★住民監査請求提起!区民キャンパス内「シェ松尾」の改修費469万円は、区長・青木が補填せよ!
昨年、「めぐろ区民キャンパス」内にある高級フレンチレストラン「シェ松尾」の改修工事4,693,500円を、目黒区長・青木英二が公費(税金)で行い区に損害を与えたため、ぼくは監査委員に対し契約者である区長・青木個人に補填を求めるよう、3月23日に住民監査請求(目黒区職員措置請求)を起こした。
監査請求は、すでに正式に受理され、監査の実施が開始された。4月10日午前10時から、監査請求人のぼくが4人の監査委員の前で、区の施設である「めぐろ区民キャンパス」内のテナントである「シェ松尾」の改修工事費を公費で行ったのは違法である根拠とその理由を陳述する。
★「シェ松尾」が自社の負担でやるべきだ!公費を使う根拠なし!
この問題は、昨年の予算特別委員会で、まずぼくは問題提起して追及した。テナントである一私企業の経営改善のために行う、店内の改修工事の費用を目黒区が負担する根拠はまったくないのである。目黒区は、「シェ松尾」の要望を認め改修工事を行ったのだが、目黒区とテナントの「シェ松尾」は、そのような契約はしていない。本来、「シェ松尾」が自社で負担すべき改修工事費を目黒区が支払ったのは、違法である。
違法の根拠はこうだ。
区長・青木は、本件工事の契約を4,693,500円で締結し、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反だ。
また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」にも違反する。
★監査請求書を全文紹介!杜撰な公金支出の実態がわかる!
つぎに住民監査請求書(目黒区職員措置請求書)の全文を掲載する。ざっと目を通していただくだけでも、目黒区は区長・青木をはじめ幹部職員が、いかに杜撰(ずさん)に公金(税金)を使っているかがわかるはずだ。
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目黒区職員措置請求書(住民監査請求書)
1 請求の要旨
措置請求の対象者:目黒区長 青木英二
措置請求の内容:
目黒区長・青木英二(以下、区長・青木という)は、目黒区契約担当者として、平成20年2月6日、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」(請負業者 宮田富子(株)ミヤタ建設)を契約金額4,693,500円(税抜金額4,470,000円、消費税223,500円)で契約した。「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」を以下、「本件工事」という。本件工事終了後、支出命令書によれば平成20年5月7日に4,693,500円を支払った。(事実証明書1、事実証明書2)
しかし、本件工事は、本来、目黒区の所有する「めぐろ区民キャンパス」内にテナントとして入居し、レストランを営業している(株)シェ松尾が、改修工事費を自己負担すべきものであって、監査請求人(以下、請求人という)がつぎに詳述する理由により、目黒区が本件工事費を負担する根拠はまったくないのである。したがって、区長・青木は、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」の契約を締結し、契約金額が(株)ミヤタ建設に支払らわれたことによって、目黒区に4,693,500円の損害を与えた。
よって、地方自治法第242条(住民監査請求)の規定に基づいて、区長・青木個人に対し、目黒区が被った4,693,500円の損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求する。
以下、措置請求の内容、そしてその根拠について、個別具体的に詳述する。
(1)区長・青木は、本件工事を(株)ミヤタ建設と4,693,500円で契約した。しかし、区長・青木は、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反し、また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する違法な契約を締結し、かつ違法な支出を行ったのである。
(2)請求人は、平成20年3月25日開催の目黒区予算特別委員会において、
本件工事に関し、何のために目黒区は予算を計上してまで改修工事を行ったのか等を質疑した。その記録が「目黒区議会予算特別委員会会議録」である。
