生野 宏宜の石彫

彫刻家 生野 宏宜 の宇宙
高知県の清流仁淀川の川原石に彫刻をすることで何かを社会に発信したいと考えています。

2006年01月17日 21時02分51秒 | Weblog
       「足」 h-8cm 1997制作

むかし フンザやラダックを旅していたとき、おそろしく深い空を見ました。

昼間でも群青色に近いのです。

目のいい人なら星も見えるのではないかと思ったほどでした。

そんな空を背景に、漆喰の建物やチョルテンが強い日光に照らされた姿は 心に焼きついています。

中でも、谷間で黄葉したイチョウの木に日差しがスポットのように当たった光景は 魂が揺さぶられる光景でした。

樹木が少なく、空気が澄んでいて 希薄だったから見られる風景なのでしょう。


子供の時から空を見るのが好きでした。

雲を見るのも大好きでした。

スペインの空、トルコの空、スリランカの空、東京の空、大分の空、高知の空。


十数年前、初めて高知駅に降り立って見上げた空は 感動的でした。

雨上がりだったせいもあるかもしれませんが、見たことがないほどに空が高かったのです。

20年暮らした東京を離れる決心をした瞬間でした。


高知の売りは何と言っても、高くて広い空です。

同じく澄んだ空ですが、とても明るい空なのです。

これは世界中の誰に見せても自慢できるものだと確信しています。

この空を支えているのが 太平洋と高い山の森、それをつなぐ沢山の川です。

これを生かすことがこの土地を愛する者たちの責務でしょう。

駅前広場の改造計画でいろんな意見を聞かせてもらいました。

初めて高知に来た人が見る風景として責任がある計画であることを思い出しました。

空を狭くする計画だけはやめて欲しいのですが。

足跡の化石みたいです。
右足でしょうか左足でしょうか?

知的所有権

2006年01月07日 23時10分57秒 | Weblog
      「石の呟き」 h-32cm 1998制作

明けましておめでとうございます。
年が明けて1週間もたってしまいました。

5日から店を開いて、夜も9時まで営業することにしました。
どうぞご利用下さい。

おかげさまで、リピーターも含めてお客様もボチボチ来てくださいます。

一段落して二人で食事をするたびに、あまりの旨さに幸せを感じ、窓の景色のよさに幸せを感じ、雰囲気のよさに幸せを感じ、こんな素敵なところはないと、勝手に感動しています。

この喜びを沢山の方にお裾分けできるように努力しなくてはと、肝に銘じる日々です。



基本は、マクロビオティックですが、菜食主義にはこだわらず、美味しいこと、楽しいこと、文化的で豊かなことを大切にしています。

食べることは重要な文化です。
文化的な提案は人生のテーマです。
アートの基本的な要素です。

いのちを大切にする生き方の提案をしたいです。


よく分からないものに「知的所有権」というものがあります。

誰のための権利なのか分かりません。

作者は、この世の中で生きていくために出会うさまざまな摩擦からビジョンを見てモノが出来ます。
思うに、何者か(宇宙だか神だか)が自分(アーティスト)というツールを使ってこの世界に 形を表してバランスを取っているのではないでしょうか。

限りある資源をコントロールしながら使うという類のものではないのです。

インスピレーションは無限であり、出せば出すほどアイデアは湧いてくるものです。

他人のアイデアに触れることで生まれてくるアイデアもあります。

活発に文化が生まれるためには、もっと自由が保障されなくてはいけません。

「知的所有権」は文化を衰退させるのではないかと恐れています。

版権を侵されて困るのは、製作者より その作品を流通させている人たちなのかもしれません。

誰に語るでもない 石の呟きでした。