王岐山氏ら常務委員5人の退任確定 中国共産党
- 2017/10/24 14:02 日経新聞
習氏の「後継者」を当面置かず…中国新指導部
習総書記(64)は25日、新中央委員による第19期中央委員会第1回総会(1中総会)で発足させる2期目政権で、最高指導部と
なる政治局常務委員に検討していた次世代の胡春華(フーチュンフア)広東省党委書記(54)と陳敏爾(チェンミンアル)重慶市党委
書記(57)の起用を見送る方向であることがわかった。
胡氏は胡錦濤(フージンタオ)・前総書記直系とされ、陳氏は習氏自身に近い。党関係者によると、両者が常務委員に昇格しない
ことで、25日に発足する新指導部では習氏の明確な「後継者」と目される指導者を置かないことが固まった。
党大会では、最高指導部の政治局常務委員7人のうち、習氏の「右腕」として汚職摘発を指揮してきた王岐山(ワンチーシャン)
中央規律検査委員会書記(69)は「68歳定年」の慣例に従って退任が有力視されていた通り、中央委には再任されなかった。
留任する習氏と李克強(リークォーチャン)首相(62)以外の5人は、王氏も含め全員が退任する。
王氏の後任の中央規律検査委書記には、習氏の側近である趙楽際(ジャオルォージー)中央組織部長(60)が就き、常務委員に
昇格することが固まった。習氏は、自身により近い趙氏を通じ、汚職摘発を一段と強化する狙いがあるとみられる。
党関係者によると、常務委員は現行7人制を維持するとみられる。習、李両氏の他に、習氏の秘書役である栗戦書
(リージャンシュー)・中央弁公庁主任(67)、韓正(ハンジョン)・上海市党委書記(63)、汪洋(ワンヤン)副首相(62)、
習氏のスピーチライターを務める王滬寧(ワンフーニン)(おう・こねい)・中央政策研究室主任(62)も常務委員に昇格する見込みだ。
また党大会では、政治報告や、習氏の政治思想を「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」として党の最高規則である
党規約の「行動指針」に追加する規約改正案が、全会一致で採択された。党規約総則の「行動指針」では過去の指導者4人の
思想や理念を列記しているが、現職指導者として名前を冠した思想が党規約に記載されるのは、建国の父・毛沢東以来。
習氏はこれに並ぶ権威を確立し、2期目政権をスタートさせる。
【新華社北京10月25日】(2017年10月25日に中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議で採択)
中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議は2017年10月25日、北京で開催された。
同会議には中央委員204人、候補中央委員172人が出席し、中央紀律検査委員会委員が列席した。
習近平同志は会議を主宰し、中国共産党中央委員会の総書記に当選された後、重要談話を行った。
全体会議では中央政治局委員、中央政治局常務委員、中央委員会総書記を選出した。中央政治局常務委員会の指名に基づき、中央書記処のメンバーを承認し、中央軍事委員会のメンバーを決定した。第19期中央紀律検査委員会第1回全体会議が選出した書記・副書記・常務委員会委員の人選を承認した。各名簿は以下の通り。
1.中央政治局委員(画数順)
丁薛祥、習近平、王晨、王滬寧、劉鶴、許其亮、孫春蘭(女)、李希、李強、李克強、李鴻忠、楊潔篪、楊暁渡、汪洋、張又侠、陳希、陳全国、陳敏爾、趙楽際、胡春華、栗戦書、郭声琨、黄坤明、韓正、蔡奇
2.中央政治局常務委員会委員・・・チャイナセブン
習近平、李克強、栗戦書、汪洋、王滬寧、趙楽際、韓正
3.中央委員会総書記
習近平
4.中央書記処書記
王滬寧、丁薛祥、楊暁渡、陳希、郭声琨、黄坤明、尤権
5.中央軍事委員会主席、副主席、委員
主席:習近平
副主席:許其亮、張又侠
委員:魏鳳和、李作成、苗華、張昇民
6.中央紀律検査委員会書記、副書記、常務委員会委員
書記:趙楽際
副書記:楊暁渡、張昇民、劉金国、楊暁超、李書磊、徐令義、肖培、陳小江
常務委員会委員(画数順):王鴻津、白少康、劉金国、李書磊、楊暁超、楊暁渡、肖培、鄒加怡(女)、張昇民、張春生、陳小江、陳超英、趙楽際、侯凱、姜信治、駱源、徐令義、凌激、崔鵬
<チャイナセブン>
習近平国家主席 党のトップ、総書記に再選
李克強首相 留任
栗戦書氏 5年前から党の要職につき習主席の側近として仕えてきた
汪洋氏 習主席の下で経済担当の副首相を務め、アメリカとの貿易交渉などにあたってきた
王滬寧氏 政策ブレーンとして外遊に常に同行するなど習主席を支えてきた
趙楽際氏 人事を取りしきる党の中央組織部長として習主席の基盤固めに尽力した
韓正氏 上海市で一貫してキャリアを積み、かつて習主席が上海市のトップを務めた際に部下として仕えた