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PRIMO信号処理研究所 / Synchro PRIMO Lab.

周波数測定、位相差測定に関する新しい数理。
Please contact to snishie@mac.com.

発表しました

2016-03-29 21:30:24 | 論文

電子情報通信学会 応用音響研究会にて発表しました。

http://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgs_regid=94eb311777b7f07d970db6e853f87f9a1684dd88024b7b0bc65dffce8d20a751&tgid=IEICE-EA&lang= 


「遅延器を用いた瞬時周波数測定と擬似直交変換による瞬時振幅および位相角測定手法の提案」

http://www.ieice.org/ken/paper/20160329lbHO/

 

[ポスター]

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/12/f3cdc78db97b7a1207de4019fc9d2af3.jpg

 


AD変換器の限界 その3

2016-03-23 10:56:50 | 信号処理

AD変換器の2つの入力を使って位相差を測りたい

さて校正をどうするか。

 AD変換器の2つの入力に信号を加え、2CH間の位相差を測定したのですが、「ゼロアジャスト」に難儀します。つまり、理想的な「ゼロ位相差」信号を加えたとしても、AD変換器内部のアナログ回路でCH間の微妙な機差のため、測定結果の位相差がゼロになりません。比較的状態のよいAD変換器で20~100μrad程度のCH間誤差がありました。

また「2つのCHに『ゼロ位相差』信号を加える」にも注意が必要です。

光の速度(電流の速度も)は秒速30万km. 仮に3kHzの信号で考えると、波長λは100km. もし1mのケーブル長の差があると位相差=62.8 μradとなります。我々の装置では十分に計測できる大きさで無視できません。

 よく考えてみると、「ゼロ位相差 信号源」というのはやっかいで、信号源と測定器の場所が影響してきます。つまり信号発生器から被試験機器の入力端子までの距離やケーブルの特性もあわせておかないといけません。実際のところケーブルの引き回しを変えると測定値がぶれてしまいます。

 位相差測定も、精密になってくると「光速の限界」に縛られるので、簡単ではないのです。

 将来的なチャレンジとして24 bit ADC + Sampling 192 kHz で "ナノ rad"(10億分1)を攻めてみたいと思っています。ここまでくると、もしテスト機材を自動車で移動させると、理論上は「特殊相対性理論による位相おくれ」が出現してくるはずです・・・ 

 

 


iPhone の信号発生器としての実力

2016-03-20 02:47:42 | 信号処理

iPhoneに信号発生器アプリをダウンロード。信号発生器としての実力を調べてみました。

アプリ: https://itunes.apple.com/jp/app/biao-zhun-xin-hao-fa-sheng/id409241018?mt=8

今回のポイントは、1) 周波数精度, 2) 周波数安定度 です。

(結果)

・ 周波数誤差は 1ppm以内に収まっています。やや周波数ドリフトもあるが、これも1ppm以内。短期変動も申し分なし。

・ 振幅は極めて安定しており、手持ちのFuncton Generator より素晴らしい。

 特性をみると基準クロックはTCXOクラスの水晶のようです。オーディオ回路は丁寧に作られているようで振幅特性も申し分なし。今回の実験で、周波数・位相差測定器用ハードウェアとしてその能力を見直しました。


発表しました 「ピカチュウ描画」

2016-03-18 01:58:20 | 論文

■ 音響学会 春期研究発表会 2016.3.9 横浜 で発表しました。

直角振幅位相変調した音響信号を実時間復調して行うピカチュウ描画 」

 当研究所で提供する方法を直交振幅位相変調(QAM)の復調器として利用するアプリケーションです。"ピカチュウ曲線"なる関数によって生成される曲線(=ピカチュウ曲線)を音響信号のうえに振幅位相変調し、復調出力をつかって図形を描画します。

 

講演要旨 http://www.asj.gr.jp/annualmeeting/pdf/2016spring_onkyo_web_01.pdf

講演番号 1-7-10

 

追伸 デモ画像を YouTube にアップしました。

"ピカチュウ 信号" で検索ください!

 


瞬時周波数を計算する2つの公式

2016-03-11 13:41:40 | 信号処理

瞬時周波数を求める方法(その2)を紹介します。

5サンプルの離散波形による瞬時周波数計算 の変形です。

”2倍角法”と命名しました。

1) 周波数を計算したい波形から、4サンプルをとりだします。 
 1周期がちょうど100サンプルとなる波形を用意しておいて、
 任意の位置から4サンプルとりだしてみましょう。

 もし、サンプリング周波数が 44100 Hzとするとこの波形の実周波数は441Hzになります。


 時系列波形は;
 x[n] = sin ( 2* PI * 441 * (n/44100) ) と計算できます。
 位相差項をいれても構いません。

2) とりだしたサンプルルを、順番に x1, x2, x3, x4, x5 とします。

3) 以下のような Ls1 と Ls2を計算します。

Ls1 = x3*x3 - x2*x4 
Ls2 = x2*x3 - x1*x4

単純な一種の「たすき掛け演算」です。

4) つぎに、Ls1, Ls2 から、 r = Ls2 / Ls1 のように
  比をとります。「リサージュ外積比」と呼んでいます。

5)以上のように求めた r から次の計算で周波数(瞬時周波数)が
  計算できます。

  f = (fs / 2 PI) * arccos( 0.5 * r)

fs はサンプリング周波数です。 ”2倍角法”を命名しました。


 

x5 までの5点をつかう方法も可能です。    ”3倍角法”と命名しました。

リサージュ外積:Ls1, Ls3を以下のように計算し、

Ls1 = x3*x3 - x2*x4 
Ls2 = x2*x4 - x1*x5

 f = (fs / 2 PI) * arcsin( 0.5 * sqrt(3-Ls3/Ls1))

となります。


 リサージュ外積:Ls1,Ls2,Ls3は限られたサンプルから定義にしたがった計算で機械的に求めることができます。あとは2つのリサージュ外積の比をとって、上記の逆三角関数に代入するだけです。

リサージュ外積 Ls_n を任意によった時どうなるかですが、 リサージュ外積 Ls_n, Ls_m  (n>m. m≧0)を与えたとき、

Ls_n / Ls_m = sin((2n-1)Ω) / sin((2m-1)Ω)  

となることが分かっています。この方程式を解いて目的の周波数Ωを計算するわけです。倍角の公式を使って変形することで、説明した公式が得られます。2倍角法の例では n=2 , m=1 とする例です。 

さらに解法の一般化を試みると、

リサージュ外積比は x=sinΩ または x=cosΩとしたときの、チェビシェフ級数 Tn(x), 第二種チェビシェフ級数 Un(x) で表現できそうです。

 現在のところ、「2倍角法」「3倍角法」のみわかっています。もっと高次なものでのやりかたはよくわかっていません。