
評価:★★★★【4点】
これぞ大人のファンタジー映画ではなかろうか^^
劇中に流れる楽曲がなんともすばらしい。
◇
1962年、アメリカ。口の利けない孤独な女性イライザは、
政府の極秘研究所で掃除婦として働いていた。
ある日彼女は、研究所の水槽に閉じ込められていた
不思議な生きものと出会う。
アマゾンの奥地で原住民に神と崇められていたという
“彼”に心奪われ、人目を忍んで“彼”のもとへと通うようになる。
やがて、ふたりが秘かに愛を育んでいく中、
研究を主導する冷血で高圧的なエリート軍人ストリックランドは、
ついに“彼”の生体解剖を実行に移そうとするのだったが…。
<allcinema>
◇
アンダーグラウンド的な世界感は究極の“美”を醸し出す。
お世辞にも綺麗とはいえないヒロインなのだが
この作品を観ていくうちに彼女自身、徐々に美しい輝きを放って行き
最終的に彼女に対し恋心を抱いてしまうワタシであった(笑)
声帯に障害のある彼女は口がきけない。
すなわち、一般的にマイノリティ的立場の女性と
半魚人というこれまた世の異質的立場の生き物が心を通わせる。
主演のサリー・ホーキンスはヒロインのイメージにぴったり!
いや逆に、サリー・ホーキンスだからこそ
作品イメージとうまくマッチしたのかもしれないが。
今回、全裸に加え浴槽での自慰まで披露するわけだが
これがなんともエロティックで、しかも意外に形のいいヒップが
彼女の裸体を全体的に底上げしている感じだ。
冒頭とラストの水中の美しさは、もはや芸術といえる。
ストーリーも軍人ストリックランドの絶対的立ち位置が
この映画のおどろおどろしさをさらに増幅させていたと思う。
【今週のツッコミ】
・昔、クラシックホラー映画にハマっていたころを思い出す。
イギリスのハマー・フィルム・プロダクション制作の
『フランケンシュタイン』から『ドラキュラ』シリーズはもちろん
単発の『ミイラ男』『妖女ゴーゴン』等々。
・ピーター・カッシング、クリストファー・リーの2大俳優は
ハマー・プロから出てきた50~60年代の世界を席巻した大スター。
・70年代からイギリスクラシックホラーも衰退しアメリカやイタリアの
『ゾンビ』系映画にとって代わることに。
・『大アマゾンの半魚人』(1954)をテレビで観たことあるけど
水中でモンスタースーツから空気が一切出てないことに
どうやって撮影したんだろうと子供心に感心したことがある。
もしや、今作と同じで水中撮影ではないとか^^;
・今やカルト映画の悪役に欠かせないマイケル・シャノン。
ワタシは彼の出演してる映画に今のところ外れがない(笑)
・ウィッグを付けるとリチャード・ジェンキンスと分からない(爆)
おハゲもひとつの目印なのね。
・今回の半魚人はやはり神の領域にあったのかもしれない。
手の平かざすだけで発毛するんだから2回目もやったジャイルズの
次のシーンが見たかった(続編希望)
・深海クラゲのような発光体を持つ半魚人はやはりエイリアンなのか。
・水中の青、ヒロインの着る真紅、半魚人の栄養源となる緑と
光線の白色が見事に調和され古びたアパートがまるで宮殿のよう。
・第90回 アカデミー賞作品賞は『スリー・ビルボード』との一騎打ちだが
本作観た限りではどちらが獲っても納得できる僅差の戦いだ。
個人的には『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞かな~^^
---------------------------------------------------------------------
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ/ヴァネッサ・テイラー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス
『シェイプ・オブ・ウォーター』
これぞ大人のファンタジー映画ではなかろうか^^
劇中に流れる楽曲がなんともすばらしい。
◇
1962年、アメリカ。口の利けない孤独な女性イライザは、
政府の極秘研究所で掃除婦として働いていた。
ある日彼女は、研究所の水槽に閉じ込められていた
不思議な生きものと出会う。
アマゾンの奥地で原住民に神と崇められていたという
“彼”に心奪われ、人目を忍んで“彼”のもとへと通うようになる。
やがて、ふたりが秘かに愛を育んでいく中、
研究を主導する冷血で高圧的なエリート軍人ストリックランドは、
ついに“彼”の生体解剖を実行に移そうとするのだったが…。
<allcinema>
◇
アンダーグラウンド的な世界感は究極の“美”を醸し出す。
お世辞にも綺麗とはいえないヒロインなのだが
この作品を観ていくうちに彼女自身、徐々に美しい輝きを放って行き
最終的に彼女に対し恋心を抱いてしまうワタシであった(笑)
声帯に障害のある彼女は口がきけない。
すなわち、一般的にマイノリティ的立場の女性と
半魚人というこれまた世の異質的立場の生き物が心を通わせる。
主演のサリー・ホーキンスはヒロインのイメージにぴったり!
