栃木県のMINI(ミニ クーパー)専門店 ガレーヂ ジャム デザイン ブログ 「整備記録簿」

since2004 MINI&旧車専門店です。整備や商品案内、日常の事を書いています。

ミニは、良く壊れる?

2015年06月19日 | 整備記録簿

良く降りますね~。

栃木県もここ数日、梅雨らしいお天気です。肌寒い。

さて、久しぶりに整備ネタです。

 

よく「ミニは壊れる」と言われていますよね?

 

私の感覚だと、壊れるというか消耗品が多いと感じます。

 

基本設計が1950年代なので、その辺は許してあげて下さい。

 

今回、入庫したミニは1991~1992年にさらっと生産さた最後のキャブ。

 

1.3クーパー、いわゆる「キャブ クーパー」と呼ばれる生産台数の少ないミニです。

某老舗ミニ専門店で販売されていた車両です。オーナー様のM様とはミニ1000からのお付き合い。ミニ1000の車検をきっかけにキャブクーパーに乗り換えたいとの相談を頂きました。

M様がネットで、今回のミニを発見してコンディションを確認してボデーは良いし、ノーマルなので購入したいとの事。

某老舗ミニショップの整備に不安を抱いていたので、買って問題があったら修理を依頼したいと。

そして、待ちに待った納車。

その帰り道、私の所にメールが。

1.クラッチが切れない

2.ブレーキの効きがイマイチ

早速、点検のご依頼を頂きました。

少しお待ちいただき、代車を用意して入庫。

早速点検です。

クラッチ、確かに切れません。床まで力いっぱい踏んで何とかギアーが入る感じ。疲れますね。

全ての可動部分が、摩耗してガタが大きくなっていました。ガタが大きいので、適切なストローク量が確保できていません。

クラッチマスターシリンダーは新車から外した形跡がなく、ばらしてみたらプッシュロッドのクレビスピンが入る穴が楕円に摩耗しておりました。普通は交換だとおもいますが、クラッチマスターシリンダー 自体はオーバーホールすれば問題なく使用できるレベルなのでプッシュロッドの楕円に摩耗した穴は溶接して肉をもって削れば、まだ活躍してくれます。

レリーズレバーもプッシュロッドも、各クレビスピンも摩耗しきっていたので交換です。レリーズシリンダーは、かなり昔にオーバーホールされた形跡なので予防修理でオーバーホールさせて頂きます。ここが漏れるとクラッチが切れなくなるので走行できなくなるからです。エアコン&ブレーキサーボ付きのミニはレリーズシリンダーにアクセスすること自体が大変なのでバラす機会がある時はついでにオーバーホールするべきだと思います。

次に、ブレーキです。

ブレーキマスターシリンダーを点検したところ、ブレーキフルードが漏れてました(汗)

よってオーバーホールです。

写真は左から、クラッチマスターシリンダー、ブレーキマスターシリンダー、クラッチレリーズシリンダーをバラした所です。

外は、錆びてますが中は綺麗です。

この時代の、ミニの部品の素材は良いものを使っていたのでなるべく直して再利用します。

車検を取得しての納車だったので、まさかブレーキは大丈夫だと思ってました。

リアブレーキなんて、絶対に点検するから問題ないと思ったんですがこの様な状態なので点検させて頂く事に。

リアブレーキのホイールシリンダーからブレーキフルード漏れてました。

さらに、ビックリしたのは。

左右でメーカが違う、ブレーキライニング!

左がロッキード社、右がデルファイ社。のちにロッキード社はデルファイ社に吸収されるけど同じものではないというか、時代が全然違います!

ロッキード社のこのロゴ!リベットで止めていた時代のなごりのプレート。

懐かし過ぎます。

年代、走行距離から考えるとこのミニに装着されてたものではなく、片方だけホイールシリンダーからブレーキフルードもれが生じてライニングにブレーキフルードが付着してブレーキライニングがダメになり、コスト削減で年代物の中古のブレーキライニングを使ってしまったと推測します。

少なくても、1980年代前半に使用されていたブレーキライニングだと思います。

車検の時の検査では、低速での検査だから制動力に左右差が出ないかもしれないけど実際の走行速度、高速道路、山道、4人乗車などの状況になって制動力に左右差が生まれいないのか謎です。

フロントなら、ブレーキ踏んで制動力に左右差があればハンドルが取られるので誰でも異常が解ります。しかしリアは、まず解りません。わかる時は、スピンしているかもしれません。

