クロード・ルルーシュの映画で有名なドヴィル。
Un homme et une femme
(男と女)
ずっと小さい頃に祖父につれられてほとんどフランス語も喋れないまま訪れた。
フランス人の友人も多く社交的で洗練された祖父はここでも歓迎されていた。私はその孫ということで親切にされた。
温かくも閉鎖的な社交界で私は居場所を確保した。
ノルマンディーは一日の中に四季がある英国やアイルランドに似て、冷たい雨の間に気まぐれに青空が現れる。
今日一日を精一杯たのしめばよい長く続いた幸せな日々の後に災害があって、その影響が私の日常にも大きく影を落とすようになった。日本は長い経済後退の中にいた。
ドヴィル再訪はずっと後まで待たなければならなかった。
あれから20年くらい経っているのに私は何を期待していたのだろう。ノルマンディーバリエールは私を初めての客のように扱った。
閉ざされた社交の扉。
低く立ち込める雲の下、わずか2泊しただけで、私は逃げるようにパリへ戻った。
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