犬神スケキヨ~さざれ石

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国体を見れば日本の成長がある...2

2018-05-08 10:01:34 | 連続
前項で申した様に我が国は、権力を国民が権威を天皇が有する国です。

現在の我が国で主権者は誰か?
その様に尋ねれば、皆さんは『国民』だと考えるでしょう。
戦前、大日本帝国憲法下ならば?
そう尋ねたならば『天皇』と言うでしょう。

しかし、我が国は実は主権者は国民であり、そして天皇でもあるのです。

我々国民は権力を以って法律を作ったりしますが、しかしそれはそこまでしか出来ません。
国会が出来るのは法律を作るだけ。
それを認証し、公布するのは天皇の役割です。
内閣も、国会召集も天皇の認証が必要です。

絶対王政ならば、それらは一人の王が行うのですが、我が国は権力と権威が別れており、権力と権威が協力して初めて国政が機能するのです。

権力は我々国民、権威は天皇。
これを
『君民共治』と呼びます。
民と天皇とが共に協力して成り立つ国。
それが日本と言う国なのです。

その『君民共治』と、それを象徴する『天皇』こそ国体と言うのではないでしょうか。
つまり、天皇と皇族方さえ残されれば、日本の国体が護持されると言うものではないのです。

我が国は自由のある国です。
しかし、アメリカの様な個人主義による自由さとは違います。
日本の自由さは『和』にある

『和の国』です。
和の国とは、国民一人一人の個性を尊重し、自由に自分らしく暮らせる、しかしながら全体として統率の取れた国ではないかと思います。

個性と自由さを尊重すれば、アメリカの様な個人主義による自由さになり、国民一人一人はてんでバラバラになります。
逆に統率に重きを置けば、鶴の一声で右向け右の独裁国家、例えば北朝鮮の様な国になります。
自由さはなく、それが故に国に活力は生まれませんね。

しかし日本と言う国はその両方を兼ね備えた、世界にも稀にみる国なのです。

それが何故、両立してるのか?

東日本大震災の時に天皇皇后両陛下が被災地を訪問なされました。
その時、皇后陛下は被災者の方々にお声を掛けて頂いた。
その言葉は...

『生きていてくれて、ありがとう』

これはどういう事でしょうか。

『生きていてくれて、ありがとう』
これは身内にかける言葉です。

あなたの父母が、妻や夫が、子供や孫が震災に見舞われ、津波にのまれ、もうこれは最悪の状況で死を覚悟する状況です。
死んだと思っていた身内が生き延びていたなら、それは『生きていてくれてありがとう』と言う言葉になるのではないですか?

被災者の中に身内を全て震災により失くし、これから先どう生きればよいか、いやいつ死のうかと考えていた方が、天皇皇后両陛下に拝謁して初めてわかった。
『私は血縁者を失ったけれど、私は愛されている』だから、私は生きて頑張る。

つまり天皇とはその様な存在なのです。

同じ被災地を訪問した、当時の管直人は被災者に激しく罵られた。
しかし、天皇皇后両陛下が罵られたなんてことはないのです。

管直人がまさか被災者を蔑ろにしたとは言わないけれど、管直人にとっては被災者は他人なのです。
しかし、天皇皇后両陛下にとっては被災者は『身内』なのです。

天皇皇后両陛下にとって国民は家族と言う事。

我が国の『君民共治』とは皇帝と民と言う様な関係ではなく、家族としての『君民共治』であるのです。

つまり、反天皇や天皇制廃止と言うのは家族をバラバラにして、親も子も、兄弟も姉妹もバラバラに他人にしてしまい、個人主義と言う我が国にそぐわないものに国を変えてしまうと言う事です。

それは戦後、マッカーサーと会見した昭和天皇にあっても同じです。
『命乞いをしに来た』と考えたマッカーサーはショックを受けた。

『全ての責任は私にある。私を処刑し、国民を救ってくれ』

そんな事を言う皇帝やリーダーを見た事がない。

『I tell the emperor』(天皇に申す)
この様な態度であったマッカーサーも、この昭和天皇の発言に『Your Majesty』と態度を変えた。
これは『陛下』と言う意味です。

例えば、あなたの家族が余命幾ばくもないとわかったら、『代わってあげたい』とか、例えば自分の子供が重篤な状態ならば『自分の命は要らないから、どうか子供を助けてくれ』と考えるでしょう。

それは身内だから、家族だからです。

昭和天皇の発言は、正にその様な関係を示しているのではないでしょうか。
身内、家族だから自らの命に代えても守りたい。

敗戦後、右翼だ軍国主義だと言って『国体』を教えず、否定した。
それが故に『国家』としての日本も否定して来た。

けれど、3.11の震災により我々は日本人としての血を今一度実感することになったのです。
忘れていた、日本人としての生き方を考えるきっかけを得たのです。

個人主義よりも、金よりも守っていかねばならないモノを思い出したのです。

そして、そこにこそ我が国の成長があることが判明したのです。


3へ続く

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1 コメント

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Unknown (ブローちゃんの友達)
2018-05-09 08:55:09
恥ずかしながら、この文章で初めて東日本大震災当時皇后陛下が被災者にかけられたお言葉「生きていてくれてありがとう」を知りました。単に「国民統合の象徴」という意味でしかないなら、そこには愛はない。でも天皇皇后両陛下には「愛」がある。愛されてると感じることで、人は自らの命を投げ出すこともできる。明治の元勲たちの設計図を超えた天皇陛下の尊さの理由を知ることができました。「国民国家」の概念は近代西洋文明からの輸入品という認識でしたが、近代日本は最も国民国家らしい国民国家かも知れませんね。ありがとうございます。

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