犬小屋の中へ

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遠い道のり/台湾シネマコレクション2008

2008-09-19 20:02:22 | 映画
先日シネマート六本木で開催されている台湾シネマコレクション2008に足を運んできました。こちらは9月末まで開催、今回台湾発の8作品が上映されています。この映画館では良く韓流映画の特集やってますね。六本木らしいお水な雰囲気の裏路地にあります。出口付近にはいつも屈強な黒人男性達がうろうろしています。これも演出?

今回は前年の東京国際映画祭で見逃した「遠い道のり」を見てきました。
あらすじ(公式サイトより抜粋)
以前の住人宛に届くカセット。出口のない不倫関係から逃げるようにシャオユンはその音を探す旅に出る。精神を病んだ精神科医ツァイは旅先は旅先で恋人に向け音を録るシャオタンに出逢う。美しい景観で注目を浴びる東海岸を舞台に、自分を見失った3人の男女がそれぞれの存在を見つけ出していくヒーリング・ロード・ムービー。


「藍色夏恋」で若々しい演技を披露していたグイ・ルンメイも出演。今回の役は不倫するOL、随分大人になってましたね。「練習曲」と同じように台湾を地方を巡るロードムービーではありますが、こちらは傷ついたり悩みを抱えた三人の別の男女が旅をする、という事でまた目線の違ったロードムービーでした。

音響技師のシャオタンが前の恋人あてに郵送した台湾各地の録音テープを、別のOLが耳にしてその後を追う、という展開がよかったです。今だったらパソコンに落としてCD-Rに焼く、というのが常套手段なんだろうけどそこでカセットテープ、というのがまた郷愁感があリます。
また偏屈な精神科医のツァイ(タカアンドトシのタカを危ないおっさんにした感じ?)を音響のスキルを駆使し、ビンロウ売りとグルのチンピラから助け出すシーンも面白かった。男同士失恋をひきづってかなり痛い感じの絵ではありましたが、このあり得ないコンビでの旅路は良かったと思います。さすがに泣くシーンの長回しはきつかったですがここを長回しにする意味がよくわからん。。
しかし精神科医ツァイは最後かなり奇行に走っていたが(ダイバーのシュノーケルや足ひれを着込んで路上を練り歩き。。)その後どうなったのだろうか?おかしいと思いつつも、先日のニュースで高校教諭が「気持ちいいから」という理由で全裸で公園をマラソンしていたという事件を思い出したりで、なんとも言えない恐怖なリアリティを感じたカットでした。

最後は大きなマイクを手にした音響技師シャオタンとOLシャオユンが鉢合わせ、で終わるのかと思っていたんですが、そういう予定調和なエンディングではなかったですね。近い展開ではあったもののいい終わり方でした。
やっぱり傷ついたり路頭に迷った時には、旅に出るのが一番なのかもしれません。それが現実からの逃げ目的でもあってもいいのかもしれない。割とアート寄り(?)なので正直人を選ぶ作品かもしれませんが、台湾に足を運んだ人ならば堪能できる作品だったかなと思います。
あとはうまく都合がつけば評判の良い「ビバ!監督人生」も見てみたいところです。


チラシの裏のポスター画像。

またこの前のアジア海洋映画祭で見た「海角七号」グランプリ獲得してましたね。その上ヤフーのトピックスで取り上げられたりと凄い事になってきてます。こちらのトピックスではベタ褒めでしたが、映画としての質は侯孝賢や楊徳昌の作品の方が高いのでは...という気も。。ですが、何より従来の枠を越える大作を作りたい、残したいという志がひしひしと強く伝わってくる作品だったと思います。頑張ってぜひ日本でも公式上映を!


閑話休題で個人的な話では。。秋に向けてまた新たにブース出展等が入る予定です。そちらでなんとか公開すべく、にゃんセグの短編等をちょこちょこと進めているところです。仕事方面では某アニメ企画や、テレビ番組の携帯コンテンツなど進行中で、紹介できるタイミングになったらまたブログに書き込んだりとかすると思います。

クリックすると傷心旅行に行きたくなるとか


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