ドラゴンズの2019年シーズン前半戦が終わった。
ここまで80試合を戦って37勝43敗0分で借金6、リーグ5位。前年の80試合終了時は36勝43敗1分で借金7のリーグ5位だったからほぼ同じペースと言えるが、今季は5位と言っても2位と2ゲーム差。4連勝で前半戦を締めくくったこともあって、Aクラスへの期待も高まる。
ここまで80試合を戦って37勝43敗0分で借金6、リーグ5位。前年の80試合終了時は36勝43敗1分で借金7のリーグ5位だったからほぼ同じペースと言えるが、今季は5位と言っても2位と2ゲーム差。4連勝で前半戦を締めくくったこともあって、Aクラスへの期待も高まる。
Bクラスからの脱出に苦闘
開幕直前に今シーズンを戦うポイントを2つ挙げた。「投手陣の整備」そして「上昇への起爆剤」である。
新生・与田ドラゴンズは高校球界のスーパースターだった根尾昂選手を獲得するなど明るいムードでスタートを切った。しかし「6年連続Bクラス」という現状は思いのほかきびしく、また次々とけが人も出たことから決して順風満帆の船出とはいかなかった。
「よく戦っている」「いやまだまだ」ファンの間でもさまざまな評価が飛び交う中、ここまでの戦いを中間チェックしてみたい。
新生・与田ドラゴンズは高校球界のスーパースターだった根尾昂選手を獲得するなど明るいムードでスタートを切った。しかし「6年連続Bクラス」という現状は思いのほかきびしく、また次々とけが人も出たことから決して順風満帆の船出とはいかなかった。
「よく戦っている」「いやまだまだ」ファンの間でもさまざまな評価が飛び交う中、ここまでの戦いを中間チェックしてみたい。
柳そして大野の投手2本柱
かつて「投手王国」と呼ばれたドラゴンズ、広いナゴヤドームを本拠地とする以上、「投手陣の整備」は欠かすことのできない最重要課題である。
先発を任せて13勝したオネルキ・ガルシア投手の移籍など、昨季勝ち星を挙げた多くの投手の不在が心配された。
現状も投手陣のコマは十分とは言えないが、何といっても3年目の柳裕也投手の飛躍は大きな成果である。昨シーズン2勝、通算わずか3勝の投手が、今季はここまでに100イニング以上を投げて9勝2敗。簡単に称号を与えることはできないが“エース級”の活躍である。
そして大野雄大投手の復活。去年は1勝も挙げていないので、今季の5勝は丸々プラスである。もっとも大野投手の場合、昨季までの通算成績が49勝53敗と4つ負け越し。
今季も5勝とは言え6敗しているので、ここは奮起してもらいたいところである。
2年目の清水達也投手の新鮮な好投など明るい話題もあって、最初のポイントの評価は「まずまず」だろう。
先発を任せて13勝したオネルキ・ガルシア投手の移籍など、昨季勝ち星を挙げた多くの投手の不在が心配された。
現状も投手陣のコマは十分とは言えないが、何といっても3年目の柳裕也投手の飛躍は大きな成果である。昨シーズン2勝、通算わずか3勝の投手が、今季はここまでに100イニング以上を投げて9勝2敗。簡単に称号を与えることはできないが“エース級”の活躍である。
そして大野雄大投手の復活。去年は1勝も挙げていないので、今季の5勝は丸々プラスである。もっとも大野投手の場合、昨季までの通算成績が49勝53敗と4つ負け越し。
今季も5勝とは言え6敗しているので、ここは奮起してもらいたいところである。
2年目の清水達也投手の新鮮な好投など明るい話題もあって、最初のポイントの評価は「まずまず」だろう。
「安定した打線」が組めるか?
