HAYAKAWA

私が生きた奇跡

良い文章を書くためには!!

2013-10-12 11:50:57 | 今すぐ見ろ!












良い文章を書くためのちょっと変わった5つの方法(あるいは、書くための読書術)





プロ、アマを問わず、大勢の人が「書くスキル」を伸ばしたいと思っています。見落とされがちですが、書くスキルを上達させる鍵は「読むスキル」です。

ソーシャル共有サービス「Buffer」のBelle Beth Cooperさんが、ちょっと変わった読むスキルの上達法を教えてくれました。もちろん、書くスキルにもつながることです。



書くスキルは誰にとっても必要

プロの作家でなくとも、書くスキルはあらゆることで役に立ちます。例えば、

感情をうまく処理する
ポジティブな気持ちを保つ
考えをクリアに表現する
自分を売り込む
といったように。書くスキル上達のアドバイスとして、プロの作家たちがよく挙げるのは次のふたつ。「たくさん書くこと」と「たくさん読むこと」。たくさん書くことの意義は明らかですね。「習うより慣れよ」です。とはいえ、ひたすら書くだけではダメ。たくさん読むことで、自分とは違うスタイルや考え方、文体、ジャンルに触れることが大切。そしてなにより、自分より優れた文章に出会い、そこから学ぶことが重要です。



読書は、よくも悪くも、あなたに大きな影響を与えます。読書をすることで、作家たちが長い年月をかけて発明したさまざまなテクニックを見分けられるようになります。教科書でもテクニックは学べますが、作家がどんな技巧を使っているのか自分の眼で見つけるのが一番。そうやって学んだものは、あなたの経験の一部となるのです。

── Roz Morris


全宇宙を見渡せる望遠鏡があるのに、なぜ見ない?


本の読み方は、学校で一番最初に習うことです。そのため、自分には読むスキルが十分に身についており、これ以上やる必要はないと思い込むのです。しかし、そうではありません。米国の著名なイラストレーターであるチャック・ジョーンズ氏は、学生たちへの手紙の中で、「チャンスがあるのに読書をしないのは馬鹿げたことだ」と語っています。



読み方を知っているのに本を読まないのは、スキー板を持っているのにスキーをしないとか、サーフボードを持っているのにサーフィンをしない、あるいは、サンドイッチを手に持っているのに食べないようなものだ。全宇宙を見渡せる望遠鏡が目の前にあるのに、のぞいてみない理由があるかね? この喩えは読書にもぴったり当てはまる。読書は、ユーモアの宇宙、冒険やロマンスの宇宙、最高の山に登る宇宙、最深の海に潜る宇宙を、私たちに広げて見せてくれるのだから。


読書がいかに大切かがわかりましたね? では以下に、読むスキルの風変わりな上達法を5つほど紹介します。もちろん書くスキルの上達にもつながりますよ。



1.飛ばして読む


私は常に、何かを「見逃す」のを恐れています。いわゆる「fear of missing out(FOMO)」と呼ばれる症状です。読書でも同じ。ページの先の方に興味をひかれるパートがあっても、最初からそこまでの全ページを読まないと気が済みません。

でも最近になって、ようやく「すべてを読まねば」という強迫観念を手放すと、どれほど自由になれるかを知りました。たまには飛ばして読んだってOKなのです。とくに、自分とは無関係と思えるパートは飛ばす。視線追跡の研究によると、多くの人はウェブを読むときに飛ばし読みをしているそうです。





ウェブを読んでいる人は、小見出しや太字などを手がかりに、飛ばし読みをします。そうすることで、記事の全体像をすばやく把握し、どのパートは飛ばし、どのパートを熟読するかを判断しているのです。Roberto Estreitinho氏は飛ばし読みのファンだそうです。



読む価値があるか迷ったときは、結論部分を先に読みます。そして、著者がその結論に至った理由を知りたいと思えば、最初から読み直します。もし結論に興味が持てなければ、幸いです。時間を浪費せずに済んだのですから。


飛ばし読みをすることで、無関係な情報で脳がオーバーフローするのを防げます。また、入ってきた情報をより効果的に処理できて、読んだ内容を覚えておきやすくなります。



情報を取り入れるということは、ストレスレベルを高め、時間を費やすことを意味します。私たちは、創造よりも消費に、考えるよりも読むことに多くの時間を使っています。本来は逆であるべきです。自分にとって本当に重要な情報だけを取り入れるべきであり、他者にとって重要なものを創り出す時間をより多く持つべきなのです。



2.読まない


私は歳を重ねるにつれ「やめること」が好きになりました。もちろん歳のせいではありません。続けても十分に(あるいはまったく)意味がないと感じた時には、やめてしまうほうがいいと考えるようになったのです。