当店は、リアのホイールシリンダーからブレーキフルード漏れが発生した場合は必ず左右セットで交換します。時間差で反対側も必ずブレーキフルード漏れが始まるからです。毎月、ブレーキばらして点検できるなら片方だけでも良いとは思いますが、そんな人はまず居ないと思いますので、必ず左右セットです。

新品のホイールシリンダーも必ずバラシて点検した後に耐熱のシリコングリスを塗布して組み直してから使用します。

ブレーキに、やり過ぎは無いと思いますので。

これらの、修理をしていたら工場の床に緑色の液体が・・・・。

ラジエターのクーラントです。

点検したら、ラジエターアッパーホースからの漏れでした。お金が掛からない場所で良かったです。

さらに・・・・。

良く見れば、エンジンアースが正規の場所はエンジンブロック~ボデー間で繋いであるんですが

エンジンブロック~ブレーキサーボ間で繋がれていました(汗)

なぜ?こんな事をするのかは理解に苦しみます。解りません。

セルモーターを回している時が、バッテリーの電流が一番多く流れます。(その時の為に、どの車も太いアース線を使用しています。)

その時になぜ?大電流をブレーキサーボに流すんでしょうか?

単純にセルを回す度に、ブレーキが危険に曝されていると思うんですが・・・。

エンジンアースと一緒の場所にある、ミニの要のブッシュ「ステディーブッシュ」もすでに寿命は過ぎている状態だったので交換させて頂きました。

全部ではないですが、これらの部品を交換しました。

 

他にも、故障個所ありますが予算に応じてコツコツ治して行きましょう。

 

最初に、戻ります。

ミニは壊れるんじゃなくて、壊れた状態で売っているんです。

 

ブレーキだけは、ちゃんと整備して欲しかったと思います。

それ以外は、価格も安かったしオーナーのM様も最初から「まともなミニ」は期待したおらず、「程度の良いベース車」という認識で購入したので販売店と揉めるような事も無いです。

仮に、当店の修理明細をもって販売店に苦情を訴えいるお客様なら私はこの仕事は受けておりません。

販売に特化したお店、整備に特化したお店。

それぞれに、やり方。個性があるからです。すべて正論をのべたら、おそらくミニは消えてなくなると思うので。

私は、あくまでも治す側の人間でいたいだけです。

このままでは、危険と判断する故障を見てしまった以上プロフェッショナルとしてお客様に説明し修理させて頂きます。無視はできません。

一般的に考えれば、車検に合格していれば2年間安全に乗れると思われると思います。

残念ながら国で定められた車検とは、そこまで検査はしておりません。

車検を受けている、その時だけ正常であれば良いのです。ブレーキパットが残り1mmで1か月も持てばいい程度でも車検は合格します。

私はオーナー様の年間走行距離、走る場所、使い方から2年持たないと判断すれば交換させて頂きます。

趣味の車で、年間走行処理が僅かなオーナー様であれば残り少なくて交換しないです。(1mmなら絶対に交換しますけどね。)

今回のミニも車検取り立てですが、この状態でも車検を通すだけは可能だと思います。

そして、ミニを乗った事ない方なら「こんなものだろう」と乗っていたと思います。

いよいよ、おかしいと思った時は保証期間は終わってますよね。それより、事故にならなくて良かったです。

全てのミニの専門店はこういう訳ではなく、もちろんきっちり整備してお客様にお渡ししていると信じています。

しかし、少しでも不安がある場合は取りえずドライブがてら相談にいらして下さい。

一人で切り盛りしている小さなお店ですので、不在の場合がございます。来店の際は電話またはメールにて問い合わせ頂けると幸いです。

 

★★★当店は、販売ではなく整備&修理、車検、カスタム&ドレスアップ、チューニング、板金レストアなど技術に特化したお店でございますので、個人売買、他店購入車、大歓迎でございます。実際の常連様の多くは他店で購入されたお客様ですのでお気軽にご来店して下さい。

ちなみに川と雪山と犬をこよなく愛する方も大歓迎でございます。

問い合わせ先

 

ガレーヂ ジャム デザイン

栃木県日光市轟1386-4

TEL/FAX 0288-21-8776 

携帯 090-2751-6970(こっちが一番確実です。)

e-mail jamdesign10106@gmail.com

 

 

 

 

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ノックスドール施工(ハイエース編)