いや逆に、サリー・ホーキンスだからこそ
作品イメージとうまくマッチしたのかもしれないが。
今回、全裸に加え浴槽での自慰まで披露するわけだが
これがなんともエロティックで、しかも意外に形のいいヒップが
彼女の裸体を全体的に底上げしている感じだ。
冒頭とラストの水中の美しさは、もはや芸術といえる。
ストーリーも軍人ストリックランドの絶対的立ち位置が
この映画のおどろおどろしさをさらに増幅させていたと思う。
【今週のツッコミ】
・昔、クラシックホラー映画にハマっていたころを思い出す。
イギリスのハマー・フィルム・プロダクション制作の
『フランケンシュタイン』から『ドラキュラ』シリーズはもちろん
単発の『ミイラ男』『妖女ゴーゴン』等々。
・ピーター・カッシング、クリストファー・リーの2大俳優は
ハマー・プロから出てきた50~60年代の世界を席巻した大スター。
・70年代からイギリスクラシックホラーも衰退しアメリカやイタリアの
『ゾンビ』系映画にとって代わることに。
・『大アマゾンの半魚人』(1954)をテレビで観たことあるけど
水中でモンスタースーツから空気が一切出てないことに
どうやって撮影したんだろうと子供心に感心したことがある。
もしや、今作と同じで水中撮影ではないとか^^;
・今やカルト映画の悪役に欠かせないマイケル・シャノン。
ワタシは彼の出演してる映画に今のところ外れがない(笑)
・ウィッグを付けるとリチャード・ジェンキンスと分からない(爆)
おハゲもひとつの目印なのね。
・今回の半魚人はやはり神の領域にあったのかもしれない。
手の平かざすだけで発毛するんだから2回目もやったジャイルズの
次のシーンが見たかった(続編希望)
・深海クラゲのような発光体を持つ半魚人はやはりエイリアンなのか。
・水中の青、ヒロインの着る真紅、半魚人の栄養源となる緑と
光線の白色が見事に調和され古びたアパートがまるで宮殿のよう。
・第90回 アカデミー賞作品賞は『スリー・ビルボード』との一騎打ちだが
本作観た限りではどちらが獲っても納得できる僅差の戦いだ。
個人的には『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞かな~^^
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監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ/ヴァネッサ・テイラー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス
『シェイプ・オブ・ウォーター』
可愛らしすぎない感じがこの役にもあってたと思います。
本当に大人のファンタジー映画でした!
ラストシーンが素敵♪
本当に口がきけない感じなんか見事というしかない(笑)
美人さんや可愛い子ちゃんだと、ここまでの哀愁も表現できなかったかも。
ラストもギリギリのところでしたね。
個人的にはその後が見たい気分ですよ(笑)
私もアカデミー賞は作品賞は「シェイプ・オブ・ウォーター」に、助演男優賞は「スリー・ビルボード」に獲って欲しいなーと思っています。
本作、サリー・ホーキンスだけでなく、半魚人クリーチャーも醜いのに美しいというアンビバレンツな様相。ラストには私も「彼って美しい…」と思ってしまいましたよ。
助演男優賞「サム・ロックウェル」みごとに希望通りになりました(笑)
>アンビバレンツ
確かに相反する感情があの半魚人に対してありますね^^;
手をかざすだけで発毛したり傷が治ったり、挙句に水中呼吸もできるようになるんだから
彼はきっと神だったんでしょうね^^
全く同感です!!
そして音楽良かったですね。それもレコードで..
レトロな雰囲気満載でした。
クラシックホラー映画ですか?
「フランケンシュタイン」「ドラキュラ」は
見たことありです。このドラマのカレも
クラシックホラーっぽくてナイスでした。
サリー、イライザは恋をしてだんだんと綺麗に
なってました。確かに...。
なんというレトロないい曲なんだろう~でした。
イメージ的にフランス映画っぽい雰囲気をワタシなりに感じました。
昔、子供のころブラウン管テレビにかじりついて
クラシックホラー観てましたよ(笑)
「妖女ゴーゴン」がすごく怖かったし「フランケンシュタイン」なんて
心臓止まるくらい怖かった記憶があります^^;
本作もそんな映画に通じるモノを感じました。
名言ですね。
個人的には、グロものや怖いものは好きではないですが、違和感なく面白かったでね。
3Kの清掃員に同じ仕事を繰り返す毎日に半魚人に興味を抱いたら魅せられたということでしょうか・・・。
社会的弱者を描いて好評の批評を読んでいると、なるほどと思わされもします。
似た者同士でないと理解し合えぬもどかしさがあるものかもしれません。
言葉を話せないヒロインと半魚人の間には何も不都合なことはない。
人と人では障碍者扱いになっても異種間では普通の人間と同じ感覚になっているのがいいですね。
例の水槽の中を覗いてるうちにアウトサイダーな自分の立場とお互い認識しあったのでしょう。
案外、言葉を発せない人は想う心が素直に顔に現れるのかもしれませんね。