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-日本ファッション協会・情報センタースタッフブログ-

流行を思い起こす・・・・・2

2007-08-16 14:47:37 | Weblog
前回、昭和33年に上京して記憶に残っていることについて一つ触れたが、もう一つ驚いたことがある。

それは、映画に関することである。
映画は、“時代を映す鏡”などとも言われるが、この映画について少し触れてみたい。

当時、長野の田舎では、義務教育期間-すなわち小学1年から中学3年まで-映画館への入場が禁止されていた。しかし、映画好きの母や姉の影響もあり、小生は子供のときから映画が好きで、よく一人で映画を見に行った。おかげで、その状況をクラスの友達に見られ、担任の先生に言いつけられ、先生から結構注意を受けた。といっても、いわゆる不良ではなかった(田舎では不良と呼ばれるような子供もいなかったが)。

現在ではその町には映画館が1館もないが、当時は3館もあり、東京に比べれば数ヵ月遅れの作品ではあっただろうが(ものによっては1年以上かも)、東映の時代劇など中心によく見た。また、家には母や姉が買ってきた、俳優などの情報が満載された「平凡」や「明星」があったため、それを見るのがこれまた好きだったこともあり、主だった映画俳優(一部歌手)の名前もほとんど覚えた。

さて、東京ではナンと映画館への入場禁止などなく、とにかく驚き!
人の目を気にすることなく堂々と映画を見ることができることに喜び!
また、田舎ではほとんど見たことがなかった外国映画が新鮮!

こんな経過の中、昭和30年代後半の中・高校時代に見た映画で記憶に残っているものが洋画を中心に数多くある。何せ年間100本以上見ていたから・・・・・

とにかく強烈な衝撃を受けたのは、「ウエスト・サイド物語」。あの踊りのシーンには圧倒され、さすがアメリカ映画!そして、ミュージカル映画の先鞭をつけた作品。また、全篇(台詞全部)歌!で綴られた「シェルブールの雨傘」は、そのストーリーに思わず涙。小生は、その元型(?)だと思っているナタリー・ウッドとウォーレン・ビューティー主演の「草原の輝き」(タイトルはワーズワースの詩から)が実は最も好きな作品。

最近では少なくなったが、主題歌が大ヒットした作品(作品がヒットしたから主題歌も)にも、イタリア映画を中心に印象が深い。「鉄道員」を皮切りに、「ブーベの恋人」、「禁じられた恋の島」、「太陽はひとりぼっち」、「誘惑されて棄てられて」、残酷なる言葉のはしりとなった「世界残酷物語」(主題歌「モア」の歌詞は映画の内容とは別)。ギリシャ映画の「日曜はダメよ」や「夜霧のしのび逢い」、フランス映画の「わんぱく戦争」(通称「チンポコマーチ」)などなど。

欧米スターが勢ぞろいの大作(なぜか戦争映画が多い)である、連合国のノルマンディ上陸を描いた「史上最大の作戦」や、好きな俳優の一人だったアンソニー・パーキンスがわずか15秒ほど(?)だが出演していた「パリは燃えているか?」(ヒットラーの言葉から)、「素晴らしきヒコーキ野郎」(日本からも石原裕次郎が出演)なども。

掛け値なしで面白かった作品として「太陽がいっぱい」はもちろん、「大脱走」、「トプカピ」、ショーン・コネリーがジェムズ・ボンド役だった頃の「007」シリーズ、「地下室のメロディ」、「ミクロの決死圏」。ストーリーも衣装も会話も演じる役者も全てお洒落だった「シャレード」と「アラベスク」・・・・・

そして、衝撃の結末、不条理な世界、人間の奥底に潜む当人にも不明な心などを描いた「シベールの日曜日」、「コレクター」、「水の中のナイフ」、「長距離ランナーの孤独」、「反撥」など。

いろいろ上げるとキリがないし、わずか6~7年間のしかも一部でこれだけある。また、日本映画にはまったく触れられなかったので、この続きは次回にまわしたい。
(つづく)

(追伸)
先日、試写会で見た映画「河童のクウと夏休み」(現在ロードショー公開中)を、特に小学校の高学年から中学生くらいのお子さんをお持ちの父母の方に、是非一緒に見てくださいとお勧めします。アニメで2時間20分の作品です。同作品のパンフレットにも記されていますが、「不思議な力を秘めた河童のクウと小学生の康一との出会いから始まる物語は、友情、家族、思いやり、人とのつながりといった、人として大切なことを思い出させてくれます」→このキャッチフレーズに本当にうそはないと小生は感じました。そして思わずホロリとさせられました。たかが(!?)アニメと思わないで、とにかくご覧になってください。

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