須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

564号 下着盗撮職員 刑法違反なら失職も!&職員の給与はこうだ!&梅原議員が政調費で監査請求!

2009-10-28 | 記 事
★盗撮職員の処分、委員会で報告!なぜか、ぼく以外は質疑せず“!

職員の下着盗撮事件の続報だ。目黒区議会で、ぼくが所属する企画総務委員会が10月26日に開催され、盗撮事件を起こした職員(係長43歳)の懲戒処分について、区側から正式に報告があった。
処分内容は、前号でお伝えしたように、停職1か月だ。

26日の委員会でぼくが質疑をし、区側が答弁した内容を報告しよう。ちなみに、企画総務委員会で盗撮事件、そして盗撮事件による懲戒処分に関して質疑したのは、ぼくだけだ。職員がこんなエロ事件を起こし、懲戒処分になったというのに、区側の報告に対して質疑をしないのは、行政の監視、チェックをその職務とする区議会議員として、職務怠慢といっていい。

43歳の分別のあるべき係長が、駅のエスカレーターで、女性のスカートの中に携帯カメラを突っ込み、下着を盗撮した事件を起こすなんて、区職員の士気が堕落しているからだ。それなのに、区議会議員として、この事件を問題視しないのは、いったいどういうことなんだ。
区議として、こんなエロ事件に関わりたくない、と思っているのなら、とんだ思い違いだよ。厳しく追及しなければ、ド助平野郎が思いあがるだけだ。

現在の企画総務委員会の構成はつぎの通り。
委員長・栗山よしじ(自民)、副委員長・富士見大郎(民主)、香野あかね(民主)、関けんいち(公明)、田島けんじ(自民)、雨宮正弘(無所属)、森美彦(共産)、二ノ宮敬吉、須藤甚一郎

★パソコン、ビデオなど押収!初犯なら100万以下の罰金刑も!

前置きがながくなった。
ぼくは、書類送検もまだであり、司法当局の捜査結果がでていないのに懲戒処分をしたことのは、なぜかと質問したら、伊藤総務部長は「決算特別委員会で、私は刑事処分の結果をみて処分するといった。が、任意捜査であり、時間がかかるので、行政処分を先に行ったのである。過去に犯罪歴のない場合は、このような事件は、100万円以下の罰金であるという」旨の答弁をした。

停職1か月の処分にした根拠について聞くと、人事課長が「分限懲戒委員会で処分を決めた。平成12年に人事院が処分の指針をつくり、その指針によれば減給又は停職に該当する。指針は、代表的な事例を挙げ、こういう場合には、こういう処分というように、なっている。規則では停職は1日から6か月の間できる。
被処分者の職員は、10月13日に処分し、停職は10月14日から11月13日までだ」などと答弁した。

さらに、これまで明らかにされていない新事実もぼくの質疑でハッキリした。
それを紹介しておく。
盗撮職員が、盗撮事件を起こしたのは9月10日。身柄を拘束されて神奈川県警中原署に連行され、容疑事実を認めて翌11日午前中に帰された。11日午後6時30分、盗撮職員が自宅で立ち会って、家宅捜査が行われた。パソコン2台、ビデオ、DVDが押収された。捜査の結果、盗撮した映像、画像をインターネットで流したりしていれば、神奈川県迷惑防止条例違反ではなくなり、刑法違反の刑事事件になる。

★県条例違反ではなく、刑法違反ならば失職も!

1週間の自宅謹慎、連休明けに出勤してきた盗撮職員に対し、区が事情聴取した。そのときは、まだ警察からの改めて呼び出しはなく、「今後、呼び出しを行う」といわれていると述べたという。
10月13日に懲戒処分をした。が、その2日後の10月15日に警察から呼び出しがあった。そして、「今後、検察官からの呼び出しがあるだろう」といわれたという。
伊藤総務部長は「刑法違反ならば、改めて処分を再検討する。また、場合によっては、地方公務員法違反で失職ということもあり得る」趣旨の答弁だった。

ぼくは、前号で書いたように、司法当局の結果がでていないのに、懲戒処分をしたのは、書類送検後に不起訴、起訴猶予を狙ってのことか、と質問したら「そういうことは一切ない」と否定した。そりゃそうだ。肯定できるわけないもんね。

★目黒区の職員は、こんなに給与をもらっているのだ!