2014年12月11日 | 整備記録簿

いや~寒くなりましたね。

まだ、雪が降るほどじゃないけどいつ降っても不思議ではない感じですね。

今月から、3月末までは道路に融雪剤が撒かれます。

融雪剤は、ざっくり言うと塩なので当然の事ながら車の下周りは塩だらけになります。

海の近くの車は錆びる理論と同じで、塩にさらされた金属は凄ーく錆ます。

降雪地帯、栃木県なら北部。スキー&スノーボードをされる方の車の下周りって凄い錆びているのがザラです。

車って、オイル交換などの定期的なメンテナンスをしっかりして、ボデーが腐らなければ20年30万キロも普通に走りますよ。

5年で新車に乗り換える人は、スルーして下さい(笑)

旧車のオーナー、気にいった車を大切にとことん乗りたい方。

経済的に、なかなか買い替え出来ない方(自分もそうです!)

中古車を買って、下周りをみて錆だらけで唖然とした方。

そんな方に、興味を持ってもらえると嬉しいです。

私自身、冬になると毎週 雪山に通うスノーボーダーです。

5年も乗ると、錆で偉い事になります。買うのが中古車だからなのかも知れませんがとにかく錆ます。

酷い車は、バネの付け根のパネルが腐って修復不能になって廃車になります。

そうならない為に、毎年毎年いろいろな方法を考えてはトライしてきました。誰でも低コストで最大の効果を期待すると思います。

そして結局、行き着いたのがボルボで純正採用されているノックスドールというメーカーの防錆剤たちです。

このノックスドールは、一般的な塗料の様に固まる事はありません。何年たっても触ると手に塗料が付きます。

それが嫌で避けてました。

だって、整備するの大変だもの。

しかし、防錆効果の高い他社さんの塗料は固い膜を作ってしまいます。いったんは綺麗になって2年くらいは錆を押さえられます。

しかし、再度錆びた時に補修が出来ません。やろうと思えば出来ますが凄い手間です。

車が錆びるのは、袋状になって塗装出来ない所や、パネルの継ぎ目。

つまり、塗装出来ない水はけの悪い所が錆びてきます。

そいう塗装出来ない所でも融雪剤と水が混ざった「塩水」は真水より高い浸透圧なので軽々と入りこみます。真水より浸透圧が高いので、塩水で汚れた下周り(袋状の部分、パネルのつなぎ目)を真水で洗う事は化学的に不可能な訳です。

いろいろ調べて実験しました。他社さんからもノックスドール的な塗料は存在します。ただし、袋状やパネルの隙間しか施工出来ない物。

浸透圧が、問題外で結局パネルの継ぎ目に浸透していないんです。

だいたい、すでに発生した錆の上に施工できる防錆塗料ってあまりないです。あるにはありますが、固い膜を作ってしまいます。

ノックスドールは、乾かないのが最大のメリットでノックスドールを施工した部分で錆びが発生しても新たにしみ込んでくれる感じなんです。

スクレーパーで簡単に剥がれるので、錆が発生したらスクレーパーでそぎ取って新たに施工すれば良いんです。凄く簡単です。

再補修性が抜群なんです。

ノックスドールは様々なタイプの製品が開発されており、目的&部位別。そしてそれぞれのお車の状況に応じてベストな製品を選択出来ます。他社は1種類が殆どで、アンダーコートは出来ません。

ノックスドールの場合、袋状、すでに錆が発生している所、パネルの継ぎ目などに浸透圧が抜群に良い物を施工してその上に比較的粘度の高いアンダーコート用のノックスドールを施工します。

柔らかいから、飛び石でも割れる事はありません。密着性も良いです。

前置きが、長くなりました。(ぜんぜん足りませんが)

具体的に作業を説明したいと思います。

施工例のハイエースは、栃木県北部に通勤される新車から2年経過したお車です。お住まいは雪はほとんど降りません。雪山にも行きません。

まず、リフトアップしてアンダーカバーを取り外します。

当店が、こだわってオーダーして作ってもらっている洗剤を使用して熱湯の高圧洗浄機でガッツリ汚れを洗い流します。

これで、1日目終了。

乾燥させます。

下周りのチェックです。2年しか乗っていないのに。。。それ程激しい融雪剤も浴びてないのに。。。

パネルの継ぎ目から錆びてますね。

最近の国産車は、錆びにくい鉄板を使用しているとの事で防錆処理は適当です。車の価格に関係なく。

錆びにくいと言っている割にはバッチリ錆びてます。

足回りのパーツ(黒い部分)なんて適当な処理なんで、酷い場合には故障の際に分解するのが困難な程錆ます。

毎週雪山に登るお車は、折れる時もあります。ブレーキのパイプが折れた事もあります!

