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いのっちのブルースは絆

ブルースハープを吹きながら歌う「いのっち!」のブログです。音楽と関わりながら家族や友人達と楽しむ日々を綴ります。

ライブスケジュール

1月17日(土)13:00~14:00 新潟ジャズストリート          ふくわうち滋烈亭◆新潟市中央区西堀通3番町258       TEL025-229-6700                         料金◆1,000円(フリーチケット)

おちばの季節

2006-10-23 01:12:40 | 母のこと

 22日、穏やかな小春日和。クリニックに赴く。母がカレーがいいと言う。猪苗代でカレーといえば志田浜の傍、国道49号線沿いのCAFEおちば。カレーとコーヒーの店。去年まで通り過ぎるだけだったのだが、今年になって思い切って入ってみた。そして豊富なメニューに驚いた。今では母もすっかりお気に入り。店内は落ち着いた洋食店の趣き。裏庭に向かってサンデッキ風のフロアもある。更にその奥にはペット同伴ルームも用意されている。今日は口開けだったので、勧められて明るいサンデッキにした。ガラス張りの部屋の向こうに木々が茂っている。所々葉が色づいて秋の気配を味わえる。

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 本日のオーダーは、イギリス風ビーフカレーとタイ風野菜カレー。ターメリックのイエローライスとナン。カレーはインド風からタイ、マレーシア、イギリス、南欧、地中海など10数種類。ご飯物は、白いプレーンライスとイエローライス、ナンが選べる。病院食にすっかり飽きてしまった母は、中辛のカレーとナンを好んで食べる。僕は常に辛口なのだが、甘く見たココナッツミルクのホワイトカレーが意外に刺激的で、3日前に誘われてうかつにも飲み過ぎてしまった酒と煙草で痛めた胃が、微かにジンジンする。いけないなぁ。真面目に節制しないければ。母は自分の病歴を延々と語る。もう数十回繰り返された話。それでも僕は無言で頷く。食後のデザートは洋ナシのタルトとチーズケーキ、カフェ・コンパナとエスプレッソ。彼女はカフェの上に山のように盛られた生クリームを嬉しそうに頬張る。口の周りに白いクリームが残る。その度に僕は身振りでそれを拭き取るように促す。「おいしかった。」満足そうに言う彼女の言葉が、唯一僕を安堵させる。医療の手の中に居る彼女には家族が差し伸べる術は限りなく少ない。柔らかな秋の日の光がデッキを包み込む。今しばらくは外出できる。厳しい冬が訪れるまでは。山は鮮やかな色彩に燃え立っている。美しい実り豊かな季節を楽しむ。 


LAGOの冬休み

2006-10-17 19:09:03 | 母のこと

 15日、お昼前に猪苗代のクリニックへ。ここのところ母の体調は良い。今日のお昼は猪苗代湖上戸浜のアンジェロLAGO。夏の営業の最終日。今年はお休みが幾分繰り上がったようだ。本来であれば、これから紅葉燃えさかる秋の行楽シーズン。客足が途絶えるにはまだ早いのだが・・・。どちらにせよ、母の好物のピザが来春までお預けになる。年内の食べ収めというところ。到着するなり手助けをお願いする。直ぐに佐藤さんが現れた。早速車椅子を玄関の踊り場に上げていただき、窓際の明るいテーブル席へ。これまで暖かい日には、わざわざ戸外のオープン・カフェに誘導してくれた。今日の天候は晴れたり曇ったり、風が少し肌寒い。「あいにくテラスには出られませんね。」と佐藤さんが残念そうに言った。ガラスの向こうのテーブルに人気はなく寂しげに見える。

 オーダーは、シーザーズサラダ、ピッツァマルゲリータ、トマト風味のペスカトーレ、ミラノ風リゾット。最後なので定番尽くし。いつもより一品多い。僕は、このためにあえて朝食を控えてきたのだ。母は女性らしく、沢山のメニューを少しずつ味わいたい。残りを頂くのは、もちろん僕の役目。しかし今日の彼女は食欲旺盛で、ピザは半分よりも多く平らげた。「最近少し太ってきたので注意してくださいね。」と言う看護士さんの言葉を思い出す。けれど止めるに忍びない。週一回の悪事。天に許しを乞おう。食後に母はソフトクリーム、僕はカプチーノ。彼女はもどかしい口でクリニックでの不満を並べている。僕は生返事をしながら、窓外の風景を眺めている。雲の流れによって、やわらかな光が差し込み、また消える。ここ数日、秋らしく過ごしやすい気候・・・。

