生野 宏宜の石彫

彫刻家 生野 宏宜 の宇宙
高知県の清流仁淀川の川原石に彫刻をすることで何かを社会に発信したいと考えています。

悲しい歌

2005年10月17日 10時23分04秒 | Weblog
       「悲しい歌」 h-16cm 2003制作

この女性はどんな声でどんな歌を歌っているのでしょうか。
何か悲痛なものを訴えているように思えて仕方ありません。

作者がこんな事言ってちゃあいけませんね。

どう感じようと見るものの自由ですから。

これは個人的な思いであって作品そのものとは関係ないのですが、この作品にこめたメッセージは何かと言うと次のようになります。

実はこの作品にとりかかるときアメリカがイラク空爆を始めた頃でした。
政治的な事とか主義主張のことであまり深く踏み込むつもりはありませんが、戦争だけは反対です。

愛するものや大切なもの、生きていく上で必要な物を 突然奪われる悲しみは、我々が終わらせなくてはいけません。

こんな醜い争いのほんとうの原因は何だと思いますか。

我々の心が子供のままだからです。
自分は(人から、社会から、自然から、神から)与えられる権利だけがあると思い込んでいるものだから、奪われる事を非常に恐れるのです。

そのため、自分に与える力がある事に気づいてないのです。
私自身、心の貧しさ、未熟さを痛感する昨今です。