情報を得ることが可能となったことを明らかにした。しかし検察官は同時にこう念を押した。

「しかし、証拠収集に必要な一部の書類や尋問の要求が依然として満たされていないこともまた事実である」

また、オカンポ検察官は、捜査を開始してから17カ国に対する70回に及ぶ調査訪問を繰り返し、多くの被害者から100以上の公式証言書を入手してきたこと、ならびに事態の許容性の評価については、スーダン政府に対し国内の司法手続きに関する情報を要請してきたことを明らかにした。

検察官は、今年11月の時点で、スーダン政府に対し国内の司法手続きについて情報を要請していた。この要請に対しスーダン政府は、14名が国際人道法に対する違反および人権侵害の罪で逮捕されていると公式に回答。検察官はこの事実が捜査中止の許容性要件を満たすものではないと判断。スーダン政府に対し、来年2007年の1月に拘留者との面会協力を求める要請を行う予定だと報告した。

予審裁判部に証拠を提出するにあたり、オカンポ検察官は、現在も実態を悪化させている現地ダルフールでの犯罪についても目を光らせ続けていることを明らかにした。

ダ ルフールでは現在も200万人以上の人々が住む家を失っており、和平協定がある現在に至っても、日常的に女子供に対する重大な人道・人権違反や農村部の破 壊などが行われているといわれる。これらの犠牲者の中には、人道支援団体の関係者やアフリカ連合(AU)の平和維持軍兵士も含まれるという。この現状を踏 まえ、オカンポ検察官は理事会に対し次のように訴えかけた。

「これらの犯罪者は地域の平和と安全の障害となっている」


14日付けのICC-OTPプレスリリースより



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