平昌五輪:金剛山前夜祭に韓国が軽油提供、制裁違反の恐れも
2018/01/28 21:29 朝鮮日報
平昌冬季五輪の開幕を前に韓国・北朝鮮が合同で開催する金剛山での文化イベントに、韓国政府が発電用の軽油約1万リットル
(約63バレル)を提供することが28日までに分かった。軽油などの石油精製品の北朝鮮への搬出は、国連安全保障理事会の対北朝鮮
制裁や米国の独自制裁に違反する可能性がある。
韓国政府の当局者は同日、北朝鮮側が「会場となる金剛山文化会館は韓国が建設した施設なので、北朝鮮からの安定的な電力供給は
難しい」と表明したとして「韓国が軽油を提供しなければならないと思う」と述べた。韓国政府は、かつて現代峨山が金剛山文化
会館に設置した発電機を使用する予定だが、燃料として軽油が必要だ。
昨年12月に国連安保理が採択した北朝鮮制裁決議第2397号は、国連加盟国が北朝鮮に搬出できる石油精製品の年間総量を
50万バレルに制限している。これについて韓国政府の当局者は「まだ年初なので、安保理に搬出の事実と量を報告すれば制裁違反と
いう議論は回避できるだろう」との見方を示した。
また、トランプ米大統領が昨年8月に改正した米国の「対北朝鮮制裁履行法」の第14条には、石油精製品を北朝鮮に直接・間接的に
供給した個人・団体は米国の独自制裁の対象に指定され得るとの規定がある。米国政府が「人道目的」などの例外を認めない限り、
制裁違反との議論は免れない。韓国政府関係者は「米国の法の解釈・適用権は米国政府にある」として、事前協議で対応する方針を
示した。