生野 宏宜の石彫

彫刻家 生野 宏宜 の宇宙
高知県の清流仁淀川の川原石に彫刻をすることで何かを社会に発信したいと考えています。

真の作品

2005年10月09日 11時25分04秒 | Weblog
「おでこ」 h-16cm 2005制作

心のチャンネルが変われば 日ごろ見慣れた風景も変わってくる、といった経験はありませんか?

川原の石を見ていると何か違うものに見えて仕方がないのです。
自然石のチャンネルが、イメージのチャンネルに変わる瞬間です。
その時 この石に 何かの気配を彫りこんだのが これらの作品です。

川原石の気配も残っているし 造形されたものの気配も宿している。
そしてその川原と言うのが あの澄んだ水の流れる仁淀川の豊かな川原だとすると、自然豊かな川の気配も漂ってきます。

石のチャンネルを変えることで、見る人の心のチャンネルも 変わることを目指して制作しています。

そして人々の心のチャンネルが変わると 川も変わるかもしれないし、多くの川が甦れば、海も癒されるのではないかと想像します。
海が元気になったら地球は本来の楽園に戻るのではないでしょうか。

まずは、ちょっと手に余りますが、仁淀川に取り掛かろうと思います。
真の作品は、10年後の仁淀川です。  20年後の地球です。

仁淀川の川原で

2005年10月09日 10時51分40秒 | Weblog
初めまして。
これから紹介する作品は全て、高知県にある 仁淀川(四国で最も水質のいい一級河川)の川原で拾ってきた石に彫刻したものです。

彫刻の素材として川原の石は不利です。  等質ではないしヒビや穴が隠れているかもしれません。  硬すぎたり脆すぎたりします。

それにもかかわらず 川原石にこだわるのは、どこかのどかで、優しくあたたかな「気配」がするからです。

長年流れに磨かれた形はどれも個性を主張し、それぞれの歴史を語りかけてきます。

気の遠くなるような歳月を掛けて仕上げられた曲線は 人の技の及ばない完成度に達しており、美しさとともに 心を癒す力さえ持っています。

今年四国に上陸した台風14号が去った後、1m近くのオオサンショウウオが遭難しているのを 救助する機会に恵まれました。  
この写真は、その時の印象を作品にした物です。

タイトル:「河童 オオサンショウウオと出会って」
高さ:13cm (台から24cm)
長さ:30cm
制作年: 2005年
素材:仁淀川の川原石 チャート(火打石の原料になる硬い石)