教育委員会の田崎企画課長は「シェ松尾に関しての工事でございますけども、19年度は区側としては500万円の工事予算を計上しておりました。これはシェ松尾が、19年度中ですけれども、経営主体が変ったことと、もっと内装を少し変えながらサービスの少し高めたいということ、それからテラス等の改修も本来は行ないたいというお話がありまして、区側と協議させていただきました。現実には内装で仕切り壁と電灯の位置等を変えて、若干、シェ松尾自体の店の雰囲気、これを変えさせていただいたと」と答弁した。(事実証明書3、下線部分(1))
田崎企画課長が答弁したシェ松尾が「もっと内装を少し変えながらサービスの少し高めたいということ」では、目黒区が区の施設に入居しているテナントであるレストラン・シェ松尾のために、貴重な公費を使って本件工事をしなければならない理由にはならず違法である。
(3)田崎企画課長は、さらに請求人の質疑に対して「シェ松尾の工事につきまして、申し出につきましては、昨年1月、シェ松尾側から、内装工事を変えて(請求人注、「内装を変えて」の誤りか)、少し来客サービスを充実させたいというお話しがございました。パーシモンも年数的には5年ぐらいたっておりまして、内装的には少し改修する必要性は若干あったかなというふうにはおもいますけでも、シュ松尾側の意向として、これからのサービスメニューを提供するに当たって少し改修したいということで、区側が負担したのは、要するに中の仕切り壁、それと天井の電気の配線工事ということで、区側としては内装が区が負担すべき部分ということで、その部分については負担をさせていただくと」(事実証明書3、下線部分(2))と答弁した。
田崎課長は、シェ松尾はパーシモン開設時にテナントとして入居し、5年ぐらい経過し改修の必要があったという。が、まだ5年しか経っていない店舗の内装工事をテナントであるシェ松尾が、自社の経費で行うのならともかく、目黒区が公費で内装工事をする理由にはならない。
田崎課長は上記のように「シュ松尾側の意向として、これからのサービスメニューを提供するに当たって少し改修したいということで、区側が負担したのは、要するに中の仕切り壁、それと天井の電気の配線工事ということで、」と答弁した。シェ松尾の意向として、サービスメニューを提供するに当たり改修したいという申し出を目黒区は全面的に認め、500万円の予算を組み、改修工事費4,693,500円を支出したのである。
一私企業であるシェ松尾が、サービスメニューを提供するに当たって、改修工事をしたいのならば、自社の経費で行うのはいうまでもないことである。サービスメニューを提供し、売り上げが増し、利益が増加しても、その利益の一部をシェ松尾が目黒区に支払うことはないのである。
目黒区が、シェ松尾の上記の言い分を認め、本件工事費を公費で支払ったのは違法であるのは明白である。
(4)さらに田崎企画調整課長は「シェ松尾との使用料の契約でございますけども、月額使用料につきましては39万1,544円、それで物品の貸付料が10万7,930円ということで、総額49万9,474円でございます」と答弁した。(事実証明書4、下線部分(3))
本件工事費4,693,500円は、月額使用料499,474円の10か月分近くに相当する金額なのである。それを目黒区が負担する根拠を精査することなく、漫然と契約し支払ったのは、重大な過失があったというべきである。
(5)平成20年3月26日開催の目黒区議会予算特別委員会においても、本件工事に関する質疑が行われた。まず、前日、田崎企画調整課長が、答弁を保留した請求人に対する答弁をした。
田崎調整課長は、事実証明書4、下線部分(1)の答弁において、本件工事費を目黒区が負担したことについて、当施設が5年経過し、天井、換気口、壁などの汚れや傷が目立ってきたことで、シェ松尾の売り上げが減少してきたことを理由に挙げている。しかし、いずれも本件工事費を目黒区が負担すべき理由にはならない。施設の使用であるシェ松尾自身が、本件工事費を支払うべきものであるのは明白である。シェ松尾の売り上げが減少してきたことで、目黒区が本件工事費をシェ松尾のために負担する理由はどこにもない。
田崎調整課長は、上記下線部分(1)で「18年11月の話し合いの際に、工事の改修要望を一緒にそれらの要望が出されてきたということでございます。それらを受けまして区側の話し合った結果、躯体そのものは使用者が改修できるということにはなってございません」と答弁した。つまり、躯体の工事は区が行うことになっているというのである。
