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パブリック・エネミーズ

2009年12月13日 22時09分36秒 | 映画 は行
評価:★★★★[4/5]甘め

(f=4)


俺の好きなもの、野球、映画、高級服、速い車、そして君。

いいですね~!ジョン・デリンジャー。
ココで“オンナ”と言わないところが高感度アップよ!^^

1930年代の大恐慌時代のシカゴの町並みから
衣装、車、汽車、飛行機という全てのセットがまるで本物のようで
あたかもそこで現実に行われていると錯覚をしてしまうほど。
細部まで拘ったという監督マイケル・マンのその
思い入れが観ている私たちに怒涛のごとく迫りくる感じだ。

こういう恐慌時代であったが故、ジョン・デリンジャーのような
社会に対抗する、アウトロー的ヒーローの出現に
暗い世にして喝采し得るものを大衆は求めていたのかもしれない。




大恐慌時代に義賊的な振る舞いとカリスマ性で
民衆に支持された伝説のギャング、ジョン・デリンジャーの
壮絶な運命を映画化した実録犯罪ドラマ。

のちにFBIとなる組織を急成長させた男
J・エドガー・フーバー率いる捜査チームとの熾烈な攻防を、
デリンジャーとビリー・フレシェットとのロマンスを絡めて
スタイリッシュに描く。
<allcinema>



冒頭で仮釈放された直後のジョン・デリンジャーが
再び収監されるシーンがあるが、それは仲間を脱獄させるための
入念な計画のものであった。

ある意味、脱獄王という称号を与えてもいいくらいの
警察を舐め切った彼の行動は、警察当局の威信にもかけて
二度と行われないように阻止する必要があった。

今で言うFBIの委員会の中で捜査に掛る予算倍増を
強く要求するJ・エドガー・フーバー長官がいた。
が、委員長から「君は何人逮捕した?」「君自身が逮捕した人数だ」
もちろん、彼は若くして連邦捜査局長に上り詰めた人材。
しかし彼自身の逮捕者はひとりもいなかったことで
予算要求は却下された。
だが彼はあきらめなかった。マスコミを利用し再度、要求を企む。
そして本編では語られなかったが、後にFBIを大改革した男で有名。

本作は、J・エドガー・フーバー長官という
かなり美味しい素材が転がっているのに、それには触れず
あくまでジョン・デリンジャーと彼を追跡する
メルヴィン・パーヴィス捜査官との攻防を描き
そこに絶世の美女ビリーを絡ませるという手法をとったのです。

結論から言って“惜しい!”
メルヴィン捜査官のキャラも今ひとつ描き切れてなく
ジョニーとの駆け引き、知恵比べが表面に出てこない。

それならってことで、唯一愛した女性を守りきるための
彼女との絆を深く描くのかといえばそうでもなく
鑑賞前は破滅的な逃避行になるのかなと思っていたが
それもそんなには逃避行というものでもなく
「バイバイ、ブラックバード」にまつわるエピソードを
もっと判り良く描いていたら、ラストシーンにも深みが出たのに。
すべてが中途半端になってしまったところは残念でならない。

じつはこれ、編集段階で相当カットされてるんじゃないかな?
なので、どのシーンに於いても唐突感があり、説明不足のため
入り込めなかった原因だと思うんですよ。
スタジオ・プロデューサーによる圧力カットなのか。
完全版がもしあるのなら観直してみたい気がする。


そういえば、映像が少し変わっていた。
これもデジタル撮影されたからでしょうか。
全体の8割は手持ちハンディカムやステディカムだったと思う。
そのため、よりリアルな映像になったとは思いますが
微妙に違和感を覚えてしまったのは、観てる方の慣れの問題かな。

甘めでも4点付けたのは、30年代の町並みに。
美術スタッフへの賛美ですかね^^


おまけ)
・1933年と言えば禁酒法時代が幕を閉じた年でもあったのね。

・ジョニーが協力者にマシンガンのクレームを付けていた。
 弾が2回詰まって、コイルも切れ、右上に微妙に反れるらしい。
 ちょっと信頼性に欠けるマシンガンでしたね。

