ベルト・バックル修理 革漉き・裁断 伊東金属製作所

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ディーゼルバックル ギボシ折れ

2023-04-17 08:07:05 | ディーゼル修理

トップバックルのギボシ折れです。
バックルに厚みがあればこのままネジ穴を開けて取り付けるのですが、そう簡単にも行かないようです。


表面は石が飾りとして入っています。
つまりバックル自体は薄いのです。
ギボシがうまく縁の厚い部分だったら良かったのですが、そうでもありません。
裏からドリルで穴開けした際に、刃先が石に触れてしまうと石が割れてしまうので、危険な作業はできません。
あと、よく溶接でというご相談をいただきますが、溶接とはどんな金属でもできるものでもなく、鉄、アルミ、ステンレス、チタン等しかできません。
このバックルは亜鉛なのでくっつけることはできませんし、そもそも成型後にメッキされたものに溶接機の熱を加えたらバックルが真っ黒になってしまいます。
アーク溶接だとアーク部分は5000度以上、鉄の場合は融点が1500度程度ですから可能であって、対して亜鉛は融点が300度程度、沸点も900度と低いので、5000度の熱を掛けたら気化しかねません。
溶接という語彙だけ理解していて、溶接を理解できていない一般の方は、金属とは1000度くらいでだいたい溶ける?的な認識を持っている方も時々いるくらいですから、致し方ないのかもしれませんが、そのような作業はできません。


側面からです。
このようにギボシは厚い部分と薄い部分の中間についているので、穴あけができないのです。


ギボシを取り付けるために、残ったギボシを削り取ります。


ギボシを取り付けた台座を製作して、これを樹脂で貼り付けます。
取り付け部の面積を大きくして強度を稼ぐ為にベースプレートを取り付けているのです。
この部品を作れば、後は正直言って、アロンアルファでも結構がっちりくっつきます。
ただ、いろいろ今まで修理してきた中で、アロンアルファだとこの面積で強度は100kg以上の負荷に耐えることができるのですが、衝撃に弱いのです。
ベルトを装着する場合はじわじわ引っ張られるので問題ないのですが、腰の高さから床に落としてしまった時に、当たり所が悪いとその一点に掛かった衝撃で取れてしまうのです。
ですのでこの工法も初期はアロンアルファを使っていた時期もありますが、今はもう少し粘性のある樹脂を使うようになりました。


取り付けてから完全硬化まで24時間待って完成です。

修理の作業受付はメールかLINEで受付していますので、必ず画像を添えてご連絡お願いいたします。
バックルがどのような状態か確認したいので、お電話では受け付けできかねます。
是非、ご協力よろしくお願いいたします。

持ち込みはワクチン3回以上接種済みの方のみお引き受けします。
その際もまずは画像送付お願いしています。
作業できないものもありますので、無用な接触は避けさせていただいています。
ご理解よろしくお願いいたします。
私は5回接種済みです。

伊東金属製作所
info@itokinzoku.co.jp
LINE ID:itokinzoku



土日祝のご連絡は翌営業日になります。
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