しかし、違法性を裏付けるのは、下線部分(1)の「今回の件につきましては汚れの改修と一定の躯体の部分、それからレイアウトの変更等も含めまして仕切り壁の移動等がありましたので、これらにつきましては躯体の改修ということで、区側で工事を行っていこうということで19年度の予算化をしたところでございます」の田崎企画調整課長の答弁である。
答弁を熟読すると、①「今回の件につきましては汚れの改修と一定の躯体の部分、それからレイアウトの変更等も含めまして仕切り壁の移動等がありましたので、」と一定の躯体の部分でしかないのに、②「これらにつきましては“躯体の改修ということで、”区側で工事を行っていこうということで19年度の予算化をしたところでございます」と前段、後段に分けられる。
後段の「“躯体の改修ということで、”区側で工事を行っていこうということで」での答弁は、躯体ではない工事も「“躯体の改修ということで、”」にし偽って本件工事費を区が負担したことを認める答弁である。この田崎企画調整課長の答弁は、はからずも違法性を裏付ける答弁であるといえる。
(6)請求人が、田崎企画調整課長から入手した「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」(事実証明書5)と「工事費見積り」(事実証明書6)によれば、双方の文書を通じて躯体の改修に該当する工事は、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」(事実証明書5)の中の「(1)間仕切壁等の新設を行うこと」だけである。
他はすべて躯体の工事ではない改修工事なのである。躯体の工事ではない工事も、躯体の工事と偽って、違法に本件工事費を目黒区が負担したのは明らかである。
(7)田崎企画調整課長は、梅原委員の質疑に対しても事実証明書4、下線部分(2)において、「この工事につきましては、内装に関しましては一応使用者が工事をすることもできます。それは許可を得て工事をするということになりますけども、その際は原状復帰ということになりますけども、躯体にかかわる工事について区が行うということで、区は、今回はシェ松尾側の要請を受けて、または壁の状況等を判断して、今回、工事を行ったものでございます」と答弁した。
この答弁も本件工事の費用を区が負担するのは、違法であることを裏付けるものである。「この工事につきましては、内装に関しましては一応使用者が工事をすることもできます。それは許可を得て工事をするということになりますけども、その際は原状復帰ということになりますけども、」と答弁しているように、内装に関しては、使用者(シェ松尾)が区の許可を得て工事をすることはできるが、明け渡すときは原状復帰になるという。不動産の賃貸では当然である。
しかし、実際には「躯体にかかわる工事について区が行うということで、区は、今回はシェ松尾側の要請を受けて、または壁の状況等を判断して、今回、工事を行ったものでございます」と区の負担において本件工事が行われたのを認めているのである。上記(1)で述べたように、本件工事には躯体かかわる工事というのは、単に一部分のみである。しかるに、「躯体にかかわる工事について区が行うということで、」といわば偽装して、違法な本件工事を行ったのは明らかである。
(8)また梅原委員の質疑に対して、小笠原教育次長は、事実証明書4、下線部分(3)で「今回の工事の目的は、売り上げ増と経営改善、それと苦情対応ということではございますけれども」と本件工事が、シェ松尾の事情によって行われたことを認めている。
そのあと「それで施設を改修することによって区民の方に利用してもらおうという目的でやっているものでございます。したがって、売り上げ改善だけを図ったということではございません」と答弁したが、区民が利用しないからといって、私企業が経営する区施設のテナントであるレストラン・シェ松尾の要請を受けて、原資が税金である公費を使って改修工事をする理由は法令、規則等の規定はどこにもなく、違法そのものである。
区民が利用しないのは、価格、サービス等の総合的な問題があるからである。企業の自己責任において改善すべきであるのは、いうまでもないことである。
(9)事実証明書4、下線部分(4)において、梅原委員のシェ松尾でぼや(小火)があったのではないかの質疑に対して、田崎企画調整課長は「レストランの中でぼや等につきましては、未然防止の1件がございました。ただ、今回の改修はそれに関係するこのではなく、これまでの経年変化の中で、壁または換気口または電灯周辺等の汚れまたは傷等が出てきた、そういう中から、レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思いから要請があったものでございます」と答弁した。
