2019年9月13日21時01分 朝日新聞

日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)で8月、海上保安庁の巡視船に北朝鮮公船とみられる
小型高速船が急接近し、小型船の船員が巡視船に小銃を向けていたことが海上保安庁への取材でわかった。
周辺では北朝鮮漁船によるとみられる操業が頻発し、海保は警戒監視を続けている。小型船が
違法操業にも関係している可能性があると海保はみている。
現場は能登半島から北西に約380キロで、「大和(やまと)堆(たい)」と呼ばれる漁場に近い海域。
周囲よりも水深が浅くスルメイカがよくとれるため、春から冬にかけて違法操業をする外国漁船が多く
確認されている。
海保によると、8月23日午前9時半ごろ、水産庁の取締船から「船籍不明の小型高速船が接近
している」との通報があった。海保の巡視船が向かったところ、小型船は離れていった。
翌24日午前9時ごろには、巡視船が同じ小型船を見つけ監視していた。2隻が向き合う中で、
小型船が約30メートルまで急接近することもあったという。小型船には迷彩服姿の3人が乗っており、
1人は小銃を所持。巡視船に向け銃を構えるような動きもあった。約30分後に離れていったという。
巡視船に被害はなかった。
小型船は全長15~20メートルで、北朝鮮海軍の旗を立てていた。そばには母船らしき貨物船が
おり、煙突には北朝鮮国旗が描かれていたという。周辺では当時、日本の漁船が操業中だった。
同じ海域では、2017年7月にも水産庁の取締船が北朝鮮籍とみられる船の乗員に小銃のような
ものを向けられる事案があった。海保は小型船について、漁船や周辺の動きを見張るなど、何らかの形で
違法な操業に関わっていた可能性があるとみる。
菅義偉官房長官は13日午前の会見で、「小型船は北朝鮮船舶である可能性が高い」として、
北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議したことを明らかにした。

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