J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

美味しいから。

2010年05月13日 | 人にぞっこん

こんなものが、と思うものでも、地球の生物は食べて見せる。
たいていのものが、食べて食べられる関係の中にある。

それぞれが、自分たちにあった「おいしいもの」を、ちゃんと食べている。
あっていないものは、「おいしくない」と認識されるのだろう。
ところが、食べられる方もさるもの、おいしくなって食べられることにより、繁殖する作戦を取ったり、
食べられないように臭くなったり、まずくなったりする。

食べる、食べられるという関係だけでも、生物は知恵と工夫を凝らす。

地学で見たって、活発な地球の内部や表面の動きは、食べたり食べられたり生成されたりの、生物と同じに見える。

桔梗の花の蜜は、どんな味なのだろう。
そして、これだけあるのに、どうして一つの花に、アリがたかるのだろう。







スミレの花は、どんな味だろう。
砂糖漬けにした、お菓子の飾りは食べたことがあるけれど、それはあまりにも砂糖のお味。

こんなに食べられているのだから、よっぽどおいしいのに違いない。

誰が、スミレをすきなのだろう。



「おいしいものが食べたいから」
生活クラブのメンバーがそういった。
そうか。
安心で安全な食べ物を選びたい、もちろん、そんな動機で入った人もいる。
安心で安全でも、おいしくなければ、食べ物としての価値が下がると思うのは、生き物として真っ当だ。

そして、毎日口にする食べ物なのだから、選べなければ、雑食性の生き物として偏りが生じる。

生活クラブは、生産者といっしょになって、食べ物を開発してゆく。
商品とは呼ばず、消費財、と呼ぶ。
学習会を開き、出資して、生産者が作りたいもの、消費者が食べたいものを作り出す。

生活協同組合なので、出資して組合員になる。
生協には、実は、さまざまな形がある。

生活クラブは、班で共同購入をする。
消費財は、直接班に配送される。
4人集まれば、班が作れる。一人なら、近くの班を紹介してくれる。

購入の仕方は、通常の商品を選ぶように、自分が買いたいもの、ほしいものを選べばよいという。
調味料だけを買う人もいるし、そのときの旬の食材を求めることもできる。

水俣で陸に上がった漁師さんたちが気張って作り出した甘夏、国産のグレープフルーツ、なんていう優れものも、
応援して、みんなで購入している。背景ももちろんだが、何より、”おいしいから”!
◎エコネットみなまた
http://www1.ocn.ne.jp/~amanatsu/kazur-3htm.htm#grapefruit-1  
http://shizennogyo.blogspot.com/2010/04/blog-post_22.html



みかんジュースにしても、ケチャップにしても、本当に、おいしい。
メンバーの一人が、食べてみたらおいしかったから、組合員になったというのもうなづける。
「本当においしいの。」
そう言っていた意味も、口にしたら、よく分かる。

生産者の作る喜び、消費者の食べる喜び。これを結ぶ。
単純で当たり前なはずなのに、なかなか実現されないこと。
だから、彼女たちは自分たちで始めたのだ。
そして、やってみれば、できるのである。
生産者も、良いものを作りたい。
そのためだから、通常買うよりも、少し高いこともあるだろうが、買える物を買う。

そんなやり方。
そんな生き方。

そこには、信頼と努力がある。

生き物として、至極、真っ当なのである。




◎生活クラブ静岡
http://homepage3.nifty.com/s-club_shizuoka/index.html


最新の画像もっと見る

コメントを投稿