26日の企画総務委員会には、「平成21年 特別区人事委員会勧告の概要」という興味深い報告もあった。特別区、つまり目黒区を含む東京都23区の人事委員会の勧告についてだ。
内容は、公民較差の解消や職員の年間給与が約18万3千円減ることなど。
公民比較は、月額給与は、民間従業員:427,768円、特別区職員:426,373円。差△1,605円。
特別給の年間支給月数
民間従業員:4,17月分、特別区職員:4,50月分。それを特別区職員:4、15月分にする。

区民が見て、「こりゃ羨(うらや)ましい!」と思うのは、つぎの数字だろう。
改定による平均年間給与
改定前:約711万7千円、改定後:約693万4千円。18万3千円減っても、まだ恵まれた額だよ。

★これがモデルケースの給与だ!

(モデルケース2)係長、40歳。
扶養手当:配偶者、子ども2人、住居手当:有
改定前:月額453,776円、改定後:451,996円。
年間給与:改定前・757万、改定後・738万円

(モデルケース3)課長、45歳。
扶養手当:配偶者、子ども2人、住居手当:有
改定前:月額637,636円、改定後:月額636、154円。
年間給与:改定前・1,062万円、改定後・1,036万円。

(モデルケース4)部長、50歳。
扶養手当:配偶者、子ども2人、住居手当:有
改定前:761,292円、改定後:759,823円。
年間給与:改定前・1,280万円、改定後・1,248万円。

★恵まれた給与なのに、管理職試験の受験率低下は、やる気なし!

現在の不況下、多少の減額があっても、恵まれた給与だ。ところが、人事委員会の「人事制度、勤務環境の整備等に関する報告(意見)」を見ると、「いったいどういうことなんだ」という気になる。
というのは、「人材育成」のところで、「管理職選考の申込率が長期低迷しているほか、係長・主任主事選考の受験率も低下傾向」とある。

これに関して質疑をしたら、人事課長が「5%以下の受験率で、目黒区の場合3~4%、各区とも同様の数字だ」と説明。その原因を聞くと「試験勉強の負担感。合格した場合の職責の重さ、子育てなどが意欲に結びつかない」旨の答弁をした。

試験勉強の負担感なんて、簡単にいえば、やる気がないからだ。もっと安い給与、悪い労働条件で、民間で働いている若い人や中年も、仕事の終わったあとに勉強して、国家試験や商工会議所認定などの各種試験に挑戦している人は少なくない。試験勉強の負担感なんていったら、笑われるだけだ。

恵まれた給与をもらっていて、合格したときの職責の重さに耐えられないなんて、贅沢をいうんじゃない。そんな連中だから、下着盗撮なんてバカなことをやるのだ。下着盗撮事件を起こしても、停職1か月でいいのだから、ますますおかしなことになるっての。

★梅原議員が住民監査請求、政調費でデートも!

目黒区議会の梅原たつろう議員が、先週の10月23日(金)、政務調査費に関し住民監査請求を提起した。
その監査請求の内容について、産経新聞のインターネット版はつぎの記事を掲載したので、紹介する。

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“デート代”も政務調査費で 目黒オンブズマンが住民監査請求
2009.10.23 20:06 

東京都目黒区の区議12人と議会内1会派が平成19年度の政務調査費計約418万円を違法、不当に支出したとして、同区議で目黒区オンブズマンの梅原辰郎さんが23日、返還を求める住民監査請求を区監査委員に行った。

同区条例では、政務調査費は議員の資質向上のための調査研究費の一部として区議1人あたり年168万円まで交付が認められている。
政務調査費の中にはパソコン代約18万2千円やカラーレーザー複合機13万千円、デジカメ代5万4800円の購入、携帯電話代約4万2千円などがあり、梅原さんは「個人が所有、使用するもので、違法・不当な支出」と指摘。人件費30万円を計上した区議について「経営する会社の社員に支払った」とした。

個人で最も高額な不当支出を指摘されたのは当選1回目の男性区議で、計約93万円。梅原さんは「ガソリン代が(短期間に)7千円台、8千円台など高額で、狭い目黒区内で不可能な走行距離」とし、高速代700円が複数あるのは「実家の往復料金」と指摘した。

また、江戸博物館の駐車場代900円、高速代700円が計上されており、「女性と2人で観光した。江戸博で撮影された2人の写真や知人の証言がある」としている。
梅原さんは「17年度政務調査費の住民監査請求では公明党区議6人が辞職し、多くの議員や会派が政務調査費を返還して全国に波及した。今回も女性同伴に政務調査費を使うなど、想像を絶するようなことをやっている議員がいた。悪質なものは刑事告発し、監査請求が却下された場合、住民訴訟で違法・不当な支出を明らかにしたい」と話している。
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梅原議員は、住民監査請求で決着がつかなければ、住民訴訟を提起する、また悪質なケースについては、刑事告発も考えていると記者会見で話していた。監査委員は、監査請求を受理したら、60日以内に監査を実施して結論をだせねばならない。
さあ、監査委員はどういう監査結果をだすのか。
(10月28日午後5:15更新)

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