PRIMO信号処理研究所 / Synchro PRIMO Lab.

周波数測定、位相差測定に関する新しい数理。
Please contact to snishie@mac.com.

サンプリング周波数 44.1 kHz の謎

2016-04-05 20:01:56 | 信号処理

 瞬時周波数が理論的に分かる一種の校正用の信号を考えていて一つ発見したことがあります。

 オーディオ用のサンプリング周波数, 44.1 kHz は素因数分解すると、( 2 × 3 × 5 × 7 )^2 となっています。大学院時代に「くし形フィルタ」を扱っており、ノッチ周波数の設定のために適当な遅延段数を設定していたのですが、なにげに割り切れる数が多いので不思議に思っていました。まじめに素因数分解してみると、こんな結果。

 元々は、CDが登場した時の時代背景があり、TVの水平偏向周波数 =15.7 kHz が関与しているのは知っていましたが、こんな形の素数の積になっていたのは驚きです。ネットで検索するとすでに周知の事実でした。

 現在考えているものは、周波数比が、「互いに素」となる周波数成分を混合すると、非常に長い周期の、しかも瞬時周波数が理論値で計算することのできる信号が作成可能なこと。 44.1 kHz のサンプリング周波数において、2Hz, 3Hz, 5Hz, 7Hz の正弦波を混合すると、1秒おきに一定のパターンで繰り返される瞬時周波数の挙動が得られるはずです。またサンプリング周波数となんらかの整数分の1の比となる挙動かもしれません。ただ・・・どのような振幅比でミックスすればよいかは分かりません。

 このような「校正用」の信号定義ができれば、いわゆる「F0推定」の正しさの議論は大きく進歩すると考えています。「F0"推定"であり"測定"はできない、なぜなら真の値が不明だから」といわれ続けていますが、理論値のあきらかな標準信号は定義できれば方法も変わってくるでしょう。

 参考;時間-周波数解析, L.Cohen, 吉川昭訳, 朝倉書店.

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