エーザイのアルツハイマー薬治験で有意結果、追加試験求める声も
2018 年 7 月 26 日 10:17 JST THE WALL STREET JOURNAL
【シカゴ】 エーザイ と米バイオ医薬品大手 バイオジェン は25日、共同開発する「BAN2401」の
早期アルツハイマー病患者を対象とした第2相臨床試験結果の詳細を発表し、最高用量投与群では、
投与後18カ月時点でプラセボ(偽薬)群との比較で30%の進行抑制が示されたことを明らかにした。
だが専門家からは、本当に効果があるのかを確かめるには追加試験が必要との指摘もあった。
両社の発表は、シカゴで開催されたアルツハイマー病協会国際会議で行われたもの。
両社は今月初め、同治験で統計学的に有意な結果が得られたと発表したが、詳細は明らかにしていなかった。
この発表を受け、既存のアルツハイマー病治療薬のように一時的に症状を改善する薬ではなく、
症状の進行を抑制する薬がようやく誕生するとの期待が高まり、両社の株価は急上昇した。
エーザイのニューロロジービジネスグループでチーフメディカルオフィサーを務めるリン・クレイマー氏は、
今回の治験結果は「非常に決定的」なものだと指摘。販売認可取得に向けた次の措置について協議するため、
医薬品規制当局との会合準備に取りかかっていると述べた。
だが外部の専門家は、今回のデータには注意が必要で、投与後12カ月時点で効果を示すという当初の目標が
未達だと指摘している。また、別の複数の分析方法では大きな効果が見られなかった。
シカゴのラッシュ・アルツハイマー病センターのアソシエーツディレクター、ジュリー・シュナイダー氏は
同会議で、「どれほどの臨床効果があるかを判定するには、さらに多くの作業が必要だ。まだ多くの疑問が残っている」
と述べた。