夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

夢って、奇妙キテレツ!(102)

2020-01-22 14:56:08 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
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コーヒールンバを演奏するときの、
打楽器のリズムの取り方の講習に参加している。
メロディーの補助だけではなく、リズムも準主役であるそうだ。
メリハリ良く・・・ということらしい。


(昔、こんな歌が流行りました)
 🎵
 むかしアラブのえらいお坊さんが
 恋を忘れたあわれな男に
 しびれるような
 香りいっぱいの
 琥珀色した
 飲み物を教えてあげました
 
 やがて心ウキウキ
 とっても不思議
 このムード
 たちまち男は
 若い娘に恋をした
 
 コンガ、マラカス、
 楽しいルンバのリズム
 南の国の情熱のアロマ
 それはステキな飲み物
 コーヒー モカマタリ
 皆んな陽気に飲んで踊ろう
 愛のコーヒー・ルンバ
 🎵(歌手・西田佐知子)

 

当節長屋の花見

2020-01-22 07:16:25 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
       

    ステテコ・テンテン・テンテコ・コンコンチキ・ノテンテコ・ドン



           『当節長屋の花見』




   え〜、だいぶ陽気がよろしくなりましたようで・・。
     春といいますと、お花見のシーズンでございます。
   満開の桜の木の下は、どこでも花見客でごったがえしております。
     真っ昼間から宴会をやってるグループもありますが、
       その横では場所取りの若いサラリーマンが、
    独りでビニールシートの上にごろんと寝転がって、
     天下ご免の昼寝をしていたりしていますな。

    浅草あたりですと、賑やかなお囃子(はやし)に合わせて、
     女子衆の手踊り行列なども観られます。

   江戸の頃は、浅草寺奥山、上野寛永寺境内、墨堤(隅田川東岸)、
  飛鳥山、御殿山なんて処が、花見の名所となっておりましたようで・・。

    落語で長屋の花見といいますと、なんですな・・、
     酒の代わりは番茶、蒲鉾(かまぼこ)の代わりは沢庵(たくあん)、
      てなとこに相場が決まってましたようです。




大家 「お〜い、みんな、明日は花見に行くよ〜!」


八・熊 「へえ、花見ですかい?」


大家 「なんだい? やけに気乗りのしない返事だねぇ・・」


八 「だって大家さん、昔から長屋の花見といゃぁ、
   しみったれの大家・・・じゃない、お大尽(だいじん)が、
   番茶と沢庵で安上がりにやるって、ことに相場が決まっ
   てやすよ・・」


大家 「ところが、今どきのアパートは、そうではない」


熊 「へぇ、どこか違うところがあるんで・・?」


大家 「じつは、あたしゃ、今日、競馬で大穴を当ててね・・、
    ちっとばかり懐が暖かいんだ」


八 「そいつを先に言ってくだせぇよ・・! さすが大家さん!
   大魔神 ! 大統領 ! そういうことなら明日といわず
   今夜行きましょうよ。今夜、今夜 !」


熊 「そうだ、そうだ。こういうことは、気が変わらないうちに
   やったほうがいいんだ」


大家 「なんだい・・、急に元気になりやがったな。
    まあ、今夜は月夜だし、夜桜見物にはもってこいだな。
    そいじゃあ、熊さんは一走り先に行って、場所を取って
    おいとくれ。
    八っつぁんはこのおあしで適当に酒と肴(さかな)を見繕
    (みつくろ)って持って行っておくれ。
    あたしゃ、みんなを誘って後から行くから・・」


熊 「へいっ、がってんで・・!」




・・こういうことになりますと、人間といいますのは行動が迅速
になるようにできてますようで、普段のろまの熊さんが、あっと
いう間に500m先を走っています・・。




大家 「みんな揃ってるかい? 迷子になってないかい・・?」


アパートの住人 「へ〜い、でぇじようぶでげす。
      ここで迷子になったらご馳走にありつけないすからね・・」




・・花より団子(だんご)という連中ばかりのようで・・・。




大家 「ほぉ、みごとな桜だねぇ! 満開だな・・」


アパートの住人 「すごい人出ですねぇ・・!」


大家 「はて、八っつぁんと熊さんはどこだろうねぇ・・?」


八・熊 「お〜い、ここだ、ここだ」


アパートの住人 「なんでぇ・・、でぇぶ外れの方だな・・」
     「おいおい、横はゴミ捨て場だよ・・」
     「後ろは公衆便所でねぇかい・・」
     「桜の木は・・、あゝ、一本あるにはある・・」
     「でも貧相な木だねぇ・・、花も仕方なく咲いてるって感じだ
      なあ・・」