米国の著名作家ヘンリー・ミラー氏は、『The Books in My Life(邦題:わが読書)』の中で、「少なく読む」ことを薦めています。



とある自己分析の結果として(つまりこの本を書くことで)、ひとつの確信が得られた。できるだけ多くではなく、できるだけ少なく読むべきなのだ。私はなにも、学者や、本の虫、あるいは「教養がある」人たちと同じくらい多くの本を読んだとは言わない。それでも、これまで読んできた本の100分の1でさえ読む必要はなかったと断言できる。聞くところによると、アメリカ人の5人に1人しか読書をしないそうだ。しかし、それでも
まだ人は本を読みすぎだ。賢明で完全な人生を送っている人などめったにいない。


読書は楽しい活動であるべきです。脳は退屈なことを続けようとはしません。

Pierre Bayard氏は『How to Talk About Books You Haven't Read』の中で、人はもっと「読まない」習慣を身につけるべきだと言っています。



読んでいない本についても恥じることなく話せばいい。人は、息苦しい文化リテラシーの幻影から解放されるべきだ。そう、家庭や学校で押し付けられたステレオタイプのあのイメージだ。そんなにあくせくせずとも、ゆっくりと人生の時間をかけて、文化的素養を身につけていくことはできるのだから。


人生で残された時間を大切にしたいなら、心から楽しいことや、長い目で見て利益をもらたらしてくれる読書に時間を使うべきです。



3.普段は読まない物を読む



読め、読め、読め、どんどん読め! 駄作、古典、良いもの悪いもの、なんでもだ。そして観察せよ。大工の見習いが親方から技を盗むかのように。読め! 吸収せよ! そして書け。書いたものが良ければ、自分でもわかるだろう。良いものでないなら、窓から捨ててしまえ!

── ウィリアム・フォークナー

人はすぐに習慣の奴隷になります。読書についてもそう。同じジャンル、同じ作家、同じテーマの本ばかりを読み続けてしまうのです。

私自身、かつてはフィクションを読みませんでした。ノンフィクションやブログばかりを読んでいたのです。また、ノンフィクションが好きとはいっても、伝記には興味がありませんでした。ところが、後にフィクションや伝記を読むようになると、それが面白いだけでなく、とても多くの学びがあることがわかったのです。

あなたもかつての私のようにマンネリな読書習慣に陥っているなら、たまには新しいジャンルやスタイルの本に挑戦してください。

社会主義の政治家、Milada Horáková氏は、監獄から娘に宛てた手紙の中で「価値あるものすべて」を読むようにと語っています。



かつては読むことに貪欲だった時期もあるのだが、次第に仕事が忙しくなり、学術文献以外には一冊の本でさえ読めない状態が続いていた。とても残念なことだ。しかし、ここへ来て数カ月、たくさんの本を読んでいる。外の世界では興味さえ持てなかった本も含めてだ。価値あるものなら何でも読んだほうがいい。とにかく、たくさん読むことだ。


何を読めばいいかわからないときは、友人や書店員に尋ねてみましょう。新しいものを探しているなら、論文、オーディオブック、詩など、これまでなじみのなかったジャンルを試してみましょう。

米ベストセラー作家のニコラス・スパークス氏は、文章を書く人なら誰でも本を読むべきだと言っています。また、彼自身、幅広い読書から大きな恩恵を受けたそうです。



読んで、読んで、読むべきだ。とくかくたくさん! 私は15歳のときから、毎年100冊以上の本を読んできました。どんな本からでも学ぶことがありました。

サスペンスの組み立てが最高にうまい作家もいたし(ジョン・グリシャムの『法律事務所』を見よ)、私を震え上がらせる作家もいました(スティーブン・キングの『シャイニング』)。膨大なストーリーラインを1つの物語にまとめあげる作家もいました。すべての断片がエンディングに向かって収束し、ページをめくる手を止めらなかったものです(トム・クランシーの『トータル・フィアーズ』)。腹を抱えて大笑いさせてくれた作家もいました(クリストファー・ムーアの『Bloodsucking Fiends』)。またその陰で、実に多くの作家たちがこうしたことを試み、失敗しているのも知りました。幅広いジャンルの小説を読み、疑問を投げかけることで、創作の秘密(いわば、書くことのメカニズム)がわかってきます。また、どのジャンルや作家が優れているかもわかります。


幅広い読書にあなたがすでに読んだ本も含まれるといったら驚きますか? 私は当初、それが生産的な時間の使い方とは思えなかったのですが、ロシアの作家、ウラジーミル・ナボコフ氏が『Lectures on Literature(邦題:ナボコフの文学講義)』の中で、すべては「再読」なのだと語っています。



奇妙なことだが、人は本を読むことはできない。ただ再読できるだけだ。良い読者、一流の読者、活動的で創造的な読者はみな「再読者」なのだ。今からその理由を教えよう。ある本を初めて読むとき、あなたの眼は左から右、行から行、ページからページへと絶え間なく動きまわる。「本」という芸術の鑑賞は、このような複雑な身体の働きかけ、すなわち、空間的、時間的に展開される学びのプロセスを通じてはじめて、達成されえるものなのだ。



