かんだ

かんだは、なんだの続き。
話を広げたり、掘り下げたり・・・。

「そろそろ・・・」

2013-07-25 10:40:16 | Weblog

 15歳、高校一年の秋に山と出逢って以来53年、振り返って幸せな人生だった、と思う。幸せな人生だったとは思うのだが、あっという間の53年、ひたすら突っるばかりで、振り返ることをしてこなかったな、という反省がある。自分のこれまでの行動を、なにひとつまとめていない。68歳、そろそろ、まとめておかなくてはいけないと、考える昨今である。

 まとめるというか、整理しなくてはと思う最大の案件は写真だ。

 例えば十種雲級。山の天気の勉強会では必ず雲の話をする。「雲は天気の道しるべ」なんて言葉も考えてみた。雲一つない快晴の空に、低気圧が近ずいてくると、巻雲が出現する。竹菷ではいたような白い筋が出現するから、スジ雲。白い筋ではなく、鱗状の雲を出現させることもある。巻積雲、ウロコ雲と呼ばれる。上空一万メーターに出てくる雲だから、雲を作っているのは水滴ではなく、氷の粒だ。だから朝日、夕日が当たるときれいなバラ色に輝く。

 バラ色に染まった巻積雲、ウロコ雲はロマンチックだ。ネパールはポカラ、バラ色に染まる巻積雲の中に、すっきり聳えるマチャプチャレにカメラを向けてシャッターを押した記憶があるのだけれど、あの写真、どこにしまってあるのかなあ?

 巻雲も、巻層雲も、高積雲も、高層雲も、層雲も写真に収めてあるはず。写真にならない雲もあるけれど、十種をきちんとまとめたら、それなりに説得力のある資料ができるはず。「日本百壱名山登山教室」も然り、「新百名山登山教室」も然り、「地球を遠足」も然り、だ。

 本田勝一さんが、朝日ジャーナルに連載していた「貧困なる精神」で日本百名山を取り上げ、他人の選んだ百山を追いかけて登るだけなんてオリジナリティがない、と批判されていた。そこで思い付いたのが、「最後の一座はあなたが選ぶ、日本百壱名山登山教室」だ。

 百名山の百の頂きに立った。北海道の十勝岳は無風快晴、あまりの居心地の良さに頂きで一時間のんびりした。青森県の岩木山には、ワルテル・ボナッティと彼の奥様、ロッサナ・ボデスタさんと一緒に登った。安達太良山では、飛ばされそうな強風を体験したし、阿蘇高岳の仙酔尾根では、あまりの強風に登山を断念、途中から引き返した。百の頂きには、百の思い出がある。毎回写真を撮っているのだから、この百をまとめたら凄いと思うのだが・・・。

「最後の一座はあなたが選ぶ」の一座の発想が、新日本百名山につながり、ふるさと八百名山に広がったのだと思う。横山厚夫さんは著者『登山読本』の中で、「山の発見」という言葉を使っていらっしゃるが、新百名山、ふるさと八百は、まさに「山の発見」だという自負がある。

 やりっ放しだったあれやこれやをまとめる季節がやって来たのだと思う。なにから始めるか、それが問題だ。


岩崎登山新聞 http://www.iwasaki-motoo.com/home.html
無 名 山 塾 http://www.sanjc.com/