日米韓ミサイル防衛演習で北朝鮮、中国を牽制
Japan, South Korea, and U.S. Begin Drills off North Korea
<北朝鮮のミサイル発射で緊張が高まる東アジアで日米韓が合同演習。日本は今までより大きな役割を果たす。南シナ海にも、海上自衛隊が最大級の護衛艦「いずも」を派遣>
日本とアメリカ、韓国の3カ国は14日から2日間の予定で日韓両国の近海で弾道ミサイル防衛の合同訓練を開始した。15日からはレックス・ティラーソン米国務長官が就任後初のアジア外遊を行う。
弾道ミサイル防衛システムを搭載した3隻のイージス艦が参加する合同演習は、6日に北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したのを受けたもの。先週は、米軍が配備を進めるTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)の一部装備も韓国に搬入された。
THAADの搬入と合同演習に中国と北朝鮮は激しく反発し、非難する声明を発表した。その最中に日本と韓国、中国を訪れることになったティラーソンには、いっそう大きな注目が集まっている。
日本もより大きな役割を担う
中国外務省の報道官は14日、北朝鮮と日米韓の双方を批判した。「北朝鮮は過去の国連安保理決議に違反して核開発を進めると主張し、アメリカと韓国と日本は大規模な軍事演習を実施している」
「(合同演習は)悪循環で地域の緊張状態を高める。どの国も得をしない」
北朝鮮も国営通信を通じて非難声明を発表し、主権が侵害されれば「容赦なく、超高精度の攻撃」を仕掛けると威嚇した。
今回の合同演習は、3カ国のイージス艦が共同でミサイルを探知して迎撃能力を強化するという戦術的な協力の側面だけでなく、ともにアメリカの同盟国でありながら日頃は仲が悪い日韓両国が歩み寄る姿を内外に示す狙いもある。
日本の海上自衛隊が、同海域でより大きな役割を果たしていくうえでもこの合同演習は不可欠だ。
日本政府は、海自最大級の護衛艦「いずも」を5月から3カ月間、周辺国が領有権を争う南シナ海とインド洋に派遣する。7月にインド洋でアメリカとインドが実施する共同訓練に参加するまで、約2カ月間は南シナ海に留まるという。日本は南シナ海に対する領有権を主張していないが、航行の自由は守りたい立場を示してきた(恐らく日中両国が領有権を争う島がある東シナ海をめぐり、中国を牽制する狙いもあるだろう)。
中国外務省は、日本の艦船による「通常の航行」は問題ないとしつつ、釘を刺した。「もし別の意図で南シナ海を航行するのなら話は別だ」
<中国報道>日本が南中国海にヘリ空母を派遣へ、存在感をアピールか
2017-03-15 16:11:01 中国網
ロイター通信は日本の複数の消息筋の話として13日、海上自衛隊最大の軍艦、ヘリ空母「いずも」が南中国海周辺諸国を訪問し、インド洋での軍事演習に参加すると伝えた。
計画によると、いずもは5月に出港し、フィリピン、インドネシア、シンガポール、スリランカに寄港し、7月に米国・インドがインド洋で実施する共同訓練「マラバール」に参加後、8月に日本に戻る。
「マラバール」は米国・インドが1992年に開始した。海上自衛隊は2007年に招待され初参加し、2016年まで5回参加している。
いずもの活動計画に詳しい人物は、今回の3ヶ月間の長距離航行の目的を、いずもの性能の検査としている。
またいずもは南中国海で、米海軍と合同訓練を行う。
海上自衛隊の広報担当者は、上述した情報に関するコメントを控えている。
いずもは2015年に就役した、第二次大戦後に日本で建造された最大の戦艦だ。全長は248メートル、幅は38メートル、基準排水量は1万9500トンで、ヘリ5機を同時に発着艦させることができる。最多でヘリ14機を搭載でき、その他の艦艇に燃料を補給できる。
戦後の日本国憲法は、自衛隊の攻撃的な空母の保有を認めていない。自衛隊はいずもを「護衛艦」と呼んでいる。日本は2番艦を建造中だ。
日本の安倍晋三首相は就任後、いわゆる「積極的平和主義」を推進し、憲法の制約を破り、自衛隊の規制緩和に取り組み、自衛隊の活動の権限と範囲を拡大しようとしている。また米国との軍事同盟関係の強化に力を入れている。
安倍首相はさらに南中国海問題に介入し、喧伝し、東南アジア諸国とインドを抱き込もうとしている。ロイター通信は消息筋の話として、いずものフィリピン・スービック寄港中、日本側はロドリゴ・ドゥテルテ大統領を艦上に招待することを検討中だと伝えた。
中国側はすでに、日本は南中国海問題の域外国だと指摘しているが、日本は偏執狂的に「存在感」をアピールしようとしている。中国とASEAN諸国の努力により、南中国海情勢は安定化に向かっており、協議と交渉による解決という正しい軌道に回帰した。日本側の指導者は全力を尽くし、あれこれと仲違いの策を練り、いわゆる地域の緊張を誇張している。日本側のこのやり方には良からぬ下心があり、極めて不健全な心理である。