4.読書中にメモをとる、要約をまとめる


先日、Shane Parrish氏の投稿記事を偶然見つけました。以下は、ある著名な作家を機内で目撃した人からの報告です。



オマハへのフライトの間、彼はずっと本を読んでいました。どうやら本に直接メモを書き込んでいるようでした。そして、ひとつの章を読み終わるたびに白い紙を取り出し、要約を1ページにまとめていました。書き終わった紙はフォルダに保存します。彼は、このようにして学びを深め、将来に使えるよう、要約を整理していたのです。


要約をまとめながら本を読めば、自分の読解力も試せるし、脳が情報を整理するチャンスを与えることにもなります。同じ投稿記事の中で、Daniel Coyle氏の言葉も引用されていました。



ある研究によると、戦略B(10ページ読むごとに本を閉じ、要約を1ページ書く)に従った人々は、戦略A(10ページを繰り返し4回読み、記憶する)に従った人々よりも、長期に渡り、本の内容を50%も多く記憶していたそうです。


作家のMary Gordonさんは、他の人の文章を書き写すことで、インスピレーションが得られると語っています。



自分の文章を書く前に、私は読むことから始めます。いきなりフィクションだと重いので、もう少し気軽な、手紙やジャーナルから手をつけます。読みながら、役に立ちそうなフレーズを見つけたら、スイス製の日記帳に書き入れます。ときおり、ひときわ輝きを放つ一文に出会うことがあります。そうした文は、手作りの特製ノートへ書き込みます。

しばらくしたら、プルーストにとりかかります。英語で3ページ読み、同じページをフランス語でも読みます。お手製の「プルーストノート」に、その高密度で厳格な文章を書き写していきます。それからようやく自分のジャーナルを開き、頭に浮かんだナルシスティックでナンセンスな文章を気兼ねなく書きつけていくのです。



5.著者に反撃する



自分にとって大切であり、また、他の人も大切にすべきだと心から感じる主題を見つけることだ。そうした本物の愛情こそが、(上手な言葉遊びなんかではなく)作品を壮健で魅力的なものにするのだ。

── カート・ヴォネガット

「Goodreads」や「GetGlue」のようなソーシャル・ネットワークが存在するのには理由があります。みんな、自分が楽しんだものを共有したいのです。そして、あらゆるものについて、自分の意見を表明したがっています。

本もそのひとつ。意見を言うのは非常に良いことです。本を読んで、怒りや悲しみ、不満を感じたのなら、それを表現してください。著者の論拠に意義があるなら、主張に反論したいなら、遠慮はいりません。自分の感じたことや意見を表現することで、脳もフル稼働するし、著者の考えもより深く分析できます。そしてもちろん、自分の考えを形成する助けにもなります。

本にメモを書き込むのも同じ。著者の論点を深く理解できるだけでなく、自分の考えも明確になります。『How to Read a Book』でもそのことが指摘されています。



なぜ本に書き込むべきなのか? 第一に、そうすることで、あなたは目覚めておくことができます。ただ目覚めるだけでなく、意識が研ぎ澄まされるのです。第二に、積極的な姿勢で読むことは、考えることでもあります。そして、考えるとは、話しことば、書きことばを問わず、ことばで表現することなのです。たまに、「頭ではわかっているが口ではうまく言えない」という人いますが、そういう人は頭でもわかっていないのです。第三に、本を読みながら感じたことをメモすることで、著者の考えをより深く理解できるようになります。


もし、あなたが本当に何かを書きたいのなら、これは重要なステップです。本の感想や要約、学んだこと、思いついたアイデア、なんであれ、実際に手を動かして書くことが大切。また、読むことと書くことを同時に行えば、両者の関係性についても理解が深まります。もちろん、本の中で見つけた優れたフレーズや文体を、自分の文章でも活かせます。



優れた文章はどんなガイドブックよりも価値がある


米国の作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト氏は『Literary Composition』と題するエッセイの中で「書くことのルールを学ぶだけでは十分ではない、よい読者でもあるべきだ」と言っています。



野心のある書き手なら、テクニックの習得だけで満足すべきではない。文学的な洗練への試みは、懸命な読書から始まるべきなのだ。そして、学びの途上にある者はすべて、読むことを最重要課題と位置づけなければならない。優れた作家の文章は、どんなガイドブックよりも価値がある。アディソンやアーヴィングの作品1ページのほうが、どんなマニュアルよりも多くを教えてくれる。ポーが書いた一遍の小説は、分厚い教科書よりも意義深い。その力強く厳格な叙述方法や語り口を、心に刻み込んでくれる。


人気エッセイストのポール・グレアム氏は言っています。「書くことはアイデアの伝達ではない。アイデアの生成だ」と。さあ、それでは我々も、読んで、書いて、アイデアが溢れだすのを待とうではないですか!

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