中国のばらまき外交批判した元教授、米メディアの電話取材中に連行
2018年8月3日 17:18 発信地:北京/中国 AFP
中国・山東省済南市の自宅でAFPの取材に応じる山東大の元教授、孫文広氏(2013年8月28日撮影)
【8月3日 AFP】中国政府を批判する公開書簡を先月発表した山東大学(Shandong University)の
元教授、孫文広(Sun Wenguang)氏が、米国営ラジオ放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の番組に電話取材で
出演中、自宅に押し入ってきた治安当局者に連行された。
80代の孫氏は1日、中国東部・山東(Shandong)省の済南(Jinan)にある自宅でVOAの中国語番組に
電話出演していたところ、治安当局が突然押し入ってきた。
「また警察が邪魔しにきた」と孫氏は言い、侵入者は8人だとVOAに告げた。「私の家に入ってくるのは違法だ。
私には言論の自由がある!」というのが、孫氏の最後の言葉だった。
中国では、習近平(Xi Jinping)国家主席の個人崇拝を積極的に推進する共産党が批判的な人々の弾圧を強めており、
それが生放送で浮き彫りになったかたちだ。
VOAによると孫氏は先月、習主席のアフリカ訪問に合わせ、アフリカでの中国のばらまき外交を批判する公開書簡を
発表していた。この公開書簡はインターネット上でも確認できるが、AFP独自の事実確認はできていない。
孫氏は番組の中で、治安当局者に向かって「私の言っていることを聞け。間違っているか?」と問いかけた。
さらに「国民は貧しい。アフリカに金をばらまくのはやめよう」「こんなふうに金を浪費するのは、わが国や
社会にとって無益だ」と侵入者たちに呼び掛けたところで、通信は途絶えた。