【阿弥陀堂だより】

売れない作家・上田孝夫と妻である医者の美智子は、美智子がパニック障害にかかったことを機に東京を離れ、孝夫の故郷・信州の山村に移り住むことにした。阿弥陀堂で暮らす96歳のおうめさんや、がんに冒された恩師、難病でしゃべることができない小百合、村の人々との温かい交流の中、夫婦は生きる喜びを取り戻していくのであった。


『阿弥陀堂だより』
　2002年/日/小泉尭史


『博士の愛した数式』を観る前にちょいと研究・・・と思って観たのですが、
これが、とっても良い映画でした。
オープニングから何かを感じさせる雰囲気を持ち、その雰囲気は最後まで私を裏切る事なく、静かに静かに私の心に訴えかけてくれた映画です。
良い映画だと思いました。また、この映画をそう思えた自分に会えた事も感激です。

“ありがたい”と“もったいない”、人間の原点であり基本を、優しく静かに教えてくれたような気がしました。
全編、無駄なシーンも無駄な台詞もなく、どの台詞も一言も聞き逃したくないような、そんな映画でした。
長生きの秘訣は貧乏。
日が昇れば起きて、日が沈めば寝る。
太陽から恵みを受け、心地良い風に吹かれ、雨が降れば小休止し、自然に逆らわずに1日1日を大切に過ごす。
そして、美しい花や景色、紅葉は、謙虚さを持って生きている人達への自然からのご褒美なのかもしれません。
オープニングの宮沢賢治の『雨にも負けず』が映画のテーマだったのでしょう。宮沢賢治に影響を受けた私としては感激です！

「今をよく生きることが、よく死ぬ事・・・」

この映画は保存版にして繰り返し観たい映画だと思いました。