歯科医物語

歯科医、現在 休養中、「木偶庵」庵主、メインサイト http://www.jiro-taniguchi-fan.com/

フリードマンとローゼンマンによる性格分類:タイプA、B、C、D

2019-10-14 22:51:30 | ☆エッセイ・コラム
フリードマンとローゼンマンによる性格分類:タイプA、B、C、D
・アメリカの医師、フリードマンとローゼンマンにより定義された性格分類。
彼らは待合室での患者の行動を観察してタイプ分けしたらしい。
(両名はタイプA、Bまでしか定義していない)
・この分類には特に名前がついてないようだ。タイプA、B、C、Dとそのまま呼ばれている。


タイプA
・医師二人が観察していた患者のグループの内、頻繁に立ち上がり、歩き回り、椅子の端に腰掛ける、といった行動を繰り返していた者たち。
・冠状動脈性心臓疾患の患者に特徴的な行動パターンとされる。
心臓疾患のリスクが高い。国や文化の違いによる影響はないとされる。
・Aggressive(積極的/攻撃的)のAとする説がある。
・「止まるのが嫌い」とされる。休もうとしない。
・周囲に認められたい欲求が高い。
・怒りっぽい。
・攻撃的。この攻撃対象には「時間」や「自分」も含まれる。
・競争心が激しい。
・出世欲が強い。
・過剰に活動的。
・多忙であり、時間に追われている。
・早口、多動。
・これらの性格的特性からストレスをためやすく、心臓・血管に負担を掛けやすい。
・ただ、病気になったら病気になったで几帳面だから真面目に治そうとするとも言われている。
・高血圧・高脂血症。
・ジェフ・コンテ准教授の実験では、一分間をどのくらいの長さに感じるかの計測でタイプAは平均58秒だった。



タイプB
・二人の医師が観察していたグループの内、落ち着いた様子で座っていた者たち。
・特に健康面ではリスクはない。
・Being(あるがまま)のBとする説がある。
・タイプAより時間に対して切迫感を感じていない、非攻撃的な行動パターンと定義される。
・注意するべきは、「タイプB」の内容は二通りあること。
1つは「タイプAに当てはまらない人」とだけ定義される場合。こちらは恐らく古い。
もう一つはタイプAと正反対のマイペース、協調的とされる場合。
基本的に「タイプC」がないAとBの話の場合は前者の意味で、タイプCがある場合は後者の意味として使われているようだ。
・穏やか。
・落ち着いている。
・時間にルーズとされる。
・楽観的。
・心臓疾患のリスクはタイプAの半分程度。
・一方、遅刻魔レベルのマイペースとして扱われていることもある。ルールを守らないなどとも。
・タイプAと同じくジェフ・コンテ准教授の実験では、現実の一分間を平均77秒に感じている。
・フリードマン曰く、タイプAの方が出世しそうに見えるが、実際はタイプBの方が出世するとのこと。単純にタイプAが途中でぶっ倒れるからってのが理由だが。兎と亀みたいだな。




タイプC
・癌になりやすいとされる性格傾向。
・さらなる研究で後に定義されたとされる。このため、タイプCが話に出てこないパターンがある。
・Cancer(癌)のCとされる。これは心理学者のリディア・テモショック、科学担当記者ヘンリー・ドレイア。
両名は150人以上の患者と面接を行い、四分の三にこの傾向があったとされる。
・わかりやすく「(都合の)いい子」。
・おとなしい。控えめ。
・自己主張をせず、自分を抑える。
・自己犠牲的。周囲に気を使い、譲歩する。つまり他人を優先し、自分のことを後回し、或いは放置。
・我慢強い。感情を押し殺す。あるいは「怒りに気づかない」とされる。他の感情も同様。
・真面目で几帳面。
・権威や外界に対して従順である。
・癌発症後、進行が早いらしい。慢性的なストレスを溜め込みやすく、それが免疫を下げると考えられている。



タイプD/タイプD気質
・初耳なんだが。なんかあった。
・岡山大学がこれについて論文出してるため、少なくとも都市伝説ではないだろう。オランダでも研究されていたようだ。
・うつ病と心疾患、肥満のリスクが高いとされる。
・distressed(動揺して、酷く苦しんで、行き詰まった、などの意)のDとされる。
・否定的な感情、考えを抱きやすい傾向。
・他者からの否認や批難などを恐れるため、否定的な感情を表現できない傾向。
・人見知り。人と関わりたくない。社会的な能力由来の心配性。
・打たれ弱い。落ち込みやすい。
・内心はイライラしやすい。
・オランダの研究に依ると、欧米では全人口の20%がタイプDとされる。
・岡山大学の研究に依ると、日本人は46.3%がタイプDとされる。ただしこれは65歳以上の高齢者が対象の研究だった。
調査票を送り、回収した13,929票がサンプル。
この分析で更に、心理的苦痛を感じるリスクが4~5倍、自分は不健康だと感じるリスクが二倍であるとされた。
さらに気分障害などの重篤な精神疾患のリスクが9.92倍。高齢者のみの調査とは言え、他も無関係ではないだろう。
・心血管疾患のリスクが3倍。
・ストレスを非常に受けやすく、ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌により体調が崩れるとされる。これは血糖値、血圧などに関わっている。
メモ
・時間間隔のタイプA、Bの違いだが、意外と言える。せっかちな場合は気が早い分、一分間を「長く」感じると思うが、その場合60秒より多いと答えることになる。
タイプAは58秒、タイプBは77秒。これだとタイプBの方がせっかちなことになるのだが。
別の要素で体感時間が決まっているのだろうか。ともかく、時間が沢山ある感覚はしているらしい。豊富にあると感じているから、その分余裕を感じるようだ。なんか間に合ってないこともあるみたいなんだけど。
タイプAは早いのではなく「正確」だとも見れる。誤差2秒だし。こちらはなんとも言えないか。
・タイプCについて。彼/彼女らは感情を認めない・気づかないよう心がけているように見える。
ただ、知覚していないだけで感情やストレスは「発生」自体はしているため、やはり身体に影響はあるようだ。アレキシサイミアというよりは、感情労働を日常的にしている状態だろう。
・ロバート・クリーゲルという博士がこれとは別にA型、B型、C型の性格分類をしていたという話がある。
この場合AとBは今回と似ているが、Cは理想形とされる別物らしい。ストレスに強く、プレッシャーがあっても最高のパフォーマンスを発揮するだとか。


 
 
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