命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

大阪市からの回答書の矛盾点

2016年06月24日 19時09分07秒 | 事件
回答書や天王寺動物園関連の資料を調べていくうちに大きな疑問点が見つかった。大阪市からの回答書には次のような説明がある。

「繁殖について
天王寺動物園では、5度の有識者会議を経て決定されたコレクションプランに基づいて、212種の飼育動物をカテゴリー分けして、繁殖すべき種を定め、みだりな繁殖を行わないこととしており、シマウマは繁殖推進種になっています。(大阪市ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000285423.html に会議の経過とコレクションプランが掲載されています)。本プランによると、シマウマの繁殖の目的は展示充実と書かれています。 」

バロンが生まれたのは平成26年6月19日であり、繁殖させたのはシマウマの妊娠期間である360日前の平成25年6月ごろで、その頃にはまだ天王寺動物園のはっきりとしたコレクションプラン構想はなかったはずである。このことから、上記の繁殖についての説明文はバロンを「計画的な繁殖を行って」生ませたという証明にはなってはいない。このように、行政からの回答書では「シマウマの繁殖」についての説明はしているが、「バロンの繁殖」については全く説明されていないのだ。


生まれたばかりのバロンとナデシコPhoto by 天王寺動物園

【コレクションプランとは】       (動物は物なのか?ネーミングに違和感有り)

日本動物園水族館協会(JAZA)の打ち出したもので、生物の保存、繁殖に取り組むために生物を選定、分類し、管理していく計画のことである。それに基づいて、会員の各園がそれぞれのコレクションプラン(コレクション計画)を策定することが推奨されている。

天王寺動物園のコレクションプラン策定の様子については以下のとおりである。

■大阪市天王寺動物園飼育動物維持計画検討有識者会議(設置日平成26年9月1日)
(平成26年10月19日から平成27年3月9日までに5回、育動物のコレクション計画策定並びに飼育動物の長期的な維持管理及び確保のために必要な学術情報に関する意見・助言を聴取するため 開かれた。)
(回答文中に既出URL)
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000285423.html

■天王寺動物園コレクション計画(平成26年9月1日)
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000285/285423/houkokusyosannkou1.pdf

■「天王寺動物園基本構想を策定しました…平成26年10月から平成27年3月にかけて、飼育動物のコレクションプランを検討する有識者会議を設けて、飼育動物の選択と集中について検討を進めてきました。」
http://spwww.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000321456.html

■天王寺動物園コレクション計画 案(平成27年3月9日)有識者会議で生物を次のようにランク(カテゴリー)分けする案が出来上がった。
「 ◎ 優先、導入 ○ 現状維持~推進、導入 △ 必要数のみ維持~現状維持 保留、未検討 に▼ 徐々に撤退、撤退検討 × 撤退が付加され選定された」
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000285/285423/5siryou2sannkou.pdf

【天王寺動物園が譲渡・交換を行った動物たち(平成26~27年度/2014~15年度)】
http://animals-peace.net/zoo/out-tennojizoo2014-15.html
動物愛護団体PEACEのサイトに掲載された資料↑を見ると、
二年間で、大型哺乳類の繁殖推進種のカリフォルニアアシカ3頭とグラントシマウマ(バロン)1頭が譲渡されていた。天王寺動物園は販売を業としていないので、要望があって繁殖をしたことは考えにくいし、増えすぎて手放すのだとしたらコレクションプラン策定以前の繁殖方針は、計画的とはとても言い難い。この表からでは詳しい状況がわからないので、出園の理由と譲渡時の年齢くらいは公表してほしいと思う。

【矛盾に満ちた回答】
調べたわかった事実を簡単に書いてみた。

●平成22年8月からブリーディングローンで借り受けているナデシコがバロンを受胎したのは平成25年6月ごろで出産したのは平成26年6月19日。

●前述のとおり、天王寺動物園のコレクションプランはバロンが生まれた後の平成26年9月1日から動き出し、この年の年末にJAZAのコレクションプランを参考にしながら、独自のコレクションプランを策定しようとしていた。
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000285/285423/siryou1.pdf

これらのことからバロンの繁殖はコレクションプランとは無関係で、数年前の繁殖はかなりいい加減であったのではないかと思われる。それには触れず、大阪市はあくまでもグラントシマウマの現行の繁殖方針について問題ないと回答したに過ぎない。つまり、バロンが余剰動物だという事実を踏まえての説明はされていないので、求められている十分な回答にはなっていないと言えよう。

一方で、ニュースの記事に掲載されたシマウマの「オスは大きくなると父親と争うようになる。でもずっと別々に育てていくスペースは確保できない」(T動物園担当課長代理)という言葉からは、オスだったから手放したのだということになり、いい加減な繁殖方針が裏打ちされているのだから理解に苦しむ。

雄が産まれたらゆくゆくは飼えないとわかっていながら、一か八かの賭け事のように繁殖させることが動愛法の「みだりに繁殖させた」に当たらないという判断理由は一体何だろうか。

天王寺動物園の繁殖はコレクションプランに基づいているから、みだりに繁殖させいるわけではないとの説明に説得力はない。もし、バロンの場合はコレクションプランゆえにいい加減な繁殖ではなかったと回答しているつもりならば、時系列上での明らかな間違いがあるということになる。


大阪市からの回答書
http://animals-peace.net/law/tennojizoo-osakacity.html

グラントシマウマの生態について
http://www.zoocan.jp/zukan/index.cgi?260



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。