③ 子ども手当地方負担金は、地方自治法第232条、地方財政法第2条の2、第13条に違反する
ア 目黒区が、子ども手当負担金を支払うことは、地方自治法及び地方財政法の数多の規定に違反する。地方自治法第232条においては、(経費の支弁等)として、以下のごとく定めている。
「第232条 普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務を処理するために必要な経費その他法律又はこれに基づく政令により当該普通地方公共団体の負担に属する経費を支弁するものとする。
平成23年度子ども手当は、国が法律により普通地方公共団体に対し事務の処理を義務付けるものであり、地方自治法第232条2の「国は、そのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならない。」に該当する。したがって、国は目黒区に対して、子ども手当支給に要する経費の財源につき必要な措置を、講じなければならないのである。国が目黒区に対して、子ども手当の地方負担金を課すのは違法なのである。
イ 地方財政法第2条2は、(地方財政運営の基本)として、つぎのごとく規定する。
「第2条2 国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助成することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行なってはならない。」
しかし、国が、子ども手当の財源の一部を地方公共団体に地方負担金として、一方的に押しつけ負担させることは、地方財政の自主的且つ健全な運営を阻害し、その自律性をそこない、文字通り地方公共団体に負担を転嫁する施策にほかならず、まったくもって違法そのものである。
ウ 地方財政法第13条1は、(新たな事務に伴う財源措置)として、つぎのごとく規定する。
「地方公共団体又はその経費を地方公共団体が負担する国の機関が法律又は政令に基づいて新たに事務を行う義務を負う場合においては、国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」
子ども手当を地方公共団体である目黒区が支給することは、国の法律に基づいて新たな事務を行う義務を負う場合に該当するのであるから、「国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」のである。国が財源について必要な措置を講じないで、財源の一部を目黒区に負担させるのは、違法というべきである。
(3)違法・不当行為の根拠
目黒区が、子ども手当の地方負担金を支出する行為は、相当の確実さをもって予測されるので、その違法・不当行為の根拠については、すでに上記の「(2) 措置請求の内容及びその根拠、③」において、「③子ども手当地方負担金は、地方自治法第232条、地方財政法第2条の2、13条に違反する」として、各根拠法令の条文を引用して詳述した通りである。
目黒区が、子ども手当の地方負担金を支出する行為は、相当の確実さをもって予測されるので、その違法・不当行為の根拠については、すでに上記の「(2) 措置請求の内容及びその根拠、③」において、「③子ども手当地方負担金は、地方自治法第232条、地方財政法第2条の2、13条に違反する」として、各根拠法令の条文を引用して詳述した通りである。
以上
2 請求者
須藤甚一郎
須藤甚一郎
東京都目黒区緑が丘1-11-3
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
平成23年1月31日
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1「東京新聞 平成23年1月28日夕刊」『子ども手当 閣議決定』の記事。写し
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1「東京新聞 平成23年1月28日夕刊」『子ども手当 閣議決定』の記事。写し
事実証明書2「朝日新聞 平成23年1月29日朝刊」『子ども手当NO包囲網 地方負担拒否広がる』の記事。写し
事実証明書3「東京新聞 平成22年11月5日朝刊」『歳入100億円の減収』の記事。写し
事実証明書4「日本経済新聞 電子版 平成23年1月26日」『千葉市、子ども手当負担を拒否 11年度予算案』の記事。写し