【朝鮮日報社説】「三流国家」の中国からの嫌がらせは韓国の宿命だ
2017/03/03 09:38 朝鮮日報
米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に対する中国からの報復が本格化している。
習近平・国家主席が公の席で反対を表明したことから、今回の報復行為はある程度予測されていたし、また今後長期にわたり続くこと
も考えられる。具体的な例としてはロッテ免税店のホームページが中国からとみられるサイバー攻撃によって一時閉鎖され、また中国
国内の複数のネット通販サイトからロッテが閉め出された。さらには韓流を規制する「限韓令」、韓国からの輸入品に対する通関手続き
の複雑化、両国を行き来する専用機やビザ発給の規制など、どれもあからさまな報復行為に近いものばかりだ。また中国共産党の一
部宣伝メディアは「断交に準ずる制裁」「韓国企業に罰を与えて懲らしめよ」などと主張し、最近は「韓国製品の不買運動」まで呼び掛け
始めた。どれも通常の国家間の関係では到底考えられない感情的かつ高圧的な態度と言わざるを得ない。
現在、おそらく中国は政治目的の経済的報復を露骨に行う地球上で唯一の国だろう。尖閣諸島の領有権問題を抱える日本に対して
は一時レアアース(希土類)の輸出を制限し、反体制活動家にノーベル賞を与えたノルウェー(ノーベル賞のうち平和賞だけはノル
ウェーが授与する)に対してはサーモンの輸入を禁止した。さらに台湾、フランス、フィリピン、モンゴルなどの国々もさまざまな理由で中
国から報復を受けている。そのため最近は世界で悪名高い中国の報復外交には誰も驚かなくなった。
ただ今回、大韓民国がTHAAD配備を決めたことに対する中国の報復は、これまで以上に執拗(しつよう)かつ長期にわたる可能性
が高い。習主席が直接反対を表明したにもかかわらず配備が行われるため、中国が特段に重視する「メンツ」がつぶされた格好になっ
た上に、この機会に韓国をてなずける意図があるようにも感じられるからだ。そのため韓国に損害を与えられるあらゆる分野ですでに
報復の方針を決めた可能性もあり、それが事実だとすれば、今後ロッテだけでなく中国に進出している全ての韓国企業が報復を受け
るかもしれない。中国が大国であることは間違いないが、今回の行動で彼らが考えることややることは三流国家のそれにすぎないこと
があからさまになった。このような国がすぐ隣にあることも、われわれにとっていわば「宿命」として受け入れるしかない。
中国から脅迫を受けている今、われわれに最も重要なことは最後まで原則を貫くことだ。THAAD配備は北朝鮮の核兵器やミサイル
攻撃からこの国を守るためのやむを得ない措置であり、これは他国が干渉できない国家主権に属するものだ。国として原則を貫けば
時に他国の不満を買うことはもちろんあるが、最終的には正しい側の正しさが誰の目にも明らかになるだろう。また中国が今回のよう
な行動に乗り出すもう一つの理由は、韓国を「原則がなくいつもふらついている国」と見なしているからだ。そのため韓国はそのような不
安定な国でないことを今こそしっかりと示さなければならない。今回それができなければ、今後も中国にとって気に入らないことがあれ
ば必ず同じような目に遭うだろう。だからこそ今回はTHAAD配備を迅速に完了させ、直ちに稼働しなければならない。
中国の報復により、今後韓国経済全体が受ける被害はさらに拡大するだろう。しかしそれは決して耐えられないようなレベルではな
い。一部中国メディアが指摘したように、韓国企業に制裁を加えれば中国にも損害が及ぶ。中国は韓国から各種工業製品の部品や素
材などを輸入し、これを組み立てて各国に輸出している。中国に進出している2万3000社の韓国企業がもたらしている雇用もある。中
国にやって来る外国人観光客のうち韓国人は12%と最も多い。つまり中国も韓国への経済的依存度が決して低いわけではないの
だ。
中国による一連の報復は、政治的理由により貿易を制限しないよう定めた世界貿易機関(WTO)のルールにも完全に反する。指摘
を受けた中国は「一連の報復措置に政府は関与していない」などと弁解しているが、こんな説明を信じる国はおそらくないだろう。だか
らこそ国際社会は中国を注視しており、自分たちもいつ中国に報復されるか分からないと感じたはずだ。そのため中国による報復は結
果的にやればやるほど自らの首を絞めることにもなるのだ。
また中国は韓国について「自分たちの市場に大きく依存している」と考えているため、今回のTHAAD問題だけでなく、今後も何か少し
でも気に入らないことがあればいつでも報復を仕掛けてくるだろう。確かに韓国からの輸出の25%は中国向けで、韓国を訪れる外国
人観光客の47%は中国人だ。そのため今回われわれは中国という国が根本的には不透明な政策を取るえたいの知れない国である
ことと、中国との付き合いには大きなリスクが伴うことを改めて思い知った。今まさにその代償を支払っているわけだ。
今後われわれは中国への依存度を少しずつ下げていかねばならない。それにはサーモン取引で報復を受けたノルウェーが欧州連合
(EU)の市場を開拓したことなどが大きな参考になるだろう。日本も中国との取引の割合を減らし、東南アジアやインドなどとの取引を
拡大した。台湾も同じだ。ところが韓国は2000年に起こったニンニクをめぐる中国との通商摩擦の際、中国から厳しい報復を受けた
経験があるにもかかわらず、経済面における中国依存の体質を変えようとはしなかった。
中国市場の重要性は今後も変わらないだろうが、かといって決して魅力ばかりある市場でもない。例えばこれまで中国にとって大きな
強みだった人件費の安さは今や完全になくなってしまった。韓国の化粧品業界も最近は中国よりも中東や東南アジア市場の開拓を目
指している。韓国の政府、企業、国民は中国リスクに対しては常に冷静さを保たねばならない。今こそ落ち着いて行動しなければ、韓
国を甘く見る中国の横暴は今後もずっと続くだろう。
日本からみれば中国も韓国も同じ穴のムジナのならずもの国家です。
中韓で大いに喧嘩でも断交でもしなさい。