生野 宏宜の石彫

彫刻家 生野 宏宜 の宇宙
高知県の清流仁淀川の川原石に彫刻をすることで何かを社会に発信したいと考えています。

4億年前の石

2005年10月30日 22時18分14秒 | Weblog
      「目撃」 h-21cm 2002制作

堆積岩、火成岩、変成岩・・・・

横倉山自然の森博物館でうかがった事の受け売りになりますが、40種類以上といわれる仁淀川の石の中で、最も古いものは横倉山の花崗岩で4億年前のものです。

一度固まった花崗岩が、さらに熱と圧力を掛けられて変成したもので、ザラメ状の荒い結晶の石です。

4億年前といえば、古生代で海中から陸地に生物が上陸を始めた頃でしょうか。

まず植物から始まって、それを食べるムカデ類昆虫類が、さらにそれを追って両生類が登場するそんな世界です。

その頃横倉山は現代のカリブ海辺りにあったそうです。

この作品はそんな昔の石なのです。

9.11事件をテーマに一連の作品を制作しましたが、そのなかの1点です。

目を覆いたくなるような事件の現場を 目の当たりにして 凍りつく人の 表情です。

あの時点ではあれでもまだ可能性はあったのですが 最悪のシナリオを選択してしまいました。

うさんくさい「正義」の名の元に、2つの国が戦禍を被り、罪のない非常にたくさんの子供たちの命と心が犠牲になってしまったのです。

いま、我々一人ひとりが「想像力豊かなサンタクロース」になれたら、事態は飛躍的に改善するでしょう。

この地球上にいる全ての人が、被害者でありながら加害者であり、目撃者でありながら当事者でもあるのです。

4億年前の石がそれを目撃しています。