「未然防止」のぼやなど聞いたことのない用語だ。未然に防止したのであれば、何も起きてないことである。火災の前段階がぼや(小火)である。ぼやは起きたのである。ぼやと改修とは関係ないとどうしていえるのか。未然防止というが、ぼやがあれば壁等が汚れる。経年変化の中で壁、換気口、電灯周辺等が汚れ、傷ついたという。シェ松尾は、普段から掃除をしていないのであろうか。壁、換気口、電灯周辺等は、各家庭や店舗、飲食店では、毎日掃除を行っていれば、わずか5年で改修工事を必要とするほど汚れはしない。
目黒区は、田崎調整課長が「レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思いから要請があったものでございます」というように、シェ松尾の身勝手な要請を精査することなく聞き入れ、公費を使って本件工事を行ったのは違法である。シェ松尾が「レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思い」があったのなら、当然、自社の費用できれいにすべきであって、目黒区に改修工事の要請をすべきものではないのである。
違法・不当行為の根拠:
違法・不当行為の根拠については、個別具体的に上述した通りである。違法・不当行為の根拠法令、条文はつぎの通りである。
区長・青木は、本件工事の契約を4,693,500円で締結し、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反し、また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する違法な契約を締結し、目黒区に損害を与えたのである。
2 請求者
東京都目黒区緑が丘1-11-3
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
平成21年3月23日
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事契約書」写し
事実証明書2「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事支出命令書」写し
事実証明書3「目黒区議会予算特別委員会会議録」平成20年3月25日写し
事実証明書4「目黒区議会予算特別委員会会議録」平成20年3月26日写し
事実証明書5「めぐろキャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」写し
事実証明書6「めぐろキャンパス内レストラン工事費見積り」写し
以上
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昨年、「めぐろ区民キャンパス」内にある高級フレンチレストラン「シェ松尾」の改修工事4,693,500円を、目黒区長・青木英二が公費(税金)で行い区に損害を与えたため、ぼくは監査委員に対し契約者である区長・青木個人に補填を求めるよう、3月23日に住民監査請求(目黒区職員措置請求)を起こした。
監査請求は、すでに正式に受理され、監査の実施が開始された。4月10日午前10時から、監査請求人のぼくが4人の監査委員の前で、区の施設である「めぐろ区民キャンパス」内のテナントである「シェ松尾」の改修工事費を公費で行ったのは違法である根拠とその理由を陳述する。
★「シェ松尾」が自社の負担でやるべきだ!公費を使う根拠なし!
この問題は、昨年の予算特別委員会で、まずぼくは問題提起して追及した。テナントである一私企業の経営改善のために行う、店内の改修工事の費用を目黒区が負担する根拠はまったくないのである。目黒区は、「シェ松尾」の要望を認め改修工事を行ったのだが、目黒区とテナントの「シェ松尾」は、そのような契約はしていない。本来、「シェ松尾」が自社で負担すべき改修工事費を目黒区が支払ったのは、違法である。
違法の根拠はこうだ。
区長・青木は、本件工事の契約を4,693,500円で締結し、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反だ。
また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」にも違反する。
★監査請求書を全文紹介!杜撰な公金支出の実態がわかる!