 

ショックのアッパーブラケットのスポット溶接部分もバッチリ錆出してます。この部分に防錆処理してないなんて怖いです。

チェックを終えたら

マフラー、回転部分、ブレーキは施工できないし塗料が飛び散ると危険なのでマスキング(養生)します。

ボデーにノックスドールのミストが付かない様に

こんな感じで、車の下に簡易ブースを作ります。

当然ですが、施工する人間は最悪です(笑)

冗談ではなく、除染する格好をして施工してます。

施工中は、凄い事になっているので撮影不可なので何が起こっているかご不明だと思うので文章で・・・

まず、袋状の内部、ボデーの継ぎ目、錆の発生している所、各ドアの内部にノックスドール700を施工。浸透圧業界でダントツに高いです。

少しくらい、水分が残っていても高い浸透圧の為に水置換性が抜群なので残った水分を押しどけて密着してくれます。これは凄いメリットです。

ノックスドール700施工後に黒いアンダーコートノックスドール300を全体に施工します。

リフトポイントは、リフトから下ろした後に施工します。死角なしです。

フェンダー内はさらに、遮音性を高めて欲しいとのオーナー様からの要望でノックスドールオートプラストーンという「ごはんですよ」より3倍くらい粘度のある塗料を刷毛で施工します。大体8mmくらいの塗膜を目指して施工します。

ざらざらと艶が無い部分が、施工部分です。

ハイエースですとフェンダーが広いので1カ所に付き1缶(1L)を使用します。

とにかく固いので、4か所やると握力が・・・・。

これで、2日目終了です。

メーカーは24時間、動かさないで下さい。と言っていますが当店は念のために48時間動かしません。

アンダーカバーを取り付け。48時間養生して。

ココで、終わりではないんです。

どんなに、丁寧にマスキングしてもノックスドールの細かいミストがボデーに付着します。

時間の経過と共にミストが落ちなくなるので48時間養生後に、ボデーのワックスを落とさない洗剤を使用して丁寧に洗車してやっと完了です。

ノックスドール社のHPで数時間で終わるとか、普通乗用車ならこのくらいの量で施工出来ますと言っていますが真面目に施工するなら最短で4日間必要です。

量は、2倍は使いますね。

実際に、作業を行ってみれば解ると思いますが「出来れば2度とやりたくない作業」の部類に入ります。とにかく、周りが汚れます(笑)自分も辛いです(笑)

ですが、錆だらけになった下周りを見るたびに・・・・

まだまだ元気なのに、ボデーが錆びて廃車になる車。

心が、痛みます。

私の場合、自家用車で22年落ちのキャンピングカーを所有しているんですがビルダーが製作した部分の錆が半端なくて・・・。とても雪山に乗っていける状態ではなかったんです。元々のフレームも足回りも、凄い錆でした。20年落ちでも走行25,000kmしか走っていない良い車をゲット出来たと思ったんですが・・・。というか、錆が酷いで有名な車種だったのでマシな方ではあったんです。

ちなみに、いすゞベースのキャンピングカーは凄く錆ます。しかし、車の完成度は高いんです。錆の問題をクリヤーすれば最高です。

私の錆だらけだったキャンピングカーは浮錆を可能限り取り除き、ノックスドール施工後にカミさんの実家の秋田へ冬の東北道~秋田道と車の色が変わるほどの融雪剤たっぷりの中を往復1500km走行。

毎週の様に、雪山を登りました。

この前、チェックしたんですが錆は再発していませんしノックスドールの膜はしっかりとしていてロウソクのロウの様な感じの固さに変化していました。素晴らしいです。

 

ミニも、北部や雪山に行かれる方、冬季に高速道路を利用される方は激しく錆ます。

そういった所で使用されなくても、ドアの下部は酷く錆ます。フロント周りも凄く錆ます。

しかし、ミニの場合はフェンダー内やアンダーフロアを今回のハイエースの様に黒く施工すると格好が悪いです。

でも、安心して下さい。

ノックスドール700と300に、透明バージョンも発売されました。

ミニの雰囲気を壊すことなく最高の防錆処理を行う事が可能になりました。

ちなみに、80~90年代初期までのミニはノックスドールの様な施工がされていたので錆に強い時代もありました。

ミニに限らず、さまざまな車に施工出来ますので愛車を大切に末長く乗りたいオーナーさまは一度、来店されてはいかがでしょうか?