・ギャング狩りで一世を風靡した連邦捜査局長の
 J・エドガー・フーバーで1本スピンアウト映画を~。
 監督はクリント・イーストウッドで撮ってもらいたい。

・警察に拉致されたビリーは取り調べ中に拷問を受け失禁までするが
 朦朧とする意識の中で、暴力警察に吐いた言葉にしびれた!
 拷問をしておきながら、ビビってる警察に、してやったり!だ。

・最後の隠れ家にいたリーリー・ソビエスキー。(懐かしい若手女優)
 彼女をシカゴ警察に送って行くというシーンで気が付いたのは
 彼女よりも数センチ身長が低いという事実。で、ジョニーの実寸は?

・ジェイソン・ボーンなみに、ジョニーはモロ顔だし状態で
 私たちの意表を突いて、警察署内に様子見で入って行くが
 あの、シカゴ警察らがまったく気が付かなかったのが凄い。
 あれは、もう使われてなかったジョンデリの捜査本部だった?
 
・1930年代のルックスのクリスチャン・ベイルは
 マジで似合ってなかった。髪形もそうだけど、また少し
 痩せたんでしょうか?
 彼の愛用するライフルは、あの年代のダブルトリガー(?)
 2本の直列に並ぶ引き金が、実に興味深かった。

・劇中映画の『男の世界』(1934)主演クラーク・ゲーブル
 そんな映画もあったんですね。今なら絶対にスルーだな^^;

・ジョニーの髪の裾の部分はバツマークで剃ってあったのか?
 右頬のJの字キズの生い立ちが知りたかった。

・ビリー役のマリオン・コティヤールと『グラインドハウス』の
 ローズ・マッゴーワンが同一人物だと公開前日まで思っていた(汗)

・ジョン・デリンジャーの仲間・ホーマーを演じたスティーヴン・ドーフ。
 もうほとんど見かけなくなったマット・デイモンのお友達に似てる。
 ・・・アレ?名前が出てこない。

・ジョニーの伝言を最後に聞いた捜査官がもっとも印象に残った。
 次回作『アバター』でいつもマグカップ持ってるマイルズ大佐だって!?
 
----------------------------------------------------------
監督:マイケル・マン
脚本:マイケル・マン/ロナン・ベネット/アン・ビダーマン
撮影:ダンテ・スピノッティ
音楽:エリオット・ゴールデンサール


出演:ジョニー・デップ/クリスチャン・ベイル/マリオン・コティヤール/
    ビリー・クラダップ/スティーヴン・ドーフ/スティーヴン・ラング/


『パブリック・エネミーズ』

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24 コメント

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☆某ラップグループが好きです☆ (TiM3)
2009-12-14 00:26:43
そのグループのネーミングの元になったのが、
本作の主人公=デリンジャーだそうです。

私的には「また栗兵衛(クリベェ)かよ!」って感じに思います(・ω・)

予告編では、とにかくジョニデがカウンターを乗り越えるアクションがカッコ良過ぎで、真似したいんだけど・・きっと大ケガしそうで、なかなか実行に踏み切れません(=^_^=)
返信する
ビリー・クラダップが (オリーブリー)
2009-12-14 13:43:29
この方も私に取ったら覚えにくいお顔なんですが、「あの頃、ペニーレインと」や「ビッグ・フィッシュ」の頃から随分と恰幅(?)が良くなってビックリですわ(笑)

itukaさん、甘めの採点ありがとうです(笑)
ファンとしては贔屓になっちゃいますが、作品として見たら、こりゃ、ジョニーじゃなかったら…って感じです(汗)
こんなにジョニーばかり露出する映画を撮って下さった監督には感謝ですが、ベイルをもっと掘り下げて男同士の対立見たかったです。

プレミアの生ジョニーの直後ですから、頭の整理が何もできないまま、デリンジャーだろうがなんだろうが、この眼が、この手が、この体がぁ~~~~キャー、ジョニー!!!(アホです)だったので、冷静になってまた観て来ます(爆)
返信する
もしかして・・ (ituka)
2009-12-14 19:50:19
TiM3さん こんばんは。

