50万枚の中国製医療用マスク、性能不備で1枚も配れず…県が購入した経緯を追及
2020/06/19 11:34 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200619-OYT1T50153/
3M製N95マスク
新型コロナウイルスの感染者受け入れ病院などに配るため、神奈川県が購入し、
4月下旬~5月上旬に納品された中国製の医療用防護マスク50万枚の一部に不良品が
見つかり、一枚も配備できないまま保管されていることが18日、分かった。
県内で1日あたりの新規感染者が2桁に上る日が続き、入院患者も多かった時期に、
医療現場にマスクが届かなかったことになる。
県によると、県内の医療機関では、4月には医療用防護マスクの在庫が減り、切迫した
状況にあった。そのため、県は4月16日、通商会社「越洋通商」(東京)から
約1億3000万円で中国製の50万枚を購入する契約を結び、4月30日と5月7日に
納品された。
しかし、5月25日に第三者機関を通じてマスクの性能などを検査したところ、
後日、サンプル8枚のうち5枚が高性能のN95マスク相当の機能を有していないことが
判明。県は中等症患者を集中的に受け入れる「重点医療機関」などにマスクを配備する
予定だったが、不良品が混在していると判断し、中止した。現在は、国からのマスク
配備などもあり、在庫に問題はないという。
県は越洋通商に対し、代替のマスクを6月29日までに納品するよう要請している。
同社側も応じる意向を伝えてきているというが、納入が遅れたり、再び不良品が混じって
いたりした場合は契約を解除し、代金の返還や違約金を求める。
このトラブルを巡っては、複数の県議が「県がなぜ越洋通商を選び、契約したのか、
経緯を確認していく」と語っており、開会中の議会で追及する構えだ。
県の担当者は取材に、「契約当時は国内メーカーから調達できる状況になく、緊急を
要したため、この会社と契約した」としている。