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 支払いを終えると、また佐藤さんが手を貸してくれた。「いつもありがとうございます。また来年もよろしくお願いいたします。」丁寧に挨拶する彼の笑顔がやさしい。仕事を超えた人柄が伝わってくる。毎度お世話になりました。こちらこそ来年もよろしくお願いいたします・・・。

 車窓から見える風景。稲の刈り入れがほぼ終わり、コスモスも花弁を散らし始めた。そして代わりに木々が色づきだす。これから山々が鮮やかに彩られる季節だ。


裏磐梯の穏やかな一日

2006-10-01 18:16:53 | 母のこと

 昨日、母のご機嫌伺い。外食に連れ出しはしたものの、猪苗代町内もいよいよ行くお店がなくなってしまったので、思い切って裏磐梯へ。色づき始めた木立の間を走り、五色沼から桧原湖まで足を伸ばす。着いたのは裏磐梯高原ホテル。森の中の静かなプライベート・リゾートを思わせる。風情のある佇まいに心動かされてはいたものの、利用するのは初めてだった。

 玄関からフロントをやり過ごしてレストランへ。思ったより素朴な雰囲気。ウェイターが窓際の席に案内してくれた。戸外には明るい光が溢れ、芝生の緑が瑞々しい。シェフのお勧めランチを頼む。スープとサラダ付きのプレート。今日のメニューはイワナのソテーとポークのトマトソース煮。「おいしいね。」と母。女性だったら充分だろう。控え気味の僕にもちょうど良い塩梅だった。

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 支払いをしてから、柔らかい日差しの中の庭園へ。「今日はあったかいねぇ。」眩しそうに目を細める母。林の中のテニス・コートからボールの弾ける音が木霊してくる。緑の絨毯の先に、鏡のように静かな山水を湛える弥六沼。その向こうに磐梯山がそびえている。雄大な景観だ。深く深呼吸したくなる。鴨の親子が水辺を泳いでいく。ゆっくりと穏やかな時間が流れる。こうして小一時間のお出かけが終わった。こんな良い場所なら雪が降る前にまた来よう。これから紅葉本番。燃え上がる原色の木々に彩られる高原は、この上ない心の安息を与えてくれるに違いない。

 母をクリニックに送った帰り道、磐梯山の麓は黄金色に輝き、稲刈りが行われていた。豊かな収穫の季節だ。各地で豊穣を祝う祭りが行われる。長い冬を控えて、東北の秋が深まってゆく。

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猪苗代の休日

2006-09-11 19:52:32 | 母のこと

Pict0049_3  9日、母の見舞いに猪苗代へ。転院させてから二年になる。気がとがめるので、毎週ご機嫌伺いに行く。そして体調が良いと昼食に連れて行く。とは言っても小さな町なので行くところが少ない。行きつけを交互にまわる。今日は天気がいいので上戸浜湖畔アンジェロ・ラゴへ。駐車場に車を入れると店長さんが出てきた。「いらっしゃいませぇ。」Pict0019_4 母を乗せた車椅子を、階段のうえまで持ちあげることを知っていて、手伝ってくれるのだ。そうして「テラスになさいますか?」とタイル敷きの開放感溢れる戸外に案内してくれる。標高のあるこの辺りは、もう秋の気配がして爽やかな風が心地よい。雲間から柔らかい日の光が差し込んできた。和食中心の病院食に飽きた母は洋食を好むようになった。Pict0021_3 今日は、ハムサラダにピザ、更にカルボナーラと魚介のリゾットを二人でたいらげた。覚悟を決めて朝ごはんを抜き、堂々挑んだ割りにはすぐ満腹になった。やはり欲張ったか。近頃僕は、主治医に禁酒、節食を義務付けられているのだが、今日だけはご勘弁。S田先生に胸の内で手を合わせる。砂浜で遊ぶ幾つかの人影。湖上をジェット・スキーが滑って行く。夏も過ぎ落ち着きをみせるリゾート。 穏やかな休日だ。食後Pict0022_1にカフェラテを頼んで、都合二時間ゆっくりくつろいで戻る。

 帰り足、蕎麦畑の前で車を停めた。小さな白い花が咲き乱れていた。もうしばらく我慢すれば実が付いて新蕎麦がいただける。見渡すと、磐梯山を背に、緑色の稲の絨毯、そして白い蕎麦の花の絨毯。まるでパッチワークのように彼方まで広がっていく。鮮やかな景色。Pict0029_1 これから駆け足で収穫期が訪れ、木々の葉が色づき、あっという間に雪景色になる。猪苗代の冬は長く厳しいが、遅い春から早い秋にかけての短い期間、恵みの季節の移り変わりは驚くほど豊かだ。はたして来週はどんな表情を見せてくれるのだろう。