





テゴラ峠近くの緩やかな傾斜地に設営されたテントに一泊し、今日はいよいよ大きな目的のセイタカダイオウ(温室植物)を求めて、標高4300mまで登っていきます。早朝テントから出てみると、近くの木にムネアカマシコ(写真2枚目)がいました。小雨模様の天気のなか、午前7時過ぎごろ出発しました。しばらく登っていくと、山道の傍にチャバラマシコが現われ、メス(写真5枚目)とオス(写真6枚目)の両方見ることが出来ました。







約1時間ほど登ったひとつのピークのところに来ると、ユリの花を少し大きくしたようなリンドウ科メガゴドン・スティロフォルスという恐竜のような名前の花を観ることが出来ました(写真2~3枚目)。この花、中を覗いてみると、内側は緑色の網目模様のようなものがあり、面白い。時折小雨が降り下から霧が上がってきます。しばらくすると辺り一面黄色い花で埋め尽くされたような光景が見えてきました。この花は、ツツジ科のロードンデンドロン・レビドトゥムという花(写真5~6枚目)でした。さらに登り続け標高4000m近くになると、美しいサクラソウ科プリムラ・プリムラの群落(写真7枚目)が、周辺のあちらこちらで観られるようになりました。







登り始めて途中休憩も入れ、約4時間余り経った午前11時30分頃、ついに山頂近くの標高4300m近くまでやってきました。近くにまだあったシャクナゲに、かろうじてピンクの数個の花が残っていました(写真2枚目)。また足元には、不思議な模様のきれいな蛾もじっとしていました(写真3枚目)。そして、ついにあの高さが約1~2mもあるセイタカダイオウが10個ほど立っているのが、目に飛び込んできました(写真4枚目)。おおっ! やっと今回の大きな目的の植物に出会うことが出来ました。近づいて観ると、さすがに大きい。かぶさっている薄黄色の葉っぱをそおっと持ち上げて中をみると、小さな花がぎっしりと咲いています(写真5枚目)。これは寒さを防ぐため花が広い葉っぱで覆われていて、温室植物を呼ばれている所以です。近くには、ふわふわの綿毛のようなもので花が覆われたワタゲトウヒレン(写真6枚目)も数個体観ることが出来ました。綿毛の中にそーっと指を入れてみると、暖房が入っているみたいにとても暖かい。これまた、温室植物のなかでも「セーター植物」などと呼ばれています。非常に珍しい植物を観ることが出来て、何時間も登り続けたかいがありました。ちかくでスタッフが運んできてくれたお昼ご飯を頂きながら、達成感で満たされた気分で下山し、テゴラ峠からハの村の宿へと向かいました。