いよいよ後半戦がスタートする。新たに3つ目のポイントを加えるならば「安定した打線」であろう。今季のドラゴンズはスタメンの打順が目まぐるしく変わっている。昨季は規定打席に達した野手が7人いたが、今季は4人にとどまっている。けが人が多い上のやりくりとも言えるが、やはり打線は「線」と言うだけに、攻撃の流れの中でそれぞれの選手が自分の役割をきっちりと果たしていくことが大切だ。打順によって、それぞれの役割は違ってくる。これからの戦いは、ある程度は固定したオーダーで戦っていくことに期待したい。
そして投手陣では、体調不良から1軍に帰ってくる選手たち。松坂大輔投手や笠原祥太郎投手らの復帰を心待ちしたい。
そして投手陣では、体調不良から1軍に帰ってくる選手たち。松坂大輔投手や笠原祥太郎投手らの復帰を心待ちしたい。
応援歌騒動を越えて行け!
前半戦の終盤になって、応援歌の「お前」という歌詞をめぐる騒動で、ファンもチームも、そしてドラゴンズに関わる多くの人たちも傷ついた。日頃はドラゴンズのことをほとんど話題にもしない芸能人まで次々とコメントした。この騒ぎにつける薬は「勝利」しかない。
注目された応援歌の『サウスポー』と違って、問題にはなっていないチャンス応援歌の中に「打って打って打ちまくれ!」という歌詞があるが、次の歌詞を後半戦のドラゴンズに贈る。「勝って勝って勝ちまくれ!」。7年連続のBクラスはご勘弁願いたい。
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。
注目された応援歌の『サウスポー』と違って、問題にはなっていないチャンス応援歌の中に「打って打って打ちまくれ!」という歌詞があるが、次の歌詞を後半戦のドラゴンズに贈る。「勝って勝って勝ちまくれ!」。7年連続のBクラスはご勘弁願いたい。
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。
10代バッテリーに拍手喝采
チームの上昇に勢いをつける選手は現れたか?
与田監督の選手起用は積極的である。開幕戦では堂上直倫選手や阿部寿樹選手ら中堅が初の開幕スタメンをつかんだ。特に阿部選手は4年目の今季、勝負強い打撃で目覚めた。また5年目の井領雅貴選手も1軍での活躍が続くなど、これまでくすぶっていた選手たちを見事に覚醒させた。
そして何といっても高橋周平選手である。キャプテンに任命されてプレーも変わった。5月には月間最多猛打賞で月間MVPにも選ばれ、首位打者の座を守り続けている。
しかし「起爆剤」と言いたいのはやはり新しい戦力である。前半戦終了間際の7月9日、18歳の高卒ルーキー石橋康太捕手をスタメンとして起用し、19歳の清水投手との「10代バッテリー」はナゴヤドームの観客を大いに沸かせた。石橋捕手はプロ初安打となる2点タイムリー三塁打を放つなど大活躍して、チームも勝利した。ただの1勝ではない。チームに活気を与え、ファンに希望を与える勝利。こういう勝利をつかみ取ることが「起爆剤」の役目である。根尾昂選手という超ド級の起爆剤は温存されているが、2番目のポイントの評価は「上々」だろう。
与田監督の選手起用は積極的である。開幕戦では堂上直倫選手や阿部寿樹選手ら中堅が初の開幕スタメンをつかんだ。特に阿部選手は4年目の今季、勝負強い打撃で目覚めた。また5年目の井領雅貴選手も1軍での活躍が続くなど、これまでくすぶっていた選手たちを見事に覚醒させた。
そして何といっても高橋周平選手である。キャプテンに任命されてプレーも変わった。5月には月間最多猛打賞で月間MVPにも選ばれ、首位打者の座を守り続けている。
しかし「起爆剤」と言いたいのはやはり新しい戦力である。前半戦終了間際の7月9日、18歳の高卒ルーキー石橋康太捕手をスタメンとして起用し、19歳の清水投手との「10代バッテリー」はナゴヤドームの観客を大いに沸かせた。石橋捕手はプロ初安打となる2点タイムリー三塁打を放つなど大活躍して、チームも勝利した。ただの1勝ではない。チームに活気を与え、ファンに希望を与える勝利。こういう勝利をつかみ取ることが「起爆剤」の役目である。根尾昂選手という超ド級の起爆剤は温存されているが、2番目のポイントの評価は「上々」だろう。
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