僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない

　
『 僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない 』

鉄子ものです。

自分も鉄道好きではありますが、その昔は『 鉄キチ 』と呼ばれたジャンルも差別用語が含まれるということもあり、いつもまにか『 テツ（鉄）』と呼ばれることが一般的になり、マンガ『 鉄子の旅 』以降は女性のテツである『 鉄子 』もメジャーになりましたね。

しかしまぁ、実際に車両の形式や歴史をかたるような女性に会ったことがないんで、俺の中では想像上の人種である訳ですが。

そんな鉄子全開の作品で、鉄道版ハルヒとも言いますか、元気な鉄子少女が鉄道うんちくを語りつくす作品です。

俺にとってはかなり面白い作品でした。
しかも今回は長野の鉄道旅ということで、数年前にまさに俺が旅したルートとほとんど同じで読んでいて景色が思い浮かぶものでしたから。

しかしね、いくら鉄道好きでも今回のように地域色が濃い作品になってしまうと実際に見たことのない読者にどれだけ入り込んで読みこめるのかなっ て。

まぁ、読み進めてみると確かに長野ってのは面白いほど鉄道にかかる地域や車両があって、これを読んでから長野に鉄道旅に行く人も出るかもしれない ですけどね。

おそらく続巻は出るでしょうね。
ただ、主人公が高校生ですから、そうそう長距離の旅に出るわけにもいかないでしょうし、どんな旅プランをストーリーにできるのかは楽しみではあります。

鉄道好きは読んでおいて間違いないかもしれないですけど、あくまでライトなテツユーザ向けであって、そこそこの人には当たり前すぎて面白みは薄い かもしれません。
『 鉄道むすめ 』が好きだってライトユーザーにはお勧めです。