かんだ

かんだは、なんだの続き。
話を広げたり、掘り下げたり・・・。

夏山登山計画のポイント

2018-07-20 16:57:14 | Weblog

 夏は暑くて当たり前だが、今夏の暑さは異常である。こんな暑さの中、都市近郊の低山を歩いていたのでは熱中症に捕らわれること必定。めざすは中部山岳の高山か、東北、あるいは北海道の山にしたい。

 中部山岳といえば北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳。山好きの憧れは槍ヶ岳、白馬岳、穂高岳、剱岳、北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈岳、赤石岳、木曽駒ヶ岳、赤岳、阿弥陀岳。山名が並んだら、その山の特性を考えてみる。ポイントは、技術を必要とする山なのか、体力勝負の山なのか、である。

 槍ヶ岳や剱岳は岩登り技術を要求される山である。山登りに夢中になり始めた多くの山好きは、ネームバリューのある山、技術を要求される山に憧れる。数年前のことになるが、著名な女流登山家が奥穂高岳からジャンダルムを越えて、西穂高岳に縦走した映像が流れると、ジャンダルムがブームになった。ジャンダルムの通過は岩場が連続する、我が国でもトップクラスの難コースだ。めざすとなったら、3級の岩場がリードできるくらいに岩登りのトレーニングを重ねてからにしてほしい。

 必要なトレーニングをせず、憧れだけで一歩踏み出してしまう結果、剱岳のカニのタテバイで最初の一歩が立ちこめなくて逡巡している方、現場は大渋滞。カニのヨコバイでもしかり、現場は大渋滞、大迷惑である。

 ツアー登山、ガイド登山が当たり前になっている昨今、剱岳をめざすガイド登山に申し込んで、登ったつもりになっている方、ご用心。登るのはご自身の足と手と頭であることはお忘れなく。ご自身の足と手と頭がそれなりでないと、怖い思いをするのはご自身である。

 ネームバリューある山への憧れを捨て、今夏の山は体力勝負の山をお勧めしたい。南アルプスの雄、赤石岳は登り甲斐がある。1日目、椹島まで入って泊。2日目千枚小屋、3日目荒川小屋、4日目赤石岳を越えて赤石小屋、5日目椹島に下って帰京。充実の夏山登山になること請け合いだ。

 長期休暇が取れる夏、北海道の山を計画するチャンスでもある。北海道には日本百名山が9座ある。ぼくが初めて計画した山は、日高山脈最高峰の幌尻岳だった。登頂の成否を左右するのは、額平川の水量だ。ベースとなる幌尻山荘まで十数回の徒渉を強いられる。ぼくらがめざしたその日、額平川は前日の雨で増水、登山を断念、翌年出直して幌尻岳の頂きを足下にした。そこであきらめない方がいる。せっかく北海道まで来たのだからと無理矢理突っ込む。徒渉に失敗して流されて遭難、そんな事故が時として発生している。計画のポイントの一つに、「断念」を入れておきたい。

 話しがとりとめもなくなったが、年に一回の夏山登山チャンス。タテ・ヨコ・ナナメ、じっくり考えて、計画を練り上げて頂きたい。

岩崎登山新聞 http://www.iwasaki-motoo.com/home.html
無 名 山 塾 http://www.sanjc.com/