ルイヴィトンベルト 長かった カット依頼

ルイヴィトンのベルトカット依頼です。
簡単に長さが調整できると思ったらしく、長めを購入してしまったとのことでした。
国産のベルトの場合、フリーサイズのベルトも多いですが、欧州製のベルトだとサイズ展開があって、調整せずに使うようになってますからね。
長くて使っていないので、ほぼ新品状態です。
ちょっと緊張します。
奥様からご依頼いただきまして、ベルトはご主人様のだそうです。


このベルトはここのネジはずすのが一番緊張します。
専用工具まで自作したくらい、この部分はデリケートなので損傷しやすいです。


理由はこれです。
ネジが緩まないように固着剤塗ってあるので、簡単には緩んでくれないのです。
なので、専用サイズに改良したインパクトドライバーで作業してます。
ネジが真鍮製なので、普通のドライバーだとすぐにネジの頭を舐めてしまいますから、ここは絶対にご自分でなさらない方が良いかと思います。
最悪、二度とはずせない状態になります。


新品なので、バックルに擦り傷付かないように養生しときます。


まずは切断です。
緊張の一瞬です。
何度もメールを読み返し、寸法間違えないように作業します。
ただ、ご希望のサイズでカットした際に、ルイヴィトンのロゴが半分見えるようなそんな状態になるようでしたら、ご相談します。
それだと偽物っぽい見栄えになってしまいますから。
本物は決してロゴの途中で切ったりしません。


ザクっと、切りました。
20センチです。
ロゴもちょうどよけることができました。
切った後もメールもう一回見たりして、手に汗握ります。



上端がオリジナル、下段が切った先です。
重ね合わせて先端の形状を整えていきます。



ばっちり入りました。
色々な刃物を駆使してますが、基本は文房具屋で売ってる彫刻等が種類も豊富で一番使いやすいです。
穴開けのポンチは0.5mm刻みでいろいろ用意してます。


ネジ止めです。
固着剤塗って、ネジがゆるんで抜け落ちないようにします。
これやってないベルトって多いんですよね。
ネジが無くなったと言う修理依頼のほとんどはこれです。
例えバックルのような部品点数の少ないものでも、組み方は大切なんです。
自動車のエンジンほどの機械になると、組む人によって、最高出力が変わると言われるくらい、組み方は奥が深いのです。


切った部分の糸もほつれないように処置してます。
本来は、縫いおわりは一針かニ針戻して処置するのですが、これは途中で切っているので、切りっぱなしだと糸ほつれを起こします。


これ、オリジナルの先端部分です。
ニ針戻してますよね？
本来はこうなるのです。

昔はここの部分に革だけじゃなく、補強材が入っていたものも見たのですが、最近は見ないですね。
革だからこのままで切れないですけどね。


じゃん！
きっちり20センチカット成功です。
成功ですって書くと失敗もあるみたいなので、「成功」じゃなく、「作業終了」ですね。
カットで失敗って寸法の指示間違いとかでもない限リは無いと思います。


荷物を受け取ったお客様から、サイズもピッタリで、ご主人さまもお喜びとの報告をいただきました。
こちらに荷物到着してから、2-3日で出荷しているので、迅速丁寧な作業もありがとうございます。と、お喜びいただけました。

修理依頼の場合、通常、納期は1週間程度とは言っているのですが、さすがに2-3日っていうとこちらも作業が詰まった時にプレッシャーなので、一応一週間程度とは言っておりますが、実際は2-3日、早ければ当日とかに修理して連絡してます。
仕事溜めるの好きじゃないのです。
依頼も多いので、何日も置いておいたら、依頼内容も忘れてしまいそうで、到着しだい、出来るだけ作業するようにしています。
ただ、ベルト作成だけは時間掛かかったり、革の在庫手配もあるので、3-4週いただいてます。


修理受付は、メールかLINEで、画像送付の上、お申込みいただくようお願いしています。
修理依頼のお電話での問い合わせは、状態が確認できないので見積もり出来ません。
画像送付の無いまま実物を送って来られたもので修理できないものは、そのまま着払いで返品となります。
また、突然、持込でいらっしゃっられても、直せない、作れないものもありますので、必ず事前に画像を送ってからいらしてください。

おかげ様で毎月かなりの数の修理依頼をいただいております。
連日多忙のため、持込の場合は完全予約制とさせていただいております。
他のお客様の修理を途中で中断したくないのです。
ご理解、ご協力よろしくお願いします。



伊東金属製作所
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