 

一人で切り盛りしている小さなお店ですので、不在の場合がございます。来店の際は電話またはメールにて問い合わせ頂けると幸いです。

最近、名前も名乗らないで直接電話でのテクニカルな質問を多数頂いております。内容からして、同業者かと思います。くれぐれもマナーはお守り下さい。

  

★★★当店は、販売ではなく整備&修理、車検、カスタム&ドレスアップ、チューニング、板金レストアなど技術に特化したお店でございますので、個人売買、他店購入車、大歓迎でございます。実際の常連様の多くは他店で購入されたお客様ですのでお気軽にご来店して下さい。

ちなみに川と雪山と犬をこよなく愛する方も大歓迎でございます。

問い合わせ先

 

ガレーヂ ジャム デザイン

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TEL/FAX 0288-21-8776 

携帯 090-2751-6970(こっちが一番確実です。)

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TYPE 2

2014年11月01日 | 整備記録簿

気がつけば、お陰さまで大忙しですっかりブログの方は手抜き状態。。。。

定休日のお知らせしか、アップしてませんでした。

車のお仕事も、木工作家のお仕事も一段落でやっとPCに向かおうと思える今日この頃(笑)

 

ミニ専門店という事で営業させて頂いておりますが、けっこうミニ以外の車が多いんです。

古い外車、最近の外車。古い国産車、最近の国産車。

時には、草刈り機やチェーンソーまで。

つまり、他の店でメンドクサがる仕事がやってきたり車を大切にしたいオーナーさんが口コミでやってきてくれます。

もともとはミニで繋がったお客さんも、他の車、家族の車などを当店に持ってきて下さるケースも非常に多いですね。

ミニのノウハウを他社にフィードバックは勿論ですが、他の車のノウハウをミニにフィードバックもしています。絶対に、ミニだけいじっていたら今の自分の技術は身に付いていません。ミニだけを修理していれば一番簡単ですけどね。でも、その上を目指したいです。

さて、なが~い前置きはこの辺で。

 

今日は

ワーゲンバス 入庫してます。

1964年式。

60年代の車って、一番絵になると思います。眺めて良し、走行性能も現代に対応できるし。

このワーゲンバスの右のドアのヒンジが、ドアから剥離してしまった修理依頼です。(つまり、ドアが落ちた状態)

写真撮るの忘れたんで。。。

文章で流れを説明します。

まず、重いドアを外します。当然、ボルトは固着していて簡単には外れません。

本来、ドアヒンジはドアにボルトで固定される構造なんですが、おそらく腐ってしまっていたので強引にドアにヒンジを直接溶接されておりました。

ドアヒンジが付く部分の鉄板は二重構造ですが、溶接で修理されていたので表面の鉄板にのみ溶接。元々のドアの鉄板は腐って薄くなっているので強度不足。

ドアを外して解ったんですが、ドアヒンジが錆によって固着していた為に動きがかなり渋い状態でした。ドアヒンジがスムーズに動かないから、全てのストレスがドアとドアヒンジの取り付け部に集中してしまいます。その為に、金属疲労によって剥離。

ドアヒンジは、もう生産終了で交換は不可能です。本来なら交換か、ドアヒンジのピンをプレスで抜いて修理したい所なんですが鋳物の年代物のドアヒンジをプレスで抜くと割れる可能性が大なので、数日浸透性の非常に高いオイルに漬け込んで、たまに動かして錆を染み出しさせて何とか許容範囲まで回復。

2つあるドアヒンジのアライメントがいい加減に修理されていたので、それも原因でドアヒンジとドアの付け根に多大な負担が掛かっていました。これもアライメントを取り直しての修理が必要です。

理想的には、一度ドアヒンジをドアから切り離してドアに新たな鉄板を溶接し直して修理したいのですがオーナー様の予算の都合で何とか溶接して修理して、塗装も見えない所なので溶接個所をタッチペンでペイント。

なるべく、予算内に収めたいので剥がれた所を溶接で修理する事にしました。

二重構造になっているドアの鉄板の表面だけの溶接では、直ぐに元通りになるとおもいます。しかし。ドアのインナーハンドルが固着していて内張りが外れないので内側からの修理が出来ない?か?

