ハリケーン「オフィーリア」やはりアイルランド直撃 同国史上初
2017年10月16日 11時27分 Hazard lab
アイルランドに向かうハリケーン「オフィーリア」(Suomi NPP /NOAA/NASA)
欧州ではほとんど発生することがないハリケーンが、アイルランドを目指して発達を続けており、欧州の気象機関が動向を注視して
いる。
今月11日に北大西洋のアゾレス諸島沖で熱帯低気圧からハリケーンに変わった「オフィーリア」は、先週14日に一時期勢力を
カテゴリー3まで発達させたが、16日現在(日本時間)は971ヘクトパスカル、最大風速38メートル(75ノット)まで弱体化。
しかし今なおカテゴリー1の勢力を維持しながら、北北東に向かって時速61キロの猛烈な速さで進んでいる。
アイルランドの気象機関(Met Eireann)によると、1851年の観測開始以来、アゾレス諸島周辺を通過したハリケーンは
これまでに15しか確認されておらず、アイルランドや英国を目指して東進するのは、2006年9月に発生したハリケーン「ゴードン」
以来だという。ゴードンはアゾレス諸島を通過してから温帯低気圧に変わり、スペインやアイルランド、英国で熱帯性の暴風雨を
もたらした。
今回のオフィーリアはハリケーンの勢力を保っており、米海洋大気庁(NOAA)の国立ハリケーンセンター(NHC)によると、
現地時間16日午後にアイルランドを直撃したのち、翌17日にはスコットランドに到達すると見込まれる。
ハリケーンオフィーリアの強風で山火事拡大、スペインとポルトガルで計6人死亡
2017年10月16日 14:32 発信地:マドリード/スペイン AFP
【10月16日 AFP】スペイン北西部とポルトガルで15日、多数の地域で発生した山火事がハリケーン「オフィーリア(Ophelia)」の
強風の影響で拡大し、両国で合わせて6人が死亡した。両国の当局が発表した。
スペイン北西部ガリシア(Galicia)自治州の州知事が地元テレビ局に語ったところによると、山火事が州内の15か所で発生。
そこへ同国北部沿岸部からアイルランドに向かっていたオフィーリアの影響で最大瞬間風速25メートルの強風が吹き、炎が広がった。
火事の原因は放火とみられている。
消火活動には前例のない規模の消防隊員や兵士らが当たっているといい、「危機的な状況だ」と州知事は述べた。
各地元政府によると、ニグラン(Nigran)では乗っていた車が炎に包まれて2人が死亡し、カルバジェーダ・デ・アビア
(Carballeda de Avia)では高齢男性1人が自宅裏の小屋の中で遺体で見つかったという。
ポルトガルでは約440か所で山火事が発生。3人が死亡し、約25人が負傷した。山火事の影響で首都リスボン(Lisbon)と
ポルト(Porto)を結ぶ道路を含む3つの高速道路が閉鎖された。
スペイン北西部ビーゴで発生した山火事(2017年10月15日撮影)
スペイン北西部ビーゴで発生した山火事の消火活動の様子(2017年10月15日撮影)
スペイン北西部ビーゴで、山火事の火を消そうとする人々(2017年10月15日撮影)