「イバンカ・トランプ」の衣料品、誤表示での販売が発覚
ドナルド・トランプ米大統領の長女イバンカ氏が立ち上げたファッションブランド「イバンカ・トランプ」の商品が、衣料品
チェーンのスタイン・マートで別のブランド名で販売されていたことが明らかになった。
イバンカ・ブランドの衣料品を製造・販売するG-IIIアパレル・グループによると、一部の衣料品に誤って「アドリアンヌ・
ビッタディーニ・スタジオ」のラベルが付けられていた。商品ラベルの付け替えは、イバンカ・トランプ幹部の知らないとこ
ろで行われたという。
G-IIIアパレルの広報担当者は、ラベル誤表示の理由は説明せず、また、どの程度の商品に影響したかも明かさなかっ
た。「G-IIIは間違ったラベルが付けられた商品の早急な撤去を含む是正措置にすでに着手している」と語った。
トランプ氏の大統領就任以来、イバンカ・ブランドは同氏の政策に対する批判の矢面に立たされている。反トランプ派の
団体「グラブ・ユア・ウォレット」は不買運動の対象とすべき企業として、スタイン・マートなどトランプ・ブランドの商品を扱
う店舗を多数挙げている。
米百貨店大手の ノードストローム は、売り上げの低迷を理由にイバンカ・トランプの商品取り扱いを中止したが、メー
シーズやディラーズ、TJマックスなどのチェーンでは販売が続いている。
先ごろ大統領補佐官に就任したイバンカ氏は、父親の大統領就任に伴い、一族の企業「トランプ・オーガニゼーション」
を休職し、自身のブランドからも手を引いた。現在はいずれの会社の経営・業務にも関与していないが、所有権は維持
している。
イバンカ・トランプの広報担当者は、ラベル誤表示の商品に関するコメントを避けた。アドリアンヌ・ビッタディーニの製品
を製造するオーセンティック・ブランズ・グループの代表には連絡が取れていない。
G-IIIは最近の財務報告で、イバンカ・トランプの婦人衣料の売上高が1月31日までの1年間で1790万ドル増加したこ
とを明らかにしたが、ブランドの総売上高は公表していない。
スタイン・マートの投資家広報(IR)責任者、リンダ・タセフ氏は「G-IIIと協力してこの問題の解決に当たる」と述べた。約
290店舗の大半でイバンカ・ブランドを取り扱っているが、販売を打ち切る計画はないとも述べた。
「同ブランドには、アンチと同じくらいファンも多くいる」とタセフ氏は語った。