武田、シャイアー買収で合意に達する。 620億ドル
【香港】 武田薬品工業 は8日、アイルランドの製薬大手 シャイアー を買収することで合意に達した。
現金と株式を組み合わせた買収総額は620億ドル(約6兆7600億円)で、日本企業による過去最大の海外買収案件となる。
1株当たりの買収額は49.01英ポンド(約7300円)。武田は現金30.33ドルと株式0.839株を支払う。
同社は8日までに正式な買収提案を行うか、提案を撤回するかする必要があった。
8日の東京株式市場では、武田の株価が買収合意を手掛かりに4%超上昇した。それでも、シャイアー買収に初めて関心を示した
3月末以降の下落率は16%を超える。
投資家の間では、武田が買収資金を調達するために多額の債務を積み上げることを懸念する声もある。
武田は昨年、がん治療薬を手掛ける米アリアド・ファーマシューティカルズを50億ドルで買収。買収資金を借り入れで賄ったため、
財務状況は悪化した。
それでも、シャイアー買収後の売上高は300億ドルと、世界第8位の製薬会社となる。武田はさらに、米国や欧州など収益性の
高い市場に事業の軸足を移すことができる。また、特許で保護された製品が減る中、こうした製品に新薬を加えることも可能となる。