酒田港中国人強制連行・強制労働第18回殉難者慰霊祭が10月23日、酒田市海晏寺で、県内各地から60人が参加ししめやかに開かれました。
中国からの留学生も参加
アジア・太平洋戦争末期の1945年までに旧日本軍によって338人が酒田港に強制連行され、極寒の港湾で石炭の荷揚げなど重労働に使役されるなかで31人が命を落としました。
慰霊祭は、酒田港中国人強制連行を考える会と日中友好協会酒田支部が主催。中国から留学している山大生や、元中国残留孤児と家族でつくる「帰国者の会」から9人が参加しました。
「考える会」の丸谷紀一代表委員の開会あいさつに続き、広瀬智一住職の読経が流れる中、参加者全員が焼香しました。
中国駐新潟総領事館の蒋春雷領事は、「20数年にわたる『考える会』と酒田の皆さんの支援活動に崇高な敬意を表し、慰霊祭は歴史を反省し、平和に思いをはせること、中日両国の子々孫々にわたる友好のためにともに努力しましょう」と述べました。
日中友好協会酒田支部長の齋藤陽子さんは、「自衛隊がいま、武器を持って海外に出動しようという状況下で三菱マテリアルが和解解決に応じ、酒田では私たちが和解を実現するために努力しています。二度と過去の過ちを起こさない」と誓いの言葉を述べました。
山形市から参加した遠藤和子さんは、「(中国の)皆さんを死に追いやった戦争ほど罪深いものはありません。戦争放棄を誓った人類の宝の憲法を守り、戦争責任を認めない安倍内閣を一日も早く退陣に追い込むことが何よりの供養かと思います」と語りました。
慰霊祭には、丸山至酒田市長、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員らからメッセージが寄せられ、紹介されました。
閉会後、内陸地方からチャーターしたバスで参加した人たちは酒田港事件の収容所があった現場などを巡り帰路につきました。
留学生から、「中国人強制連行事件は、日本人も知らないし、中国人もあまり知らない。友好と平和のために尽力したい」「今日は大事な歴史を教わった。心に刻み行動したい」など感想が語られました。