つぎに住民監査請求書(目黒区職員措置請求書)の全文を掲載する。ざっと目を通していただくだけでも、目黒区は区長・青木をはじめ幹部職員が、いかに杜撰(ずさん)に公金(税金)を使っているかがわかるはずだ。
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目黒区職員措置請求書(住民監査請求書)
1 請求の要旨
措置請求の対象者:目黒区長 青木英二
措置請求の内容:
目黒区長・青木英二(以下、区長・青木という)は、目黒区契約担当者として、平成20年2月6日、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」(請負業者 宮田富子(株)ミヤタ建設)を契約金額4,693,500円(税抜金額4,470,000円、消費税223,500円)で契約した。「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」を以下、「本件工事」という。本件工事終了後、支出命令書によれば平成20年5月7日に4,693,500円を支払った。(事実証明書1、事実証明書2)
しかし、本件工事は、本来、目黒区の所有する「めぐろ区民キャンパス」内にテナントとして入居し、レストランを営業している(株)シェ松尾が、改修工事費を自己負担すべきものであって、監査請求人(以下、請求人という)がつぎに詳述する理由により、目黒区が本件工事費を負担する根拠はまったくないのである。したがって、区長・青木は、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事」の契約を締結し、契約金額が(株)ミヤタ建設に支払らわれたことによって、目黒区に4,693,500円の損害を与えた。
よって、地方自治法第242条(住民監査請求)の規定に基づいて、区長・青木個人に対し、目黒区が被った4,693,500円の損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求する。
以下、措置請求の内容、そしてその根拠について、個別具体的に詳述する。
(1)区長・青木は、本件工事を(株)ミヤタ建設と4,693,500円で契約した。しかし、区長・青木は、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反し、また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する違法な契約を締結し、かつ違法な支出を行ったのである。
(2)請求人は、平成20年3月25日開催の目黒区予算特別委員会において、
本件工事に関し、何のために目黒区は予算を計上してまで改修工事を行ったのか等を質疑した。その記録が「目黒区議会予算特別委員会会議録」である。
教育委員会の田崎企画課長は「シェ松尾に関しての工事でございますけども、19年度は区側としては500万円の工事予算を計上しておりました。これはシェ松尾が、19年度中ですけれども、経営主体が変ったことと、もっと内装を少し変えながらサービスの少し高めたいということ、それからテラス等の改修も本来は行ないたいというお話がありまして、区側と協議させていただきました。現実には内装で仕切り壁と電灯の位置等を変えて、若干、シェ松尾自体の店の雰囲気、これを変えさせていただいたと」と答弁した。(事実証明書3、下線部分(1))
田崎企画課長が答弁したシェ松尾が「もっと内装を少し変えながらサービスの少し高めたいということ」では、目黒区が区の施設に入居しているテナントであるレストラン・シェ松尾のために、貴重な公費を使って本件工事をしなければならない理由にはならず違法である。
(3)田崎企画課長は、さらに請求人の質疑に対して「シェ松尾の工事につきまして、申し出につきましては、昨年1月、シェ松尾側から、内装工事を変えて(請求人注、「内装を変えて」の誤りか)、少し来客サービスを充実させたいというお話しがございました。パーシモンも年数的には5年ぐらいたっておりまして、内装的には少し改修する必要性は若干あったかなというふうにはおもいますけでも、シュ松尾側の意向として、これからのサービスメニューを提供するに当たって少し改修したいということで、区側が負担したのは、要するに中の仕切り壁、それと天井の電気の配線工事ということで、区側としては内装が区が負担すべき部分ということで、その部分については負担をさせていただくと」(事実証明書3、下線部分(2))と答弁した。
田崎課長は、シェ松尾はパーシモン開設時にテナントとして入居し、5年ぐらい経過し改修の必要があったという。が、まだ5年しか経っていない店舗の内装工事をテナントであるシェ松尾が、自社の経費で行うのならともかく、目黒区が公費で内装工事をする理由にはならない。
