ヒデが現役引退を表明した。
ブラジル戦の後、ピッチに倒れこんでしばらく動かなかった彼を見たときから、
なんとなく予感はしていたことではあったけれど。
10年間、彼は日本のサッカーを牽引しつづけてきた。
時に無愛想で、冷淡さにもとれるほどの厳格さを貫いた彼のスタイル。
その根底にあったのは、ただひたすらにサッカーを愛してやまない、
その想いだけだったのだろう。
6月22日のブラジル戦の後、サッカーを愛して止まない自分が確かにいることが分かった。
自らのHPでこう書き記していたのを見て、
あの日ピッチに倒れこみ、涙を流した彼の想いの深さを、
改めて、痛感させられた。
あのとき、グラウンドで孤独だった彼、
あれがプロとして、グラウンドに立つ彼の
最後の姿になるのかと思うと、残念でならない。
彼がやろうとしたこと、彼が伝えようとしたことは、
本当の意味で伝えられないままだったのかもしれない。
だけど、彼はきっとこれから先語り継がれていくアスリートであることは間違いないし、
彼が積み上げてきたもの、伝えようとしていたことは、
語るよりもまず、その『姿勢』で示してきた彼の生き様そのままに、
これからも生き続け、伝え続けてくれるだろう。