熊 「周りを見ろよ! 空いてる地面と云ゃあ、ここしかねえだろ・・」


大家 「まあまあ、出足が遅かったからしょうがない・・。
    当節、不景気な世の中だ。そうそう贅沢(ぜいたく)を云ってはい
    けません。ここから、遠くに見える見事な桜を眺めて花見とする
    のもおつなもんです。
    さあさあ、酒と肴をお出し・・」


アパートの住人 「へぇ、大家さん、ゴチになりやす」
     「大家さん、ゴチ」
     「へぇ、ゴチ」
     「ゴチ」




・・前の人に便乗して、段々端折(はしょ)ってまいります・・。


     「ゴ」


・・おいおい、誰だい? 極端に端折るやつは・・? 


アパートの住人 「冷や酒はキューッとやるに限るねぇ〜!」
     「本物の酒だよ、これ!」
     「沢庵じゃないよ! 本物の蒲鉾(かまぼこ)だ! これ・・」
     「本物の竹輪(ちくわ)だ!」
     「本物の団子(だんご)だ!」


大家 「おいおい、なんだい? みんなしてみっともない・・。
    あたしが、まるで紛(まが)い物を商いにしてるみたいに聞えるから、
    お止しよ」


アパートのかみさん 「ちょいと、大家さん! 貧相な木の上に何か居ますよ・・」


熊 「居たって構(かま)うこたぁねぇさ。おおかた夜烏だ・・」


八 「そうだそうだ。このあたりを見てちゃぁいけねぇ。
   遠くの見事な桜を眺めてりゃぁいいんだ・・」


アパートのかみさん 「なに言ってんだい! よ〜く見なよ。何か動いてるんだよ!」


アパートの住人 「あれ!? 女のようですぜ・・」
     「金髪に振り袖姿だ・・」
     「どれどれ、あーっ、着物を着た女だ!」


大家 「お〜い、そんな高いところに昇ってないで、降りといで・・」


熊 「あっ、なんてぇ乱暴な女だ! 飛び降りやがった」


八 「昨今の女は、威勢がいいや」


アパートの住人 「それにしても、不細工な女だな・・」
     「全身、毛だらけだよ・・」
     「どう、ひいきめに見ても、猿だよ、モンキー・・」


女 「おう、おう、おう! 降りろと言うから降りてきてやったんでぇ!
   不細工だの、毛だらけだの、猿だのと、やかましいやいっ!」


熊 「お〜、江戸っ子みてぇな猿だな・・」


大家 「おまえさん、どちらからお出でなすった?」


女 「どちら、と云うほどの所じゃござんせんが・・ちょいと脱出して来たのさ」


八 「何か悪いことしたのか?」


女 「見損なっちゃあいけねぇ。あたしはAIロボットだよ。
   そんじょそこらの人間とは違って、もっと上等だよ!」


熊 「へぇ〜、ロボットが何で逃げるんでぇ?」


女 「あたしを買った野郎が、超変態男なのさ」


八 「へぇ〜、どんな変態野郎だ・・?」


女 「あたしの全身に猿の縫いぐるみを着せて、頭に花魁(おいらん)のカツラを被せて、
   ノーパンのままでミニ振り袖を着せて、おまけにハイヒールまで履(は)かせた
   ってわけさ。
   あたしはSEXロボットだけど、使用方法を間違えてるね」


熊 「へぇ〜、変わったことする変態だな・・?」


八 「べらぼーめ! 変態が変わったことしねぇで、誰がするんでぇ・・」


女 「そのうえ、表通りで痴漢するのさ・・」


大家 「ロボットに痴漢するのかい・・?」


女 「そうさ、振り袖の裾(すそ)をまくり上げて、何時間もしげしげと眺めてから、
   素っ裸にして全身を舐(な)めまわすのさ。たまんねぇよ、まったく・・」


八 「並の変態じゃねぇな!」


熊 「それで、トンズラしたってわけだ」


女 「あっ、来た来た・・、あいつだよ。あたしを追っ掛けて来やがった・・」


八 「なんだ、呉服屋のバカ旦・・、いや若旦那じゃねぇか・・」


熊 「バカ旦那のストーカーか」


大家 「よしよし、ここはひとつ、懲(こ)らしめのために、みんなでとっちめてやろうじゃな
    いか・・。
    いいかい、みんな早いとこ酒飲んで、酔った振りしてバカ旦那に絡(から)むん
    だ。
    ・・そこで、ひそひそ・・いいかい?」