田崎課長は上記のように「シュ松尾側の意向として、これからのサービスメニューを提供するに当たって少し改修したいということで、区側が負担したのは、要するに中の仕切り壁、それと天井の電気の配線工事ということで、」と答弁した。シェ松尾の意向として、サービスメニューを提供するに当たり改修したいという申し出を目黒区は全面的に認め、500万円の予算を組み、改修工事費4,693,500円を支出したのである。
一私企業であるシェ松尾が、サービスメニューを提供するに当たって、改修工事をしたいのならば、自社の経費で行うのはいうまでもないことである。サービスメニューを提供し、売り上げが増し、利益が増加しても、その利益の一部をシェ松尾が目黒区に支払うことはないのである。
目黒区が、シェ松尾の上記の言い分を認め、本件工事費を公費で支払ったのは違法であるのは明白である。
(4)さらに田崎企画調整課長は「シェ松尾との使用料の契約でございますけども、月額使用料につきましては39万1,544円、それで物品の貸付料が10万7,930円ということで、総額49万9,474円でございます」と答弁した。(事実証明書4、下線部分(3))
本件工事費4,693,500円は、月額使用料499,474円の10か月分近くに相当する金額なのである。それを目黒区が負担する根拠を精査することなく、漫然と契約し支払ったのは、重大な過失があったというべきである。
(5)平成20年3月26日開催の目黒区議会予算特別委員会においても、本件工事に関する質疑が行われた。まず、前日、田崎企画調整課長が、答弁を保留した請求人に対する答弁をした。
田崎調整課長は、事実証明書4、下線部分(1)の答弁において、本件工事費を目黒区が負担したことについて、当施設が5年経過し、天井、換気口、壁などの汚れや傷が目立ってきたことで、シェ松尾の売り上げが減少してきたことを理由に挙げている。しかし、いずれも本件工事費を目黒区が負担すべき理由にはならない。施設の使用であるシェ松尾自身が、本件工事費を支払うべきものであるのは明白である。シェ松尾の売り上げが減少してきたことで、目黒区が本件工事費をシェ松尾のために負担する理由はどこにもない。
田崎調整課長は、上記下線部分(1)で「18年11月の話し合いの際に、工事の改修要望を一緒にそれらの要望が出されてきたということでございます。それらを受けまして区側の話し合った結果、躯体そのものは使用者が改修できるということにはなってございません」と答弁した。つまり、躯体の工事は区が行うことになっているというのである。
しかし、違法性を裏付けるのは、下線部分(1)の「今回の件につきましては汚れの改修と一定の躯体の部分、それからレイアウトの変更等も含めまして仕切り壁の移動等がありましたので、これらにつきましては躯体の改修ということで、区側で工事を行っていこうということで19年度の予算化をしたところでございます」の田崎企画調整課長の答弁である。
答弁を熟読すると、①「今回の件につきましては汚れの改修と一定の躯体の部分、それからレイアウトの変更等も含めまして仕切り壁の移動等がありましたので、」と一定の躯体の部分でしかないのに、②「これらにつきましては“躯体の改修ということで、”区側で工事を行っていこうということで19年度の予算化をしたところでございます」と前段、後段に分けられる。
後段の「“躯体の改修ということで、”区側で工事を行っていこうということで」での答弁は、躯体ではない工事も「“躯体の改修ということで、”」にし偽って本件工事費を区が負担したことを認める答弁である。この田崎企画調整課長の答弁は、はからずも違法性を裏付ける答弁であるといえる。
(6)請求人が、田崎企画調整課長から入手した「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」(事実証明書5)と「工事費見積り」(事実証明書6)によれば、双方の文書を通じて躯体の改修に該当する工事は、「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」(事実証明書5)の中の「(1)間仕切壁等の新設を行うこと」だけである。
他はすべて躯体の工事ではない改修工事なのである。躯体の工事ではない工事も、躯体の工事と偽って、違法に本件工事費を目黒区が負担したのは明らかである。
(7)田崎企画調整課長は、梅原委員の質疑に対しても事実証明書4、下線部分(2)において、「この工事につきましては、内装に関しましては一応使用者が工事をすることもできます。それは許可を得て工事をするということになりますけども、その際は原状復帰ということになりますけども、躯体にかかわる工事について区が行うということで、区は、今回はシェ松尾側の要請を受けて、または壁の状況等を判断して、今回、工事を行ったものでございます」と答弁した。
