生野 宏宜の石彫

彫刻家 生野 宏宜 の宇宙
高知県の清流仁淀川の川原石に彫刻をすることで何かを社会に発信したいと考えています。

学校に行かない子供たち、行かせない親たち

2005年10月27日 21時11分04秒 | Weblog
         「猫の夢」 h-22cm 1997制作

子供は好きですか?

我が家に子供がやってくるまで、子供は苦手でした。

もともといのちの探求をしていたせいか、自然分娩の出産に立ち会って、本家本元の生命の神秘に触れて 夢中になってしまいました。

四六時中子供のそばにいて観察してたり、自分が手にした最高のものを手渡すにはどうすればいいかなどと考えてたら、周りから子煩悩だと言われてしまったものです。

子供が苦手だったのは、人の面倒なんか真っ平だなんて未熟な観点でものを考えていたからで、実際自分の子供に接してみると、子供にエネルギーをもらっている事に気づかされました。

「子供は5歳までに親孝行は済ませている」なんてこと言う人がいましたが、全くその通りだと思います。

光り輝いている生命エネルギーの塊から一瞬でも目が離せなくて、人に預けるのがもったいないと感じていました。

親孝行を済ませた子供が学齢期になったとき、はたと考えました。

今、訳の分からないまま 混迷を極めた学校に入れるより、我が家の方が はるかにまともな教育が出来るのではないかと思い、入学はさせない事にしたのです。

十数年前の事でした。

学校に行きたいと言い出したときに行かせてやろう、この事による結果は100パーセント親が責任をとろうと夫婦で語り合いました。

よくよく考えれば、学校に入学させるのも させないのも、親の都合でしかないのです。

子供が自分でものを考える事が出来、自分で幸せを見つける事が出来たらそれでいいのです。

最初の子は今22歳になりますが、その事によるハンディーを解決出来ていない現実に直面していると言っています。

親がそのハンディーを負わせたのです。

申し訳ないと思いますが、間違っていたとは思いません。

彼らのものを見る目はシャープで曇りがないし、自分の考えにのみしたがって行動する姿は 小気味のいいものです。

でも 正しかったとも思いません。


魚の口の中に猫がいます。
猫の夢、いい夢なのか悪夢なのか。
魚を家来にして海を渡っているのか。
なんだか物語が出来そうです。