一同 「がってん、承知!」


大家 「これ、ロボちゃんや、その毛皮とカツラと振り袖とハイヒールを貸しとくれ」


女 「やだよ〜。坊主で裸じゃ、世間体が悪いじゃん・・」


一同 「・・てゃんでぇ! ロボットに世間体もへったくれもあるかってんだ・・」






    ・・なんともはや、乱暴にもロボットから身ぐるみ剥いでしまいましたな・・。




大家 「いいかい、ロボちゃんは、そこのゴミ捨て場の脇に隠れておいで」






   ・・準備が出来て、一同、手ぐすねひいて待ち構えています・・・
   ・・そんな陰謀が、前方で待ち構えているとはつゆ知らず、
   件(くだん)の若旦那は、「あたしのロボ子は、どこざんす・・」
   ・・と汗をかきながら、やって来ましたな・・。






八 「いよ〜っ、若旦那。こんち、いい陽気で結構でござんすねぇ〜」


若旦那 「結構じゃないざんす。あたしのロボ子が居なくなったざんす」


熊 「なあに、ちょいと買い物に行ったんだ」


大家 「直ぐに戻りますよ。それよりどうです!
    今夜は折角の花見日和ですよ! 若旦那もご一緒にどうです!」


若旦那 「あたしゃ、酒にはめっぽう弱いざんす・・」


八 「でぇじょうぶ。今夜は下戸(げこ)の集まりなんで・・」


アパートのかみさん 「さあさあ、名物の団子もありますよ」


若旦那 「おや? 団子もあるのかい? あたしゃ、団子には目が無いざんす・・」


八 「若旦那、どうぞこちらへ。遠くの見事な桜が眺める特等席でやす」


若旦那 「うんうん、遠いけど見事な桜ざんす。・・・もごもご、旨い団子ざんす・・」


大家 「さあさあ若旦那、キューッとやってくださいよ。酒はいくらでもありますからね!」


若旦那 「キューッ、旨い! それにしてもさっきから後ろでなにか動いているざんす・・?」


大家 「おーっと、若旦那。このあたりを見てちゃいけませんよ・・。
    ここは、『遠見の桜』といいましてね、遠くの桜だけを見て帰るのが粋(いき)、
    とされている名所なんですから」


若旦那 「おや、さいざんすか? あたしゃ、粋で世渡りしてるざんす」


アパートのかみさん 「さあさあ、『粋の若旦那』。威勢良くパーッと呑みましょうよ」




   
   ・・さあ、呑めや歌えで乗せられた若旦那、
   すっかりべろんべろんに出来上がってしまいました・・・。






若旦那 「ふーっ、酔った酔ったよ、べらぼーめ!」


八 「おや、若旦那、言葉遣いが変わっちまったよ・・」


熊 「え〜、若旦那、これからどちらへ・・?」


若旦那 「ふーっ、なにをっ? どちらへ?  どちらへって・・どちらなんだってんだ! 
     べらぼーめ・・」


大家 「若旦那。だいぶ汗をかいて、着物が汗臭いから、こちらのさっぱりした着物に着
    替えて、さあさあ・・」




   
   ・・と、ロボ子が着ていた毛皮と振り袖を着せちゃいましたな・・。




若旦那 「着物が汗かいた・・? とんでもねぇ着物だ・・!」


八 「若旦那、夜露に濡れるといけねぇ。この帽子をかぶりなせぇ・・」




 
   ・・といって、ロボ子がかぶっていた花魁のカツラをかぶせちゃいましたよ・・。




熊 「若旦那、履物が見当たらねぇんで、この新品の靴をはいて行きなせぇ・・」






   ・・と、ロボ子のはいていたハイヒールをはかせられた若旦那は、
   「ゴチになったよ、ベらぼーめ・・」とわめきながらながら、よろよろと行ってしまい
   ましたので、一同手をたたいて大笑い・・。




大家 「ロボちゃんや。さあ敵(かたき)はとったよ。
    さて、ロボちゃん、お前さんのこれからの身の振り方だが・・、
    どうだい・・、うちのアパートへ来るかい・・?
    みんなで歓迎するよ」


ロボ 「ご親切は有り難いんですけどね・・、あたしも酒には弱いんで・・・」






             おたいくつさまで・・・