この答弁も本件工事の費用を区が負担するのは、違法であることを裏付けるものである。「この工事につきましては、内装に関しましては一応使用者が工事をすることもできます。それは許可を得て工事をするということになりますけども、その際は原状復帰ということになりますけども、」と答弁しているように、内装に関しては、使用者(シェ松尾)が区の許可を得て工事をすることはできるが、明け渡すときは原状復帰になるという。不動産の賃貸では当然である。
しかし、実際には「躯体にかかわる工事について区が行うということで、区は、今回はシェ松尾側の要請を受けて、または壁の状況等を判断して、今回、工事を行ったものでございます」と区の負担において本件工事が行われたのを認めているのである。上記(1)で述べたように、本件工事には躯体かかわる工事というのは、単に一部分のみである。しかるに、「躯体にかかわる工事について区が行うということで、」といわば偽装して、違法な本件工事を行ったのは明らかである。
(8)また梅原委員の質疑に対して、小笠原教育次長は、事実証明書4、下線部分(3)で「今回の工事の目的は、売り上げ増と経営改善、それと苦情対応ということではございますけれども」と本件工事が、シェ松尾の事情によって行われたことを認めている。
そのあと「それで施設を改修することによって区民の方に利用してもらおうという目的でやっているものでございます。したがって、売り上げ改善だけを図ったということではございません」と答弁したが、区民が利用しないからといって、私企業が経営する区施設のテナントであるレストラン・シェ松尾の要請を受けて、原資が税金である公費を使って改修工事をする理由は法令、規則等の規定はどこにもなく、違法そのものである。
区民が利用しないのは、価格、サービス等の総合的な問題があるからである。企業の自己責任において改善すべきであるのは、いうまでもないことである。
(9)事実証明書4、下線部分(4)において、梅原委員のシェ松尾でぼや(小火)があったのではないかの質疑に対して、田崎企画調整課長は「レストランの中でぼや等につきましては、未然防止の1件がございました。ただ、今回の改修はそれに関係するこのではなく、これまでの経年変化の中で、壁または換気口または電灯周辺等の汚れまたは傷等が出てきた、そういう中から、レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思いから要請があったものでございます」と答弁した。
「未然防止」のぼやなど聞いたことのない用語だ。未然に防止したのであれば、何も起きてないことである。火災の前段階がぼや(小火)である。ぼやは起きたのである。ぼやと改修とは関係ないとどうしていえるのか。未然防止というが、ぼやがあれば壁等が汚れる。経年変化の中で壁、換気口、電灯周辺等が汚れ、傷ついたという。シェ松尾は、普段から掃除をしていないのであろうか。壁、換気口、電灯周辺等は、各家庭や店舗、飲食店では、毎日掃除を行っていれば、わずか5年で改修工事を必要とするほど汚れはしない。
目黒区は、田崎調整課長が「レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思いから要請があったものでございます」というように、シェ松尾の身勝手な要請を精査することなく聞き入れ、公費を使って本件工事を行ったのは違法である。シェ松尾が「レストランとしてはもう少しこれをきれいにしていきたいという思い」があったのなら、当然、自社の費用できれいにすべきであって、目黒区に改修工事の要請をすべきものではないのである。
違法・不当行為の根拠:
違法・不当行為の根拠については、個別具体的に上述した通りである。違法・不当行為の根拠法令、条文はつぎの通りである。
区長・青木は、本件工事の契約を4,693,500円で締結し、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反し、また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する違法な契約を締結し、目黒区に損害を与えたのである。
2 請求者
東京都目黒区緑が丘1-11-3
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
平成21年3月23日
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事契約書」写し
事実証明書2「めぐろ区民キャンパス内レストラン改修工事支出命令書」写し
事実証明書3「目黒区議会予算特別委員会会議録」平成20年3月25日写し
事実証明書4「目黒区議会予算特別委員会会議録」平成20年3月26日写し
事実証明書5「めぐろキャンパス内レストラン改修工事について(依頼)」写し
事実証明書6「めぐろキャンパス内レストラン工事費見積り」写し
以上
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