indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 Joachim Kühn / Springfever

2014-06-23 00:01:41 | FUNKY MUSIC
先週は諸般の理由で『今週の一枚』をお休みしてしまいました。
読者の皆様申し訳ありません。

突然ですが、私はファンク好きだけどジャズも好きだし、ロックも好きなのですよ。
便宜的な手段としてジャンル分けはするのだけど、頭の中の『大好き回路』ではあまりその辺の違いはありません。
仕事帰りに演歌をまったり聴くなんてのも普通にあります。
まあそういう人ですので、気持ちがよければ何でも良いのであります。

でですね、70年代に一世を風靡したプログレってのがありまして。
私はこれをロック版クロスオーヴァーと捉えているのですね。
つまり立ち位置の違うところから貪欲に他のスタイルを食いに行った、そういう事はいつの時代もあるんですが、特にそれがハッキリと現れたのが70年代のクロスオーヴァーだったりプログレというムーヴメントだったのかなあと、そういう認識を持ってる訳です。

では今回紹介するのは何かと言うと、アトランティック・ジャズからの初CD化もの。
ドイツ人ジャズ・ピアニストのヨアヒム・キューン『Springfever』であります。

これ1976年の作品ですが、かなり度肝を抜かれました。
オーネット・コールマンとの共演歴もあるドイツ・ジャズ界の重鎮であるヨアヒム・キューンですが、まあオーネット・コールマンとやるくらいだから、一筋縄じゃいかない人って事はすぐに想像できますな。
じゃあ『Springfever』はどんな内容かというと、立ち位置はジャズだが、ファンキーさとプログレっぽさが混在してるんですわ。
ドイツ人のくせに時にはどす黒さすら感じさせるというね。
彼がエレクトリックを志向した珍しいアルバムらしいのですがね。

いや、これ面白い。
もうジャズ・ロック(プログレの一派ね)ファンのために書いておきますけど、ソフト・マシーンやブランドX聴くならこれも必ず聴きなさい!

アルバム1曲目『Lady Amber』は冒頭ロニー・リストン・スミス系かと一瞬思わせるのだが、2分余りの導入部を経て猛烈にグルーヴィな楽曲に変貌する。
しかもメインをとるのがヴァイオリン(プログレ・ファンは結構好きだよなあ)。
2曲目『Sunshine』は静謐な音空間が美しい。
3曲目『Twoo Whips』はギター&ベースのブルージィなやり取りが心地よいナンバー。徐々にギターがどんどん熱くなっていき、エレピのソロも熱く暴れる。
4曲目のタイトル・ナンバーはリリカルさと激しさを兼ね備えたピアノ・ソロ。
5曲目『Morning』はスラップ・ベースのリフに合わせてちょっと緩めにジャムろうぜ…っていくのか思いきや、途中で展開するというややサイケ・テイストの曲。
6曲目『Mushroom』は切ない系クロスオーヴァー。サビのキメも効いてる。
この辺の切なさの表現がアメリカ人とちょっと違うなあと思ったり。
7曲目『Eqall Evil』はちょっとブランドXっぽいミドルテンポの曲。
こういうの聴くとほとんどジャンルの境界線が意味を成さなくなるというね。
8曲目『California Woman』はブリブリのベースにサンタナ・テイストのギターが乗っかるテーマから展開が入って、その後はエレピもギターも暴れまくる。

ギターのフィリップ・カテリーン、ベースのジョン・リー、ドラムのジェラルド・ブラウンの演奏は申し分ないぐらいに熱く、ヨアヒム・キューンと煽り煽られという感じ。
いやはや、これが本体価格たったの952円で発売されていたのだから、買わなきゃ損でしょ。

因みにジャケはエロジャケです、それもかなり。
ドイツではスコーピオンズの『ヴァージン・キラー』と双璧認定して良いでしょう。


よろしかったらクリックを。

人気ブログランキングへ
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今週の一枚 Ronny Jordan / ... | トップ | 今週の一枚 Sharon Jones An... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

FUNKY MUSIC」カテゴリの最新記事