まずは、インナーハンドルを抜く事に。

なんとか、試行錯誤してインナーハンドルが外れました。オリジナルのインナーハンドルなのでオーナーさまに無理はしないで下さいって言われていたので一安心。

インナーハンドルが外れなければ、内張りをずらして何とか溶接しようとは思ってました。

その後、内張り外してドアの内部から二重構造の内側の鉄板にドアヒンジをがっちり溶接。こっちの鉄板はしっかりしてました。

外側の鉄板にも溶接、ドアが腐っているので薄くて非常に難しいです。

勿論、2個あるドアヒンジのアライメントも調整しながらの溶接です。

そして、取り付けて、ボデーとの位置調整。微調整してばっちりです。

ドアの内部がかなり錆びていたので、これ以上進行しない様にワックスタイプの防錆剤をたっぷり吹き付けておきました。

ちなみに、ドアの内部の錆止め&予防対策はワックスタイプの防錆剤が良いと思います。例えば、サンドブラスト等で錆を除去して塗装しても鉄板の継ぎ目は処理できませんし、再度錆が再発すると塗膜の中で進行してより酷くなります。

それならば、外部からは見えなく、手の触れる事のない部分は固い皮膜を作らないタイプがベストと考えます。ワックスタイプの防錆剤であれば、新に錆が発生しても直ぐにワックス成分が錆に浸透して進行を止めてくれます。再補修も簡単ですし。

定期的に、ドアの内部に防錆剤を塗布するのが長持ちの秘訣です。

溶接個所を色合わせして、製作したタッチアップペイントで塗装して、内張り付けて完了です。

これで、もう壊れない事を願います。

ありがとうございました。

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コレって、修理?

2014年01月28日 | 整備記録簿

かなり、遅ればせながら・・・。

あけましておめでとうございます。

久しぶりのブログ更新です。

ネタは貯まっているんですけどね。

今年一発目の修理ネタは、良くあるインチキ?修理についてです。

ミニは、ご存知の通り!?フロントの足回り、特にハブベアリングの磨耗によるガタが多いです。

これは、巷では材質の強度不足とか言われていたりしますが私的には「組み方が悪い」が主な原因な気がします。メーカーが最初に組んだ訳だからそんな事ありえないと普通は思いますよね?

しかし、ちょっとした事の差で耐久性に大きな差が出てしまうんですよね。この差は企業秘密なので(笑)この場ではお答えしませんが。

話をもどしまして、なぜ?ミニのハブベアリングからガタがでるのか?(フロントがドラムの車は凄く長持ちするので、ここではフロントディスク車のみのお話です。)

一言でいえば「ベアリングの磨耗」です。

これが、ミニのハブベアリングです。テーパーローラーベアリングというタイプで普通のベアリングはパチンコ玉のようなまん丸の金属の球が使用されています。

ミニに限らず、足回りの軸受けで負担の大きいところはこのタイプが多く使用されています。

右下の大きなリングに右上のローラーの組み込まれた部品を左上の様に差し込んで使います。

写真を良く見てみると解るように、このベアリングはテーパーしてます。だからテーパーローラーベアリングという名称。

左下の「小さいリング」は?と申しますと

こんな感じに、向かい合わせで使用するベアリングの間に挟んで使用します。

上の部品と下の部品を写真の状態だと上下に「適度な圧力」を掛けて使用します。

結構なトルクで圧力を掛けるんですが、ベアリングには「適度な圧力」しか掛かりません。なぜかと申しますと、さっきの「小さいリング」があるので「小さいリング」の厚み以上はベアリングに「過度な圧力」掛かりません。

ベアリングが磨耗してくると、この「小さいリング」がある為にベアリングに「適度な圧力」が掛からなくなる為にガタが出てきてしまうんですね。

ガタがある状態で、使用すればベアリングが熱をもったりして破損の危険性もありますし、ハンドリングも低下します。ひどい場合はこれから書きますが、いろんな高額な部品を駄目にしてしまいます。

じゃ~どう修理するか?ベアリングの交換です。それ以外の修理法は存在しません。ベアリングは磨耗して寿命を迎えた訳ですからね。

しかし!

これを部品代を一切掛けずに直してしまう?お店が後を絶ちません。

先ほども出てきました「小さいリング」を削ってしまえば、またベアリングに「適度な圧力」が掛かるではないか!と考える様です。

当店は、絶対にこんな修理はしません。(修理とも呼びませんが、、、。)