デリンジャー・エ※ケープ・プラン?
それとも、まんまパブリック・エナミ―でしょうか^^

>私的には「また栗兵衛(クリベェ)かよ!」って感じに思います(・ω・)

なんすかそれ?何やら怪しそうなグループですね。

>予告編では、とにかくジョニデがカウンターを乗り越えるアクションがカッコ良過ぎで、
>真似したいんだけど・・

職場にカウンターがあるなら、是非とも挑戦してください!
できれば、帰宅時にするとスタイリッシュでいいかもしれませんね^^
ワタシは着地の瞬間にギックリ腰を起こしそうです^^;
返信する
彼はユダヤ人?(こらこら) (ituka)
2009-12-14 20:11:53
オリーブリーさん こんばんは。

ビリー・クラダップ・・舌を噛みそうな名前ですよね。
いつもは草食系な役が多かった彼が、今回は肉食系のようなアクの強いイメージでした。
でも、生かされてませんでした^^;

ワタシも本作はジョニー見たさで観に行ったようなものです。

ジョニーの最後の伝言が気になりますよね。
もしかしたら「2時間待っててちょうだい」だったりね(高橋真理子じゃないって!)

東京遠征お疲れさん!
生ジョニーと握手したなんていいな~^^
上映中はずっとクスクスしっぱなしだったでしょ?
そんな気がします(笑)
返信する
☆付け鼻、観て来ました(=^_^=)☆ (TiM3)
2009-12-14 21:49:08
>それとも、まんまパブリック・エナミ―でしょうか^^

こっちの方ですね。Fight the Power な感じ(=^_^=)

>私的には「また栗兵衛(クリベェ)かよ!」って感じに思います(・ω・)
>なんすかそれ?何やら怪しそうなグループですね。

詳しく語ると何時間もかかるんですが、1.4秒で説明するとクリスチャン・ベールのことですね(・ω・)
返信する
粋な男性。 (BC)
2009-12-14 23:15:18
itukaさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

>俺の好きなもの、野球、映画、高級服、速い車、そして君。

キザな言葉だけどカッコ良いですよね☆
ジョン・デリンジャーは粋な男性だったのでしょうね。
返信する
付け鼻、ご覧になったのですね (ituka)
2009-12-15 21:25:43
TiM3さん こんばんは。

>こっちの方ですね。Fight the Power な感じ(=^_^=)

イメージ的に“超ワル軍団”みたいですね。
ヴィン・ディーゼルとコラボしても曲の方が前面に出てきそうです^^

>詳しく語ると何時間もかかるんですが、
>1.4秒で説明するとクリスチャン・ベールのことですね(・ω・)

なるほど!またまたクリベェでした。
なぜ、このひとは共演者に喰われるのか不思議でなりません^^;
こうなったら、コメディ路線で新境地を切り開くしかないと思われます。
返信する
この金は、しまいな!って・・ (ituka)
2009-12-15 21:40:18
BCさん こんばんは。

それにしても強盗中に粋なセリフを吐きましたよね。
客席から「イョ!大将!」って掛け声が聴こえてきそうです^^;

俺の好きなもの、ソフトボール、映画、ユニクロ、折りたたみチャリ、そしてキビ団子!
これじゃあ、ダメですよね。
返信する
本日観了 (笛吹働爺)
2009-12-16 19:05:36
午後に久しぶりに時間が空いたのですぐ始まる本作を見ました。
ギャングが主人公の映画なのでどうかな、と思ってましたが、なんとか楽しみました。
ヒネリもなし、余韻も何にも無しです。
返信する
レディースデー鑑賞お疲れ様です (ituka)
2009-12-16 22:22:54
笛吹働爺さん こんばんは。

メンズにとっては、なんも意味をなさないですけどね^^

ワタシはギャング映画、特にこの時代のファッションが好きで好んで観に行きます。
物語は淡々としてましたよね。

ラストもアレをわざわざ伝言しにいく意味が判らないですよね^^;
洒落た演出ねらいですが、説明不足のためスベッてましたから(笑)
返信する

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