なぜこの様な修理をやらないか?の理由ははっきりしてます。

1.磨耗したベアリングは精度が落ちています。仮に「適度な圧力」で組み直せたとしても片磨耗したベアリングでの耐久性と安全性が確保できないので。

2.「適度な圧力」を片磨耗したベアリングに掛けられるように、「小さいリング」の厚さを変更するなんて不可能だから。

 少しでも、「小さいリング」の厚さが厚ければガタが出ますし、薄ければガタは消えますがベアリングが焼きつきます。

お待たせしました。

これが噂の「小さいリング」です。

左が新品です。真ん中と右が、加工されたものです。

ぱっと見た感じ、解りませんね。

拡大するとこんな感じ。

左が新品、右か加工品。

新品は角が面取りされていますが、加工品は面取りされていません。旋盤で削ったままです。

「こんなもんかな?」と適当に加工された物です。

この不良ベアリングが組み込まれたオーナーからは、足回りから物凄い異音があるとの事でした。

その場でジャッキアップして足回りのガタを点検したものの、異常なし。

バラしてみないと解りませんが、多分上記の様な事だと思います。と説明させて頂き分解しました。

予想通り、「小さいリング」が加工されていてベアリングが焼きついてベアリングがスムーズに回転できない為、ベアリングとドライブシャフトの間で回転していました。だから、金属同士が擦れる音がして物凄い異音を発生していた訳です。

上が、磨耗してしまったドライブシャフト。下が、正常なドライブシャフト。

磨耗してしまったドライブシャフト。

拡大すると段付き磨耗しているのが解って頂けると思います。

こうなってしまっては、新品のベアリングに交換してもベアリングのセンターが出ないので直ぐに再度ベアリングが駄目になります。

ベアリングを抑えつけている部品「ハブフランジ」

こちらも、激しく段付き磨耗です。これも、使用できません。

こちらが、正常な「ハブフランジ」

正常は状態は段付きも無く綺麗ですね。

最初にハブベアリングにガタがあった時に、ベアリングを交換していればココまでの酷くはならなかったと思います。ベアリングだけで済んだと思います。

このベアリングのお客様には、当店がストックしてあるコンディション良好な中古品のドライブシャフトとハブフランジを使用してシッカリ修理させて頂きました。ドライブシャフトとハブフランジは高額部品であるので出来るだけ中古で対応させて頂いております。

この様な修理に発展しない為にも、ガタがあったら早めに修理に出して下さいませ。放置しても、良くなることはありませんので。

スタッドレスにするとか、オイル交換で持ち上げるとか、タイヤを浮かせた状態にするときはタイヤを上下にゆすってガタを点検してみて下さい。

ガタがある場合は、ハブベアリングによる物、グリスアップをするボールジョイントによる物の2つの原因が殆どで、どちらかの異常か?両方か?はなかなかオーナー様に判断は難しいと思いますので信用のできる専門店に相談して下さいね。

 

最初に行った修理は、ハブベアリングのガタを無くすだけの修理。

修理というか「対処」ですね。

根本的な、原因がハブベアリング磨耗とハッキリしているのにも関わらず、手間を惜しんだり利益率の追求でこの様な修理が行われる訳です。

当店は、お客様と永くお付き合い出来ればと思っていますので「納車時に正常なら、後はどうでもいいや。」という修理は絶対にいたしません。

一度、見積もりを出させて頂いて、どうしても予算が厳しければ修理する順番や方法を相談&提案させて頂き最大限に永く乗れる方法を考えたいと思います。

 

 一人で切り盛りしている小さなお店ですので、不在の場合がございます。来店の際は電話またはメールにて問い合わせ頂けると幸いです。

 

★★★当店は、販売ではなく整備&修理、車検、カスタム&ドレスアップ、チューニング、板金レストアなど技術に特化したお店でございますので、個人売買、他店購入車、大歓迎でございます。実際の常連様の多くは他店で購入されたお客様ですのでお気軽にご来店して下さい。

ちなみに川と雪山と犬をこよなく愛する方も大歓迎でございます。

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ATF交換の重要性

2013年06月29日 | 整備記録簿

久しぶりのブログ更新です。ホント、久しぶりで・・・。

ミニではありませんが、当店がオープンして間もなくからのお付き合いの鹿沼市 O様のシボレーC10という古いアメリカのトラックのATのお話です。

Oさまが、このお車を購入時に買ったショップでATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)を交換しての納車からかれこれ7年くらい無交換。趣味のお車なので走行距離は少なかったし、汚れもさほどでは無かったので今まで無交換でした。

ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)を交換した形跡はちゃんとあったんですが、ATFフィルターを交換した形跡はかなり昔の形跡でもしかすると日本では無交換。

ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のオイルパンを外すとその中にATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のフィルターはあります。つまり、ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)を抜いてATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のオイルパンを外さないと交換出来ない為に普通のショップではあまり進んで交換はしない所です。

写真中央の銀色の四角いものがATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)フィルターです。(既に新品に交換してしまいました。)

 

これが外したATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)フィルター鉄粉と金属片が付着しているのがお解り頂けると思います。

こっれがATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)オイルパン内部、鉄粉と金属片が泥の様に沈殿してます。たっぷりと。。。

ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のオイルパンのコルクパッキンに過剰に塗られた2種類の液体パッキン。使用法、使用量が悪かったのでオイル漏れしておりました。

鉄粉を拡大すると、凄い事がお解りになって頂けると思います。

AT側のバルブボデーは綺麗です。

ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のオイルパンを綺麗に洗浄して

さびさびの外側を

錆を取って再塗装して、組みつけてATFを入れて完了です。

一般的にATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)を交換する場合、機械を使用して全量をキッチリ交換する「圧送式」(ディーラー系が多いです。)

精神的に全量交換できるとスッキリしますよね。しかし、このATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のオイルパンの底にせっかく沈んでいる鉄粉を舞い上がらせての交換になります。ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)のフィルターはありますが、このATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)フィルターが詰まればAT不良の原因になります。

最悪の場合は、細い油圧系統を詰まらせて「脳梗塞」状態になってAT不良になり多額の修理費になる可能性も大です。

新品のATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)は自己洗浄作用が高い為に、全量を一気に変えてしまうと油圧系統にコレステロールの様に貯まっていた「カス」を一気に剥がして「脳梗塞」状態にしてしまう場合が多々あります。

それならば、少しの量をこまめに定期的に交換する方法の方が低リスクで効果もあるベストな方法だと思います。

そして、今回のC10のケースの様にATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)交換2~3回に1回程度はATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)フィルターも交換する事をお勧めします。国産車ではあまりおなじみではありませんが、外車ではATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)フィルターを定期交換するのは当たり前の作業です。もちろん、国産車も10万キロ走ったら交換した方が良いと思います。

しかし、新車から7~8万キロ無交換のATは交換をお勧めしません。リスク覚悟での交換でならお受けしますが、少しの量でも交換して自己洗浄作用による「脳梗塞」になるリスクが高くなるからです。一般的には5~6万キロ超えた車はATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)は交換しない方が良いといわれています。私の経験ですと8万キロくらいまでなら結構大丈夫でした。でも、明らかにヤバい感じのお車もあるのも事実です。

「脳梗塞」になる可能性。この他にある故障原因は、無交換によりATのクラッチバンドが摩耗してしまって滑ってしまう状態になってしまっている場合。現在の状態は正常。交換してATが滑る。

こんな現象は、写真の様な鉄粉がATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)に混ざってしまっている状態で、この鉄粉が摩擦剤の役割をしてなんとか正常な感じに作動していた。という状況です。これを新品の鉄粉無しのATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)に交換するれば滑るのは当然ですね。

 

とにかく、転ばぬ先の杖。早めにATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)は交換して下さい。スムーズに走れるし、燃費も良くなるので結果的に「得」します。

 

当店ではワコーズのATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)を車種によって使い分けてます。重量級のお車にはハイパーSをいうATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)をお勧めしてます。

ATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)はシフトショックを低減させる為に「滑る」性能を持たせます。当然、ショックは減りますが伝達効率は減りますので燃費はイマイチです。

しかし、このワコーズのハイパーSはショックは減るのに伝達効率は上がるという相反する性能を実現させたATF(オートマチックフルード/オートマチックミッションのオイル)なんです。4速ATがCVTの様に変速ショックが無くなります。それなのに伝達効率が高くなるので燃費アップです。

ワンボックス、RV、重量級のセダンなど使ってみると納得の性能です。国産、外車問わずマッチングをとことん調べたメーカーなので安心して使えます。

当店はミニ以外の外車&国産車も大歓迎です。というか、沢山来店して頂いております。地元密着でもあります。

★★★当店は、販売ではなく整備&修理、車検、カスタム&ドレスアップ、チューニング、板金レストアなど技術に特化したお店でございますので、個人売買、他店購入車、大歓迎でございます。実際の常連様の多くは他店で購入されたお客様ですのでお気軽にご来店して下さい。

ちなみに川と雪山と犬をこよなく愛する方も大歓迎でございます。

問い合わせ先

 

ガレーヂ ジャム デザイン

栃木県日光市轟1386-4

TEL/FAX 0288-21-8776 

携帯 090-2751-6970(こっちが一番確実です。)

e-mail jamdesign10106@gmail.com

 

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